サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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乳がん女性でのVEGFおよびIL-6,8に対するコエンザイムQ10サプリメントの有用性 [2019年12月15日(日)]
今月の治療管理学の専門ジャーナルに、乳がん女性において、VEGF(血管内皮成長因子)、IL‐6およびIL-8に対するコエンザイムQ10サプリメントの有用性を示した臨床研究が、イランのグループ(Ahvaz Jundishapur University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Ther Clin Risk Manag. 2019 Dec 4;15:1403-1410.)


コエンザイムQ10は、抗酸化作用を有する脂溶性ビタミン様物質です。

今回の研究では、

タモキシフェンによる化学療法を受けている乳がん患者において、

コエンザイムQ10(CoQ10)サプリメントによる炎症マーカーへの作用が検証されました。


具体的には、

二重盲検偽薬対照試験として、

タモキシフェン治療を受けている30人の乳がん患者と

29人の健康な被験者が無作為に4群に分けられ、

100mgのコエンザイムQ10サプリメント投与群、

偽薬投与群について、

2ヶ月間の介入が行われ、

介入の前後で、

IL-6、IL-8、VEGFが測定されました。


59名のデータが解析されました。

解析の結果、

コエンザイムQ10サプリメント投与群では、

偽薬投与群に比べて、

IL-8およびIL-6の血中濃度の有意な低下を示しました。(P <0.05)。

また、VEGF値では低下傾向が見出されました。


コエンザイムQ10サプリメント投与群では、

対照群に比べて、

サイトカイン類の有意な減少が認められています。


以上のデータから、

タモキシフェン治療中の乳がん患者において、

コエンザイムQ10サプリメント(100mg)の投与により、

炎症性サイトカイン類の低下作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待されます。



コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。




コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果





紅麹+コエンザイムQ10サプリメントによる高血圧と脂質異常症改善効果



コエンザイムQ10による非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)での抗炎症作用


双極性うつ病に対するコエンザイムQ10の補完療法としての有用性





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