肥満者において、クルクミンによる心血管リスクへの作用を検証した臨床研究が、イランのグループから報告されていました。
(Sao Paulo Med J. 2019 Nov 4.)
ウコンには有効成分としてクルクミンが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用を示します。
分子メカニズムは、NF-κB抑制を介した抗炎症作用です。
先行研究では、次の報告があります。
クルクミンによるアディポネクチンとレプチンへの働き@メタボリック症候群
生活習慣病や内臓脂肪型肥満に伴う病態の本質は、「慢性炎症」です。
したがって、機能性食品成分による病気の予防のためには、抗炎症作用を有し、かつ、安全性が確立し、かつ、経済性(費用対効果)の高い製品の利用が進められます。
メタボリック症候群・内臓脂肪症候群では、内臓脂肪からさまざまなサイトカインが産生され、「慢性炎症」を惹起します。
慢性炎症は、動脈硬化を促進し、さまざまな代謝性疾患、生活習慣病の発症に関与します。
したがって、メタボリック症候群や肥満対策のサプリメントとして、
減量という機能性よりも、慢性炎症を抑制することで、肥満に伴う生活習慣病のリスクを低減できると考えられます。
また、食事についても、単に摂取エネルギー量や三大栄養素のPFCバランスだけではなく、炎症を惹起する成分が多いか、あるいは、抗炎症作用を有する食品成分が多いかによって、より健康的な食事かどうかが決まってきます。
さて、
今回の研究では、
肥満の青少年において、
クルクミンによる心血管リスクへの作用が検証されました。
具体的には、
小児心血管研究センターでのランダム化偽薬対照試験として、
13−18歳の肥満の女性を対象に、
・95%ウコン抽出物含有500mgの実薬投与群、
・偽薬投与群
の2群について、
10週間の介入が行われました。
解析の結果、
クルクミン投与群において、
BMI
(P = 0.019),
ウエスト周囲長
(P = 0.008),
ヒップ周囲長
(P = 0.030),
HDL値
(P = 0.042)
TG/HDL値
(P = 0.021)
での好影響が見出されました。
ただし、
10週間後の時点で
介入群と偽薬群との間に有意差は検出されませんでした。
(P > 0.05).
以上のデータから、
肥満の少年女子において、
クルクミン投与による心血管リスクへの好影響が示唆されます。
今後、肥満/メタボリック症候群における補完療法としてのウコン/クルクミンサプリメントの臨床的意義の検証が期待されます。
クルクミン/ウコンは、抗炎症作用があるため、慢性炎症による動脈硬化を抑えることで、高血圧の予防や改善にも有用と考えられます。
今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。
先行研究では、ウコンのクルクミンによる生活習慣病の改善など多彩な作用が示されています。
クルクミンによる耐糖能異常での血糖低下作用:メタ解析
ウコン/クルクミンによる脂質代謝改善:メタ解析
ウコン/クルクミンのレプチンへの作用:メタ解析
クルクミンによるアディポネクチンとレプチンへの働き@メタボリック症候群
クルクミンサプリメントによる抗炎症・抗酸化作用@過体重
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