サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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レスベラトロールによる熱産生亢進を介した減量作用 [2013年06月30日(日)]
食物化学の専門ジャーナルに、レスベラトロールによる熱産生亢進を介した減量作用を示した基礎研究がスペインのグループから報告されていました。
(Food Chem. 2013 Nov 15;141(2):1530-5. Epub 2013 Apr 13)




レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。



さて、今回の研究では、
レスベラトロールによる骨格筋および肩甲骨間の褐色脂肪細胞での熱産生への影響が調べられました。

具体的には、ラットを用いて、レスベラトロール(30mg/kg/day)が6週間投与され、非投与群との比較が行われています。

解析の結果、
レスベラトロール投与によって、

褐色脂肪組織において、

TFAM(mitochondrial transcription factor A;ミトコンドリアゲノムのコピー数の維持や転写において働くタンパク質)遺伝子の発現亢進、

ミトコンドリアCOX2(mitochondrial-protein-cytochrome-C-oxidase subunit-2)遺伝子発現の亢進、

サーチュイン-1(SIRT1)遺伝子の発現亢進

PPARβ/δやPGC-1α遺伝子発現の亢進
が認められ、

UCP1タンパク質発現の増大も見出されました。

なお、
PPARα発現には変化は見出されていません。


また、骨格筋(腓腹筋)では、
TFAM とCOX2の遺伝子発現亢進が認められましたが、
SIRT1, PGC-1α,PPARβ/δには変化は示されていません。


なお、
レスベラトロール投与群において、
アセチル化PGC-1αの減少が認められたことから、
UCP3タンパク質の活性と発現の亢進が示唆されます。


以上のデータから、
レスベラトロール投与によって、
骨格筋および褐色脂肪組織という2つの熱産生組織において、UCPタンパク質の発現増加が生じ、
エネルギー消費量が増大することで体組成の改善が生じると示唆されます。



今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。



現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。




例えば、基礎研究では、

レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用


レスベラトロールによる糖尿病予防


レスベラトロールによる糖代謝改善作用


レスベラトロールの心不全リスク低減作用


レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム



レスベラトロールによる抗がん作用


レスベラトロールによる大腸がん抑制作用


レスベラトロールの抗炎症作用


動脈硬化抑制作用


という報告があり、


ヒト臨床研究では、

レスベラトロールによる肥満者での代謝改善


レスベラトロールによる糖尿病改善作用



レスベラトロールによる脳循環改善


子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果


という報告が知られています。


DHCでは、レスベラトロールを製品化しています。






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出講@第31回日本肥満症治療学会  [2013年06月29日(土)]
本日、第31回日本肥満症治療学会にて、


「肥満関連遺伝子検査キット20万例の有用性に関する研究」


「電話とインターネットを用いた非対面式介入による減量プログラム(遺伝子検査・フォーミュラ食・機能性食品)の検証」


として2演題を発表させていただきました。




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糖質制限食と心血管リスク [2013年06月28日(金)]
本日参加した学会で、糖質制限食についてのプレゼンがありました。


糖質制限食については、すでに多くのランダム化比較試験(RCT)によって、肥満や2型糖尿病に対する有用性が示されています。



10年ほど前に、糖質制限食の有効性がRCTで示されはじめたとき、

反対派からの批判は、

・介入期間が十分に長くないため、長期成績がわからないこと、
(メイヨークリニックから示された最初のRCTは6ヶ月ほどでした)


・高タンパク・高脂質になることから心血管リスクを高めるのではないかという懸念、

の2点でした。






まず、最初の介入期間については、

イスラエルで行われたDirect試験によって、

2年間の介入による有効性が示されており、その後6年間のフォローアップでも有効性と安全性が示されています。

(その他にも1年程度の介入試験は数多くあります。)





次に、

心血管リスクについては、タンパク質と脂質の選択に留意すること、


つまり、焼き肉やステーキを食べ放題、ということではなく、


オメガ3系脂肪酸の多い魚類や、エクストラバージンオリーブオイルを用いる、


ということで解決できます。




今年の前半に発表された糖質制限食に関するメタ解析では、糖質制限食は心血管リスクを高めると結論されています。


ただし、これらは、観察研究を解析の対象にしており、タンパク質や脂質の種類が考慮されていません。


NHSなどの研究で、タンパク質や脂質の種類別に解析した場合、

動物性たんぱく質や動物性脂質を減らすことで、

糖質制限食による心血管リスクは高くならないことが示唆されています。




つまり、糖質制限食で心血管リスクが高くなるかもしれないというのは、観察研究に基づく説であり、RCTで支持されているものではありません。



現在、糖質制限食/低炭水化物食は、

低カロリー低脂肪食とともに、

肥満や2型糖尿病対策の食事療法として選択肢の一つと考えられます。



(心血管イベントをアウトカムにするようなランダム化比較試験を糖質制限食と対照食で組むのは非現実的ですので、現時点でのエビデンスを俯瞰するとき、脂質やタンパク質の種類や質に注意しつつ、緩やかな糖質制限食にするという選択が、肥満や2型糖尿病対策からアンチエイジングといった目的にかなっていると思われます。)







