日本人高齢者でのフレイルおよび軽度認知障害(MCI)の有症率を調べた調査研究が、国立長寿医療センターのグループから報告されていました。
(J Am Med Dir Assoc. 2013 Jul;14(7):518-24.)
健康寿命の延伸には、
フレイル及び軽度認知障害(MCI)の予防と改善が重要です。
そこで、まず、現状を把握するために、フレイルの有症率を調べる必要があります。
現在、フレイルやサルコペニアの診断基準が示されるようになりました。
今回の研究では、
人口ベースの調査に基づき、
フレイルとMCIの有症率が調べられました。
具体的には、
横断研究として、
65歳以上の高齢者5104人(平均年齢71歳)を対象に、
フレイルの評価のために、
運動能、強度、持久力、身体活動、栄養の5つの分野のうちの3つ以上の制限、
MCI評価には、
標準化された面接、MMSE、国立老年医学・老年学機能評価ツール(NCGG-FAT)が用いられました。
(OSHPE; Obu Study of Health Promotion for the Elderlyという研究の一環です。)
解析の結果、
フレイルの有症率は11.3%
MCIの有症率は18.8%
フレイルとMCIの両方の有症率は2.7%,
でした。
また、
フレイルとMCIとの間には有意な相関が見出されています。
(年齢、性別、教育について補正後のオッズ比は2.0, 95%CI1.5-2.5)
以上の日本人高齢者に関する予備的な疫学研究から、
フレイルの有症率は11.3%と示唆されます。
健康寿命延伸のためには、認知症の予防が最も重要です。
また、フレイル対策では、身体的フレイルの他に、精神的フレイル(認知症やうつ)、社会的フレイル(孤立)が問題になります。
認知症の予防のためには、食事、運動、社会参加が重要です。
社会参加については、
社会的孤立は認知症リスク
というメタ解析があります。
また、
認知症予防のための社会的ネットワークは量よりも質が大切
という報告もあります。
なお、
サプリメントでは、葉酸のエビデンスが確立しています。
米国では認知症が24%も減少:2000年と2012年の比較
葉酸サプリメントが軽度認知障害(MCI)を改善する
葉酸サプリメントによる認知機能改善効果
といった報告があります。
DHCでは、地方自治体との連携協定に基づく健康づくり施策の一環として、
社会参加を促す取り組みも行っています。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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