今月の補完療法の専門ジャーナルに、ラベンダー精油を用いたアロマセラピーによる血中メラトニンを上昇させるという臨床研究が、メキシコのグループから報告されていました。
(Complement Ther Med. 2019 Dec;47:102208)
加齢により、血中メラトニン値が減少し、
高齢者では、不眠症/睡眠障害が認められるようになります。
今回の研究では、
施設に入居していない高齢者において、
ラベンダー精油を用いたアロマセラピーによる血中メラトニン値への作用が検証されました。
具体的には、
高齢男女67名を対象に、
ラベンダー精油のアロマセラピーの8セッション、4週間の介入の前後にて、
血中メラトニン値が測定されています。
解析の結果、
アロマセラピー介入後において、
血中メラトニン値の有意な増加が見出されました。
(102.3±±33.4 VS 132.5±±42.3、pg / ml, p = 0.000004)
また、
男女別の層別解析でも、
男女それぞれにおいて、
介入前に比べて、
介入後に、メラトニン値の有意な増加が見出されました。
(それぞれp = 0.00005, p = 0.026)
なお、介入の前、および介入後で、
男女の間での差は認められませんでした。
ただし、介入の前(p = 0.64)または後(p = 0.31)に2つの性別で測定値を比較した場合、これらの違いは観察されませんでした。
以上のデータから、
高齢男女において、
ラベンダー精油を用いたアロマセラピーによる血中メラトニン値の上昇作用が示唆されます。
ラベンダー精油は、不眠症/睡眠障害に対するアロマセラピーにおいて広く利用されています。
最近の研究では、
アロマセラピー+マッサージによる乳がん患者のQOL改善作用
アロマセラピーによる認知症改善作用
月経困難症に対するアロマセラピーの効果
アロマセラピーによるストレス軽減効果:メタ解析
アロマセラピーによる術後の鎮痛効果
アロマセラピーによるストレス軽減効果@看護師
アロマセラピーによる掻痒改善効果@慢性維持透析患者
も示されています。
なお、
日本では、アロマセラピーの精油(エッセンシャルオイル)は雑貨扱いになっており、
品質が玉石混淆です。
したがって、一定以上の品質を有する、質の高いアロマセラピー製品を選ぶ必要があります。
DHCでは、
アロマセラピーの関連製品を扱っています。
------------------------------------------------------------------
DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
------------------------------------------------------------------