今月の歯科研究の専門ジャーナルに、高齢男性においてビタミンDの摂取と歯周病リスクとの関連を示した臨床研究が報告されていました。
(
J Dent Res. 2013 Jun 20.)
さまざまな生活習慣病や慢性疾患において、血中ビタミンDの低値が見出されており、
ビタミンDサプリメント投与による改善作用が知られています。
さて、今回の研究では、高齢男性におけるビタミンDの摂取と歯周病リスクとの関連が調べられました。
具体的には、縦断研究として、
1986年から1998年の間に、1回から4回、歯科を受診した男性562名(平均年齢62.9歳)を対象に、
歯周ポケットの深さおよび歯周付着喪失(AL)が計測され、
歯槽骨の消失がエックス線画像にて解析されています。
(重症歯周病はPPDが1歯以上で5mm以上、ALが2か所以上で6mm以上、
中等度から重症の歯槽骨消失は3か所で40%以上の場合に診断。)
ビタミンDの摂取量と、歯周病指標との関連が解析された結果、
ビタミンD摂取量が800IU以上である場合に、
400IU以下と比べて、
重症歯周病リスクが33%低下、
(OR = 0.67, 95% CI = 0.55-0.81)
および
中等度から重症の歯槽骨の消失リスクが46%低下
(OR = 0.54, 95% CI = 0.30-0.96)
という相関が見出されたということです。
以上のデータから、高齢男性において、
ビタミンDの摂取量が800IU以上であれば、歯周病リスクの抑制効果が示唆されます。
一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。
ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。
多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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