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ビタミンDとB型肝炎(HBs)抗原陰性化との関連 [2013年06月27日(木)]
今月の肝臓病学の専門ジャーナルに、血中ビタミンD値と、B型肝炎でのHBs抗原陰性化との関連を調べた臨床研究が、イスラエルのグループから報告されていました。
(World J Hepatol. 2013 Jun 27;5(6):328-31)




近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。




さて、今回の研究では、

血中ビタミンD値と、HBs抗原陰性化(spontaneous seroclearance)との関連が調べられました。




具体的には、

2007年から2012年までの間に、イスラエルの肝臓疾患2施設において、

慢性非活動性B型肝炎患者53名を対象にフォローアップが行われ、

HBs抗原陰性化とビタミンD値、その他の血液生化学指標が測定されています。




解析の結果、

HBs抗原陰性化となったこれらの53名のうち、

ビタミンD値は、

44名(83%)において正常範囲であり、

9名(17%)では低値でした。




また、

HBs抗原陰性化との相関がみられた因子は、

35歳以上(95%CI: 1.25-2.8, P = 0.05)、

ビタミンDが20 ng/mL以上(95%CI: 2.4-3.2, P = 0.02)、

HBe抗原陰性化(95%CI: 2.2-3.1, P = 0.02)、

B型肝炎ウイルス陽性年数(8年以上)


でした。




以上のデータから、

HBs抗原陰性化と、ビタミンD値との関連が示唆されます。


今後、介入試験(ビタミンD投与試験)による有効性の検証が期待される分野です。



一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。




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緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用 [2013年06月26日(水)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、健常者における緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Nutr J. 2013 Jun 18;12(1):84.)




これまでに、基礎研究および予備的な臨床研究において、

緑茶によるうつ病の予防作用、抗うつ作用が示されています。



また、うつ病のコア症状であるアンヘドニア(無快楽症)と、報酬学習の阻害との関連が示唆されています。



ただし、緑茶の摂取と、報酬学習およびうつ病との関連は明確ではありません。


そこで、今回の研究では、

緑茶投与による報酬学習およびうつ病スコアへの影響が調べられました。




具体的には、

二重盲検ランダム化偽薬対照試験として、

健常者74名を対象に、

緑茶あるいは偽薬の5週間投与が行われ、

報酬学習の測定、
(monetary incentive delay taskにて評価)

およびうつ病関連スコアの測定が行われました。
(MADRSとHRSD-17にて評価)





解析の結果、

偽薬群に比べて、

緑茶投与群では、報酬学習の有意な改善効果が認められたということです。

(タスク負荷時の反応時間の有意な減少)



また、緑茶投与群では、うつ病スコアの有意な低下(改善)も見出されました。




以上のデータから、

緑茶によるうつ病リスク低減作用、報酬学習改善による無快楽症リスク低下作用が示唆されます。






これまでの多くの疫学調査で、緑茶の摂取と、胃がんなどのリスク低下との関連が示されています。

また、基礎研究では、緑茶ポリフェノールによる抗がん作用や抗酸化作用が見出されており、緑茶による抗がん効果が確立されています。

(ただし、緑茶ポリフェノール/カテキンによる介入効果は緩徐であるため、その抗がん作用を見出すことができなかった偽陰性の疫学データも散見され、ネガティブデータを好んで取り上げるメディアでみることもあります。)




DHCでは


カテキンの他、



緑茶製品も扱っています。






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オメガ3系脂肪酸による脳機能維持作用 [2013年06月25日(火)]
今月の脳研究の専門ジャーナル(電子版)に、オメガ3系脂肪酸サプリメントによる脳機能への作用を調べた臨床研究が報告されていました。
(Cereb Cortex. 2013 Jun 24.)




EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。





これまでの研究では、

オメガ3系脂肪酸を多く含む魚類の摂取が、脳の老化に対して有用であることが示されています。



そこで、今回の研究では、

オメガ3系脂肪酸サプリメントの投与による脳機能への影響が検証されました。





具体的には、

50歳から75歳の健康な男女65名(男性35名、女性30名)を対象に、

1日あたり2.2グラムのオメガ3系脂肪酸サプリメント

あるいは

偽薬のいずれかが26週間投与され、

介入の前後で、

認知機能や脳画像、血管マーカー、血液生化学データが比較されました。



解析の結果、

オメガ3系必須脂肪酸投与群では、

偽薬群に比べて、

実行機能 (executive function、作業記憶能力・選択的注意能力・衝動性抑制能力などを統合した前頭前皮質機能の指標)の有意な改善(P = 0.023)が見出されたということです。





また、

白質の微細構造の完全性および灰白質容積、IMT(内膜中膜複合体厚)、拡張期血圧に対する好影響も認められました。




脳機能である実行機能の改善と、
オメガ3系脂肪酸の変化、末梢のBDNFとの正相関、


空腹時インスリン値との負の相関が見出されています。





以上のデータから、

健康な中高年におけるオメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による脳機能維持作用が示唆されます。



EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。



EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。


オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用のメカニズムとして、以前は、オメガ6系との比率からアラキドン酸カスケードへの機序が考えられていました。


現在では、これに加えて、EPAとDHAの代謝物自体に抗炎症作用があることがわかっています。





臨床研究におけるオメガ3系脂肪酸の投与量は、1日あたり数百ミリグラムから4グラム程度です。


また、EPA:DHA=2〜3:1の割合です。


日本人の食事摂取基準では、EPAおよびDHAの摂取量を一グラム/日としています。


EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。


一般に、DHAは脳の栄養素、EPAは血管の栄養素といえるでしょう。






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日本人女性の肥満に関連した遺伝子変異 [2013年06月24日(月)]
内分泌学研究の専門ジャーナル(電子版)に、日本人女性の肥満に関連した遺伝子変異についての研究が、京都大学のグループから報告されていました。
(Endocr J. 2013 May 25)



これは、日本人を対象にした肥満関連遺伝子変異の探索を目的に行われている研究です。


私の共同研究者の一人としてお手伝いさせていただいています。






DHCでは、肥満関連遺伝子として最もコンセンサスが得られている遺伝子の変異を調べる検査キットを製品化しています。





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ビタミンD低値と歯周病リスク@高齢男性 [2013年06月23日(日)]
今月の歯科研究の専門ジャーナルに、高齢男性においてビタミンDの摂取と歯周病リスクとの関連を示した臨床研究が報告されていました。
(J Dent Res. 2013 Jun 20.)



さまざまな生活習慣病や慢性疾患において、血中ビタミンDの低値が見出されており、
ビタミンDサプリメント投与による改善作用が知られています。




さて、今回の研究では、高齢男性におけるビタミンDの摂取と歯周病リスクとの関連が調べられました。


具体的には、縦断研究として、

1986年から1998年の間に、1回から4回、歯科を受診した男性562名(平均年齢62.9歳)を対象に、

歯周ポケットの深さおよび歯周付着喪失(AL)が計測され、

歯槽骨の消失がエックス線画像にて解析されています。



(重症歯周病はPPDが1歯以上で5mm以上、ALが2か所以上で6mm以上、

中等度から重症の歯槽骨消失は3か所で40%以上の場合に診断。)





ビタミンDの摂取量と、歯周病指標との関連が解析された結果、


ビタミンD摂取量が800IU以上である場合に、


400IU以下と比べて、


重症歯周病リスクが33%低下、

(OR = 0.67, 95% CI = 0.55-0.81)


および

中等度から重症の歯槽骨の消失リスクが46%低下

(OR = 0.54, 95% CI = 0.30-0.96)



という相関が見出されたということです。




以上のデータから、高齢男性において、

ビタミンDの摂取量が800IU以上であれば、歯周病リスクの抑制効果が示唆されます。





一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。

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レスベラトロールによる糖尿病性腎障害抑制作用 [2013年06月22日(土)]
今月の機能性食品研究の専門ジャーナルに、レスベラトロールによる糖尿病性腎障害抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(J Med Food. 2013 Jun;16(6):481-6)



レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。




糖尿病性腎障害は、糖尿病の合併症として患者のQOLに大きな影響を与えます。


レスベラトロールは、糖尿病モデル動物やヒト臨床研究において、高血糖を改善することが知られています。




今回の研究では、糖尿病モデル動物において、レスベラトロールによる糖尿病性腎障害への作用が検証されました。




具体的には、

STZ誘導性糖尿病雄ラットを用いて、

レスベラトロール(20 mg/kg体重)が8週間投与され、

血糖値やクレアチニン、尿タンパクなどの指標が測定されています。





また、腎臓の組織学的所見を調べるために、

高血糖負荷時の腎臓メサンギウム細胞がレスベラトロール(2.5, 5.0, 10.0 μmol/L)添加下で培養され、細胞増殖への影響なども測定されました。




解析の結果、

まず、

レスベラトロール投与によって、

血糖値の低下、クレアチニン値の低下、尿中タンパク排泄の低下、腎肥大の抑制が認められたということです。




また、in vitro系では、

レスベラトロール投与の用量依存的に、高血糖下での腎臓メサンギウム細胞増殖抑制作用も見出されています。




以上のデータから、

レスベラトロールによる糖尿病性腎障害抑制作用が示唆されます。





今後、糖尿病における補完療法としてのレスベラトロールの臨床的意義の検証が期待されます。









現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。




例えば、基礎研究では、

レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用


レスベラトロールによる糖尿病予防


レスベラトロールによる糖代謝改善作用


レスベラトロールの心不全リスク低減作用


レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム



レスベラトロールによる抗がん作用


レスベラトロールによる大腸がん抑制作用


レスベラトロールの抗炎症作用


動脈硬化抑制作用


という報告があり、


ヒト臨床研究では、

レスベラトロールによる肥満者での代謝改善


レスベラトロールによる糖尿病改善作用



レスベラトロールによる脳循環改善


子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果


という報告が知られています。


DHCでは、レスベラトロールを製品化しています。






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シトラス・アランチウム(橙)とロディオラ・ロゼア(紅景天)による抗肥満作用 [2013年06月21日(金)]
今月の栄養研究の専門ジャーナルに、シトラス・アランチウム(橙)とロディオラ・ロゼア(紅景天、イワベンケイ)による抗肥満作用を示した基礎研究が、米国のグループ(The State University of New Jersey)から報告されていました。
(Nutr Res. 2013 Jun;33(6):503-12)





シトラス・アランチウム(橙/ダイダイ、学名:Citrus aurantium、英名:ビター・オレンジ)は、交感神経賦活作用を有するシネフリン(Synephrine)等を含み、ダイエット訴求の機能性食品素材として用いられています。

(米国では、ダイダイ/シネフリンが、エフェドラ/エフェドリンの代用サプリメント成分として広く認知されています。)



基礎研究では

ダイダイ(橙)成分による交感神経賦活作用

という報告があります。



紅景天(こうけいてん,学名Rhodiola rosea)は,インドではヒマラヤ地帯に自生する植物で,これまでの予備的な臨床研究や基礎研究によって,アダプトゲンとしての作用が示唆されてきました。





さて、今回の研究では、

シトラス・アランチウム(6%シネフリン)と紅景天(3%rosavins, 1% salidroside)の併用による食事誘導性肥満への作用が調べられました。




具体的には、Sprague-Dawley雄ラットを用いて、

それぞれの単独投与あるいは両者の併用による働きが検証されています。





解析の結果、

まず、

普通体重の標準食摂取群に、

シトラス・アランチウム(1-10 mg/kg)単独投与、

あるいは、

紅景天(2-20 mg/kg)単独投与では、

摂食量に変化は認められませんでした。



次に、

シトラス・アランチウム(5.6 mg/kg) と 紅景天 (20 mg/kg)の併用群では、

10.5%の摂食量抑制が認められています。






高脂肪食(60%脂肪食)に13週間負荷したラットに対して、

・シトラス・アランチウム(5.6 mg/kg) 単独投与、

・紅景天(20 mg/kg) 単独投与、

・両者の併用群、

・対照群

のいずれかを10日間、投与したところ、


両者の併用群において、

内臓脂肪重量が30%減少したということです。





なお、

シトラス・アランチウム投与群において、対照群に比べて、心拍数の増加(+7%)が認められました。


また、

両者の併用群において、対照群に比べて、視床下部のノルエピネフリン上昇(+15%)も見出されています。





以上のデータから、

シトラスアランチウムと紅景天の併用投与によって、

中枢神経系のモノアミン経路を介した抗肥満作用が示唆されます。





今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





ダイダイ(シトラス・アランチウム)/シネフリンは、交感神経機能を亢進することから、いわゆる燃焼系ダイエットサプリメントになります。

一方で、心拍数や血圧の変化を介して、心血管系に負担をかけるため、基礎疾患がある場合には用いるべきではないでしょう。

(したがって、高血圧などの基礎疾患を有していない、肥満者が対象になります。)


DHCのサプリメント・健康食品では、ダイエット訴求の下記の製品に、シトラスアランチウム(ビターオレンジ、橙)の成分が含まれています。



ニュースリム


ダイエットパワー






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肝細胞がんに対するマリアアザミの投与 [2013年06月20日(木)]
今月のがんと統合医療治療研究の専門ジャーナル(電子版)に、肝臓がんに対してマリアアザミ抽出物を投与した第1相臨床試験が、米国のグループ(Columbia University)から報告されていました。
(Integr Cancer Ther. 2013 Jun 11.)



