サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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葉酸サプリメントが脳卒中リスクを15%抑制する:メタ解析 [2018年07月31日(火)]
脳血管神経研究の専門ジャーナルに、ビタミンB群サプリメントによる脳卒中リスク低減作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が、オーストラリアのグループ(University of Western Australia)から報告されていました。
(Stroke Vasc Neurol. 2018 Jun 6;3(2):51-58)



葉酸はビタミンB群の一つです。

成人の場合、生活習慣病、特に動脈硬化性疾患に対する葉酸サプリメントの効果が知られています。



ビタミンB群(葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6)は、

偽薬群に比べて、

血中ホモシステイン値を25%ほど低下させ、

脳卒中リスクを10%低下させることが示されています。
(RR 0.90, 95% CI 0.82 to 0.99)


なお、

動脈硬化リスクを低減させると考えられますが、

心筋梗塞へのリスク低減効果は明確ではないという研究もあります。

一方、

葉酸が低値、血中ホモシステイン値が高値、腎機能障害によりシアノコバラミン製剤(B12)利用中の患者、抗血小板薬治療中といった群では、ビタミンB群による脳卒中リスク低減が顕著です。


葉酸などビタミンB群による脳卒中リスク低減効果は確立していることから、

現在、世界80カ国以上で、公衆衛生の施策として、葉酸が穀類などの食品に強制添加されています。

その結果、

葉酸が食品に強制添加されている地域では、

ランダム化比較試験などの介入試験や観察研究を行っても、葉酸による脳卒中予防効果の検出は難しくなりました。

例えば、

葉酸の強制添加を行っている国で行われた臨床研究では、

葉酸サプリメントの投与でも、脳卒中リスクに有意な変化は見出されませんでした。
(RR 1.05, 95% CI 0.90 to 1.23)


一方、

葉酸の強制添加がない国では、

葉酸サプリメントによって、脳卒中リスクが15%低下していました。
(RR 0.85, 95% CI 0.77 to 0.94)

(もちろん、日本は、葉酸の強制添加は行っていません。)


層別解析では、
葉酸単独、あるいは最小限(≤0.05 mg/day)のB12は、

脳卒中リスクが25%低下という作用であり、
(RR 0.75, 95% CI 0.66 to 0.86)


これに対して、
慢性腎臓病患者を対象にした介入試験での葉酸と高用量のB12 (≥0.4 mg/day)では、有意差は見出されませんでした。
(RR 0.95, 95% CI 0.86 to 1.05)




葉酸はビタミンB群の一つです。

成人の場合、生活習慣病、特に動脈硬化性疾患に対する葉酸サプリメントの効果が知られています。


葉酸サプリメントの投与によって、血中ホモシステイン値が低下し、

ホモシステインによる血管内皮障害が抑制されることで、

動脈硬化性疾患のリスクが低下すると考えられます。


実際、これまでの観察研究や疫学研究において、
血中ホモシステイン値が低いと、脳卒中や心血管疾患の発症率が低いことが示されています。



葉酸サプリメントで脳卒中が10%低下、心臓病が4%低下:メタ解析


葉酸サプリメントはACE阻害剤との併用で脳卒中を31%低減する

葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。

一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。


葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。


日本での食事摂取基準では、葉酸は、240㎍の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。

そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。


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葉酸1日1粒あたり、葉酸400μg、ビタミンB2 1.3mg、ビタミンB6 1.7mg、ビタミンB12 2.5μg
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90%以上がビタミンD不足/欠乏@中国甘粛省 [2018年07月30日(月)]
臨床栄養学の専門ジャーナルに、中国甘粛省の住民は90%以上が、ビタミンDの不足あるいは欠乏状態にあるという調査研究が報告されていました。
(Asia Pac J Clin Nutr. 2018;27(4):832-839)



近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。

また、健康寿命の延伸にも必須のビタミンです。

一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。




さて、今回の研究では、中国の住民におけるビタミンDの充足状態と背景因子に関する調査が行われました。

具体的には、
甘粛省での横断研究として、

健常者11,157名(男性4,740名、女性6,417名)を対象に、

質問票による調査が行われ、

血中ビタミンD値(25-OH-D値)が測定されました。



解析の結果、

ビタミンDの充足状態は、

重度のビタミンD欠乏(<10 ng/mL):17.3%,

ビタミンD欠乏(10-20 ng/mL):64.6%,

ビタミンD不足 (20-30 ng/mL):11.8%

ビタミンDは充足 (>=30 ng/mL):6.3%

でした。


ビタミンD欠乏は、

男性よりも、女性のほうがより顕著でした。
(82.5% vs 81.1%, p<0.001)



ビタミンD欠乏の予測因子として有意であった項目は、

若年者、

女性

でした。
(p<0.05)


一方、

日光暴露、

身体活動、

カルシウムサプリメントが、

ビタミンD欠乏のリスク低減と相関していました。
(p<0.05)


血中ビタミンD(25(OH)D3)は、

副甲状腺ホルモンと有意な負の相関、
(r=-0.279, p<0.001)


血中カルシウム濃度と有意な正相関、
(r=0.239, p<0.001)


血中リン濃度と有意な正相関、
(r=0.090, p=0.018)

