サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用軽減効果 [2019年11月11日(月)]
薬物療法の専門ジャーナルに、スタチン不耐症の既往のある患者において、コエンザイムQ10投与によるスタチン剤の副作用軽減効果を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(Drug Des Devel Ther. 2019 Oct 21;13:3647-3655.)

スタチン剤は、
HMG-CoA還元酵素の働きを阻害し、肝臓におけるコレステロール合成を抑制して、血中LDLコレステロールを低下させる作用を持っています。

一方で、

スタチン剤は、「ミトコンドリア毒」としても知られています。

つまり、

スタチン剤は、CoQ10やヘムAを減少し、ATP産生を抑制することから、

肝障害や筋肉障害を生じると考えられ、

ミトコンドリア毒として知られています。

スタチン服用に伴う筋痛症は、1-3%の患者に生じます。

スタチン剤によるミトコンドリア毒への対策として、

コエンザイムQ10サプリメントの併用が推奨されています。


さて、

今回の研究では、

スタチン不耐症の既往を有する患者において、コエンザイムQ10サプリメントの有用性が検証されました。


具体的には、

スタチン不耐症の白人患者60名を対象に、

スタチン剤中止1ヶ月のwash out期間後に、

CPK値が許容範囲に低下した場合に、

スタチン剤を半分の用量で再開し、

100mgのコエンザイムQ10投与群
あるいは
偽薬投与群の2群について、3ヶ月間の介入が行われました。


解析の結果、

3カ月後の時点で、

筋痛の評価である臨床症状の指標スコアは、

コエンザイムQ10投与群では低下(改善)し、

偽薬群では変化は見られませんでした。



また、VASスコアは、

3カ月後の時点で、

コエンザイムQ10投与群では低下し、

偽薬群では変化は見られませんでした。


その他、

コエンザイムQ10投与群では、

血中のコエンザイムQ10値と、

CPK値、筋痛の臨床スコアおよびVASとの間に有意な負の相関が見出されました。



以上のデータから、

スタチン剤による筋痛といった副作用を有して、スタチン不耐症とされた患者において、

コエンザイムQ10の併用による副作用リスク低減効果が示唆されます。


スタチンによる心筋障害はコエンザイムQ10で改善する




脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。

(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)



紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析





医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。


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