マリアアザミ(英名Milk thistleミルク・シスル,学名Silybum marianum)に関しては,種子の抽出物に含まれるシリマリンsilymarinによる肝臓保護作用を示した研究が知られており,肝臓対策のハーブサプリメントとして広く利用されています。






さて、今回の研究では、

HCC肝細胞がん(進行がん)および肝障害を有する患者において、

マリアアザミ抽出物・シリビン(silybin phosphatidylcholine)の許容性(1日あたりの最大用量)が調べられました。




具体的には、

HCCの進行がんを有し、他の治療法の適応がない患者を対象に、

1日あたり2, 4, 8, 12グラムの用量漸増試験として12週間の介入が行われています。




3名の患者がエントリーし、

1日あたり2グラムを摂取した結果、

血中のシリビニン値は、1-3週間以内に増加しました。



3名とも、
肝機能障害や腫瘍マーカー(αFP値)は進行(悪化)しましたが、

56日後以降に、
患者1名において、肝機能指標の改善と炎症マーカーの改善が認められたということです。



エントリーした患者3名とも、23日から69日目に肝不全にて死亡しています。


今回の予備的な研究では、予定された漸増試験が完了せず、被験者も少ないことから、許容量や忍容性などは明らかではありません。



また、他の治療法の適応にならない、つまり、外科治療や化学療法、放射線療法といった標準治療の適応のない、進行したHCCを対象にしていますので、マリアアザミによる改善効果を期待するには投与時期が遅すぎるという課題も想定されます。




一般に、
機能性食品成分の場合、本来であれば、標準治療の補完療法として併用することでシナジーが期待できると考えられますので、臨床応用に即した研究、患者指向のアウトカムを設定した臨床研究の推進が必要と考えられます。





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オリーブポリフェノールの体内動態 [2013年06月19日(水)]
今月の分子栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブリーフ(葉)由来のオリーブポリフェノール類の体内動態を調べた臨床研究が、ニュージーランドのグループ(University of Auckland)から報告されていました。
(Mol Nutr Food Res. 2013 Jun 14)




オリーブ(Olea europaea L, オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。





さて、今回の研究では、オリーブリーフ(葉)抽出物(OLE)として摂取した場合のオレユロペンとヒドロキシチロソールの体内動態が調べられました。


具体的には、被験者9名(男性5名、平均年齢42.8歳)を対象に、

・低用量のOLE (51.1 mg のオレユロペン, 9.7 mg のヒドロキシチロソール)

・高用量のOLE (76.6 mg のオレユロペン, 14.5 mg のヒドロキシチロソール)

が投与され、投与後24時間の血液および尿の解析が行われています。

(カプセルと液体の形状の比較も行われました。)





血中オレユロペン値のピークは、カプセルよりも液体での投与のほうが有意に高値となっていますが、
(0.47 versus 2.74 ng/mL; p = 0.004)

ヒドロキシチロソール代謝物では有意差は認められていません(p = 0.94)。


また、男性のほうが女性よりもヒドロキシチロソール代謝物の血中AUCが有意に大きいという性差が見出されました(11 600 versus 2550 ng/mL; p = 0.048)。



ヒドロキシチロソール代謝物は、8時間後までに尿中に排泄されたということです。



以上のデータから、

オリーブリーフ由来ポリフェノールの体内動態には、性差や個人差が大きいことが示唆されます。




今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。




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大豆イソフラボンによる神経保護作用@アルツハイマー病認知症モデル [2013年06月18日(火)]
今月の神経病学の専門ジャーナル(電子版)に、アルツハイマー病にみられる神経病変に対する大豆イソフラボンの効果を示した基礎研究が報告されていました。
(Synapse. 2013 Jun 14.)




