今月の臨床生化学研究の専門ジャーナル(電子版)に、初回エピソード精神病および精神状態にリスクのある人において、メチオニン/ホモシステイン比の変化を調べた臨床研究が、東邦大学のグループから報告されていました。
(Clin Biochem. 2019 Dec 13)
「初回エピソード精神病 (first episode psychosis(FEP))とは、
明らかな陽性の精神病症状.が、生涯で初めて出現した状態を指す精神科の用語です。
悪玉アミノ酸であるホモシステインは、タンパク質の代謝で生じ、
葉酸、ビタミンB6, B12の働きで無害なメチオニンに代謝されます。
このメチオニン/ホモシステインサイクルが障害されることは、
高ホモシステイン血症を生じ、動脈硬化性疾患、アルツハイマー型認知症のリスクとなる他、
精神疾患などにも関連することも示唆されています。
今回の研究では、
初回エピソード精神病(FEP)の人、および、精神状態にリスクのある人(ARMS)において、
メチオニンとホモシステインの状態が検証されました。
具体的には、
FEP(n = 13)とARMS(n = 30)、および健常対照群(n = 41)を対象に、
血中のメチオニンとホモシステインが測定されました。
解析の結果、
まず、
初回エピソード精神病(FEP)群では、
血中メチオニン値の有意な低下、
(p = 0.038)、
ホモシステイン値の有意な上昇
(p = 0.017)
が見出されました。
ホモシステイン値は、
精神状態にリスクのある群(ARMS)と比べても有意に上昇していました。
(p = 0.016)
メチオニン値は、FEP群とARMS群の間で有意差はありませんでした。
また、
メチオニン/ホモシステイン比は、
対照群及びARMS群に比べて、
FEP群にて有意な減少が見出されました。
さらに、
メチオニン/ホモシステイン比は、
陽性および陰性症候群スケール、特に陽性スコアと有意な相関が見出されました。
以上のデータから、
血中メチオニン/ホモシステイン比の低下が、
RMSからFEPへの移行期間中に精神疾患を発症する危険因子であり、
ARMSとFEPの間の有用なマーカーの可能性が示唆されます。
メチオニン/ホモシステイン比の低下に対しては、
葉酸、B6、B12投与によるホモシステイン値の低下による改善効果が期待できることから、
ビタミンB群の投与によるFEPの予防効果の検証などが期待されます。
葉酸を筆頭にビタミンB群、および、EPAやDHAといったオメガ3系必須脂肪酸は、脳神経系の健康維持に必須の栄養素です。
これらは、毎日、サプリメントを利用して、確実に摂取することが求められます。
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