今月の分子生物学の専門ジャーナルに、ビタミンD+オメガ3系脂肪酸投与研究のVITAL研究のアップデートと、ビタミンDの有用性に対するメタ解析が、米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(J Steroid Biochem Mol Biol. 2019 Nov 13:105522.)
ビタミンDは、抗炎症作用を有しており、生活習慣病の予防効果が示唆されています。
オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)による動脈硬化性疾患の予防効果は確立しています。
VITAL研究(VITamin DおよびOmegA-3 TriaLとは、
ビタミンD3(2000 IU/日)とオメガ3系必須脂肪酸(1g/日)を用いた2×2のランダム化偽薬対照試験であり、
がんと心血管疾患の一次予防を目的として、
米国の50歳以上の男性と、55歳以上の女性の合わせて、
25,871 名(アフリカ系米国人を5,106名含む)を対象として、
5.3年間(中央値)の介入が行われています。
解析の結果、
まず、
ビタミンDは、
主エンドポイントである浸潤がんの総発生率には有意な低下を生じませんでした。
(HR = 0.96, 95%CI 0.88-1.06)
しかし、
総がん死亡率において、17%の低下傾向が見出されました。
(HR = 0.83 [0.67- 1.02])
この相関は、
特にフォローアップの最初の年を除外すると、
21%の有意な低下となり、
(HR = 0.79 [0.63-0.99])
また、最初の2年を除外すると
25%の有意な低下という相関でした。
(HR = 0.75 [0.59-0.96])
(先行の交絡因子を除外し、かつ、介入による効果の潜時を考慮するために、最初の1年、あるいは2年分を解析から外すことでより顕著な相関が見出されたことになります。)
一方、
ビタミンDは、
主要心血管イベントや
(HR = 0.97 [0.85-1.12]),
その他の心血管系エンドポイント、
あるいは全死亡率では
(HR = 0.99 [0.87-1.12])
有意な低下作用は示しませんでした。
VITAL研究を含む他の最近のビタミンD臨床試験についての最新のメタ解析では、
がん死亡率の減少が見出されました。
一方、がんの発生率及び心血管疾患のエンドポイントでは有意な低下は検出されませんでした。
今後、どのような状態の個人がビタミンDサプリメントによる疾病予防効果を最も享受できるか、さらに研修が期待される分野です。
近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。
一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。
ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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