大豆では、大豆タンパクによる脂質代謝改善作用、大豆イソフラボンによる女性ホルモン様作用や抗酸化作用を介した機能性などが知られています。





さて、今回の研究では、

βアミロイドペプチド1-42 (Aβ1-42)によって誘導された記憶障害や学習障害に対する大豆イソフラボンの作用が調べられました。


(このうちAβ42は、Aβ分子種の中でアルツハイマー病の発症との関連が強いとされています。
Aβ42の特徴として、疎水性が高く凝集しやすい性質があり、細胞傷害性有し、老人斑形成の際にAβ42蓄積がトリガーとなり、他のAβ凝集を引き起こすとされています。)




具体的には、Wistar雄ラットを用いて、

・対照群、

・Aβ1-42群、

・大豆イソフラボン投与群、

・大豆イソフラボン+ Aβ1-42群(80 mg/kg/日のイソフラボン投与群)

の4群に分けて、比較が行われています。


(Aβ1-42は、ラットの側脳室に投与。)



学習および記憶能力、海馬シナプスの構造などが比較されました。


Morris水迷路試験の結果、

Aβ1-42群に比べて、

大豆イソフラボン投与群では、学習・記憶能の有意な改善(移動距離の減少)が認められました。



また、大豆イソフラボン前投与群では、

シナプスの障害が抑制され、Aβ1-42によって生じるタンパク質の変化(PSD-95、CaM、CaMK II、CREB、pCAMK II,・pCREBリン酸化)に対してダウンレギュレーション作用が示されています。




以上のデータから、

大豆イソフラボンの投与は、アミロイドβタンパクによって誘導される学習障害や記憶障害を抑制すること、

その分子メカニズムとして、海馬シナプスの障害を抑制すること、

が示唆されます。




今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。




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緑茶ポリフェノールによる炎症性腸疾患に対する抗炎症作用 [2013年06月17日(月)]
今月の免疫学研究の専門ジャーナルに、炎症性腸疾患に対する緑茶ポリフェノールの抗炎症作用を示した基礎研究が、米国のグループ(University of Kentucky Medical Center)から報告されていました。
(Front Immunol. 2013 Jun 5;4:132.)



慢性炎症を病態とする炎症性腸疾患(IBD)として、潰瘍性大腸炎やクローン病が知られています。


サプリメントに関する研究では、オメガ3系脂肪酸、ウコン(クルクミン)、ビタミンDといった機能性食品成分による炎症性腸疾患改善作用が示唆されています。
また、食事療法では、マクロビオティックをベースにしたセミベジタリアン食による改善効果が知られています。




さて、今回の研究では、

IBDの補完療法として、緑茶ポリフェノール・EGCG(エピガロカテキンガレート)の働きが調べられました。



IBDの標準治療では、医薬品のサラゾピリン(sulfasalazine)が投与されますが、さまざまな副作用が知られています。



そこで、緑茶ポリフェノール・EGCGの抗炎症作用を介した補完療法/併用療法としての作用が検証されました。


具体的には、

BALB/cマウスを用いて、薬剤(DDS)誘導性潰瘍性大腸炎を生じた群、

また、

IL-10欠損マウスに正常細菌叢を曝露し腸炎を生じたクローン病モデル群

および対照群の3群について、

緑茶ポリフェノール、EGCG、sulfasalazineの投与が行われています。



DDSによる潰瘍性大腸炎モデルマウスでは、血性下痢や腸炎の重症な症状が認められました(score 0-4, 3.2 ± 0.27)。



IL-10欠損マウスでも、重篤な腸炎症状が認められています。


これに対して、

緑茶ポリフェノール、EGCG、sulfasalazineの投与群では、

大腸炎症状の重症化が抑制され、許容性も高いことが示されました。





緑茶ポリフェノール(GrTP)、EGCG、sulfasalazineの投与によって、

大腸障害および組織学的スコアは、いずれも同程度に改善しています。

(GrTP vs. DSS p&#8201;<&#8201;0.05; EGCG, sulfasalazine vs. DSS p&#8201;<&#8201;0.01)





また、大腸炎モデルマウスにおいて、

炎症マーカーは増加(TNFα (3-fold), IL-6 (14-fold))しましたが、

介入によって有意な低下(改善)を認めました。



その他、

肝臓および大腸における抗酸化物質は、

大腸炎モデル動物において有意に減少し、

介入によって、有意に回復しました。




以上のデータから、

緑茶ポリフェノールやEGCGの投与は、

炎症性腸疾患モデルにおいて、

抗酸化作用を亢進(回復)し、

腸炎症状の有意な改善をもたらすことが示唆されます。



今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。






炎症性腸疾患とサプリメントに関する研究として、次の報告があります。



クローン病では血中ビタミンDが低値


炎症性腸疾患患者ではビタミンDが低値


ウコン(クルクミン)による炎症性腸疾患の改善作用






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レスベラトロールによる血管内皮機能改善作用@高血圧+脂質異常症 [2013年06月16日(日)]
今月の高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、高血圧+脂質異常症の患者におけるレスベラトロールによる血管内皮機能改善作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Hypertension. 2013 Jun 10)


レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。



さて、今回の研究では、レスベラトロールによる血管内皮機能保護にかかわる分子メカニズムが調べられました。



具体的には、高血圧で脂質異常症の患者59名を対象に、

上甲状腺動脈に対するレスベラトロールの作用が測定されています。



解析の結果、

レスベラトロールは、

NO代謝を介して血管内皮機能障害を抑制し、

血管内皮のNO合成酵素活性を亢進し、

テトラヒドロビオプテリン値を増加、

血管内皮の酸化ストレスを抑制した、

ということです。




次に、

高血圧症でも脂質異常症でもなく、甲状腺手術を施行した患者において、

レスベラトロールによるアセチルコリン反応性血管弛緩作用への作用が調べられましたが、

このセッティングでは、レスベラトロールによる作用は認められませんでした。




以上のデータから、

レスベラトロールによる血管内皮機能改善作用が示唆されます。




今後、心血管イベントを指標にしたRCTなどによる検証が期待されます。







現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。




例えば、基礎研究では、

レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用


レスベラトロールによる糖尿病予防


レスベラトロールによる糖代謝改善作用


レスベラトロールの心不全リスク低減作用


レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム



レスベラトロールによる抗がん作用


レスベラトロールによる大腸がん抑制作用


レスベラトロールの抗炎症作用


動脈硬化抑制作用


という報告があり、


ヒト臨床研究では、

レスベラトロールによる肥満者での代謝改善


レスベラトロールによる糖尿病改善作用



レスベラトロールによる脳循環改善


子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果


という報告が知られています。


DHCでは、レスベラトロールを製品化しています。





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トンカット・アリによる高齢者の身体機能維持作用 [2013年06月15日(土)]
今月の植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、トンカット・アリによる高齢者の身体機能維持作用を示した予備的な臨床研究が、南アフリカのグループ(University of the Western Cape)から報告されていました。
(Phytother Res. 2013 Jun 11.)





トンカット・アリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。


近年、マレーシアを中心に、トンカット・アリに関する研究が進められています。

最近では、トンカット・アリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究も知られています。




トンカット・アリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。


これまでの研究では、トンカット・アリによる遊離テストステロンの増加、性欲の亢進(性欲減退の改善)、抗疲労作用、ウェルビーングの改善といった働きが示唆されています。



トンカット・アリは、テストステロン値を増加させ、男性において加齢による症状を抑制することが示唆されています。




さて、今回の研究では、

高齢者におけるエルゴジェニックな機能性食品素材としてのトンカット・アリの働きが調べられました。


具体的には、身体活動がアクティブな男性13名、女性12名(57歳〜72歳)を対象に、

1日あたり400mgのトンカット・アリ抽出物が5週間投与され、血液生化学データや各種ホルモンが測定されました。





解析の結果、

介入後において

ヘモグロビン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、総テストステロン/コルチゾール比、筋力などは、

男性高齢者よりも女性高齢者で有意に低いままでした。




ヘマトクリットと赤血球数は、男性高齢者において増加傾向にあり、女性高齢者よりも有意に高値でした。




次に、

トンカット・アリ投与後に、

男女ともに、

総テストステロン値および遊離テストステロン値の有意な上昇、

筋力の有意な増加を認めたということです。





なお、女性での遊離テストステロン値の増加は、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)の有意な低下によると考察されています。




以上のデータから、

トンカット・アリによる高齢者でのエルゴジェニックな作用が示唆されます。





今後、二重盲検ランダム化比較試験などによる検証が期待される分野です。




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魚油による2型糖尿病改善作用 [2013年06月14日(金)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、魚油による2型糖尿病改善作用を示した基礎研究が、米国のグループ(University of New Mexico Health Sciences Center)から報告されていました。
(Nutrition. 2013 Jun 4.)




EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。





さて、今回の研究では、

高脂肪食負荷時における2型糖尿病モデル動物において、

魚油投与による作用が調べられました。



具体的には、C57BL/6J マウスを用いて、

・低脂肪食、

・高脂肪食+ラード併用投与、

・高脂肪食+魚油併用投与、

・高脂肪食+対照オイル併用投与、

のいずれかで30週間の介入が行われ、

関連指標が測定されました。






解析の結果、

高脂肪食+魚油併用投与群では、

ラード併用群に比べて、

耐糖能の改善、

肝コレステロール、中性脂肪の減少(改善)が認められたということです。




以上のデータから、

高脂肪食負荷による2型糖尿病の病態において、

魚油の投与による改善作用が示唆されます。




EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。



EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。


オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用のメカニズムとして、以前は、オメガ6系との比率からアラキドン酸カスケードへの機序が考えられていました。


現在では、これに加えて、EPAとDHAの代謝物自体に抗炎症作用があることがわかっています。





臨床研究におけるオメガ3系脂肪酸の投与量は、1日あたり数百ミリグラムから4グラム程度です。


また、EPA:DHA=2〜3:1の割合です。


日本人の食事摂取基準では、EPAおよびDHAの摂取量を一グラム/日としています。


EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。


一般に、DHAは脳の栄養素、EPAは血管の栄養素といえるでしょう。





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イチョウ葉エキス成分による片頭痛前兆症状抑制効果 [2013年06月13日(木)]
神経学の専門ジャーナルに、イチョウ葉エキス成分による片頭痛前兆症状に対する効果を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of Turin)から報告されていました。
(Neurol Sci. 2013 May;34 Suppl 1:161-3.)




イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。



イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。



これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。


(イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)

(イチョウ葉エキスの有効性と安全性)

(イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)




さて、今回の研究では、

片頭痛の前兆症状に対するギンコライドB(Ginkgolide B)の作用が検証されました。



具体的には、

オープンラベル試験として、

前兆症状を有する片頭痛患者25名(男性9名、女性16名、平均年齢39.7歳)を対象に、

診断基準(ICHD-II)にて、


典型的前兆を伴う片頭痛患者19名と、

頭痛を伴わない前兆を有する患者6名に分けられ、

2回の連続した前兆発作について、その程度と期間が調べられています。



1回目の発作の後、

被験者は、

サプリメント(イチョウ葉エキス由来テルペン類;60mg、コエンザイムQ10;11mg、ビタミンB2; 8.7 mg)を2カプセル摂取し、

2回目の発作への作用が比較されています。




解析の結果、

複合サプリメント投与によって、

前兆症状持続期間の有意な減少(改善)が認められました。




サプリメント投与群では、

初回(未投与)の際に、33.6 ± 11.5分

であったのが、

投与後に、

21.9 ± 11.8分へと減少しています。






全般に、

介入群では、

前兆時における神経学的症状の有意な緩和(改善)が認められたということです。



典型的前兆を有していた片頭痛患者のうち4名(18.1 %)では、

疼痛フェーズが消失しています。





以上のデータから、

イチョウ葉エキス、コエンザイムQ10、ビタミンBを含有する複合サプリメントによる片頭痛前兆症状の有意な改善作用が示唆されます。



今後、二重盲検ランダム化比較試験などによる検証が期待されます。





これまでの研究では、
コエンザイムQ10の予防的投与による片頭痛改善作用が示されています。




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。






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臨床栄養学の国際学会(APCCN2013) [2013年06月12日(水)]
本日は、臨床栄養学の国際学会(APCCN2013)の最終日でした。


ダイエタリーサプリメントに関するセッションで座長を務めさせていただきました。



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トンカット・アリの抗ストレス作用・強壮作用 [2013年06月11日(火)]
スポーツ栄養学の専門ジャーナルに、トンカット・アリによる抗ストレス作用と強壮作用を示した臨床研究が報告されていました。
(J Int Soc Sports Nutr. 2013 May 26;10(1):28.)




トンカット・アリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。


近年、マレーシアを中心に、トンカット・アリに関する研究が進められています。

最近では、トンカット・アリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究も知られています。




トンカット・アリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。


これまでの研究では、トンカット・アリによる遊離テストステロンの増加、性欲の亢進(性欲減退の改善)、抗疲労作用、ウェルビーングの改善といった働きが示唆されています。



さて、今回の研究では、トンカット・アリによるストレスおよび気分・感情への影響が調べられました。


具体的には、

被験者63名(男性32名、女性31名)を対象に、

トンカット・アリ抽出物

あるいは偽薬が4週間投与され、

中程度のストレス下での作用が測定されています。





解析の結果、

トンカット・アリ投与群では、

緊張の改善(-11%), 怒りの低下(-12%), 混乱の改善(-15%)が見出されました。




ストレスホルモン(唾液中コルチゾールとテストステロン)値も、トンカット・アリ投与によって有意に改善しています。

(コルチゾール値は16%低下、テストステロン値は37%増加。)





以上のデータから、

トンカット・アリ根抽出物投与によって、

ストレス暴露の男女における抗ストレス作用・強壮作用が示唆されます。







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