LDLコレステロール値と有意な正相関、
(r=0.100, p=0.008)

BMIと有意な正相関、
(r=0.093, p=0.014)

が見出されたということです。


以上のデータから、

中国甘粛省の成人の90%以上において、

ビタミンDの欠乏や不足が顕著であることが見出されました。




ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。


日本人2型糖尿病患者の90%以上がビタミンD不足


ビタミンD低値の日本人高齢者では転倒リスクが高い




フレイル(虚弱)の予防に対しては、

1日あたり体重1kgあたり1グラムのたんぱく質の摂取、

ビタミンD3サプリメント、

アミノ酸(HMB)

が科学的根拠があります。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。




高齢者のフレイル(虚弱)予防のためには、たんぱく質、BCAA(分岐鎖アミノ酸)、HMB、ビタミンDといった栄養素の摂取が推奨されます。



フレイル予防にはビタミンDサプリメントが有用:系統的レビュー

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62.1%が補完代替医療を利用:2009年の仙台市での調査 [2018年07月29日(日)]
今月の科学誌プロスワンに、仙台市における補完代替医療の利用状況について調べた研究が、日本大学のグループから報告されていました。
(PLoS One. 2018 Jul 16;13(7):e0200578.)


1990年代初めから、補完代替医療(CAM)の利用状況については世界中で様々な調査が行われてきました。


日本での本格的な全国調査は、エクセター大学への留学経験のある山下仁先生による研究が最初です。

山下先生の論文は、CTM誌に発表されています。

(Yamashita H et al.:
Popularity of complementary and alternative medicine in Japan: a telephone survey.
Complement Ther Med. 2002 Jun;10(2):84-93. PMID: 12481956)


同じ時期に、私も大学病院健診センター受診者を対象に、CAMの利用状況を調べて、学会にて発表を行いました。

(内容は、蒲原聖可『代替医療』(中公新書)に記載しています。)


その後、国内外の多くの調査研究が発表されてきました。


さて、

今回の研究では、

補完代替医療の利用状況と関連因子について検証が行われました。

具体的には、

2009年の5月から7月に、仙台市の1500名(20歳から69歳)を対象に、

補完代替医療に関するアンケート調査が行われ、

1,018名 (68.6%)から回答が得られました。


解析の結果、

過去4週間の間に何らかのCAMを利用していた割合は、
62.1%
でした。

利用率の多い順では、下記のCAMが挙げられています。

サプリメント:59.2%、
栄養ドリンク:49.4%、
マッサージ:14.4%
健康増進器具:10.6%、
漢方:9.4%、
カイロプラクティック:9.2%、
アロマセラピー:3.5%


CAMの利用に相関が認められた因子は、

構造要因では、主観的な中流意識
(OR = 1.47; 95% CI: 1.04-2.07)

決定要因としての希望
(OR = 1.25; 95%CI: 1.04-1.50)

女性
(OR = 1.47; 95% CI: 1.02-2.12)

健康への懸念
(OR = 1.68; 95% CI: 1.20-2.34)

などでした。


代替医療―効果と利用法 (中公新書)




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レモンバーム(メリッサ)の補完療法としての有用性@狭心症 [2018年07月28日(土)]
今日は夜の飛行機で東京に戻る予定でしたが、台風12号の影響で、早い便に変更しました。

お昼前に空港についたら、すでに欠航が決まっている午後の便もあり、

私が変更した便も、【条件付き運航】となっていました。

なんとかほぼ定刻通り、羽田空港に到着しました。

結局、私が当初、予約していた便は台風で欠航になってしまっていました。



さて、本日の私的なお勉強日記です。

臨床栄養学の専門ジャーナルに、レモンバーム(学名Melissa officinalis)による抗酸化作用と脂質代謝改善作用を示した臨床研究が、イランのグループから報告されていました。
(Asia Pac J Clin Nutr. 2018;27(4):785-791)


虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)には、酸化障害や慢性炎症が発症や病態の進展に関与しています。



今回の研究では、

狭心症患者において、

レモンバーム(Lemon balm、メリッサ、学名Melissa officinalis)エキスによる酸化ストレス及び脂質代謝への作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

慢性安定狭心症患者80名を対象に、

・1日あたり3グラムのレモンバームエキス末の経口投与群:40名、

・偽薬投与群:40名

の2群について、8週間の介入試験が行われました。

酸化ストレスや炎症関連マーカー、脂質代謝指標が、介入の前後で測定されています。



解析の結果、

8週間の介入後の時点で、

偽薬投与群に比べて、

レモンバーム投与群では、

中性脂肪値、総コレステロール値、LDLコレステロール値、MDA、hs-CRPが有意に低値でした。
(p<0.01)


さらに、

血中PNO1値およびHDLコレステロール値は、

偽薬投与群に比べて、

実薬群において、高値でした。
(p<0.001)

以上のデータから、

安定狭心症患者において、

レモンバームエキス末投与による抗酸化作用、脂質代謝改善作用が示唆されます。

今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待される分野です。


なお、DHCのサプリメントでは、レモンバーム(メリッサ)は、


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等に含まれています。


心臓病の予防やリスク低減、再発予防などについては、コエンザイムQ10が第一選択のサプリメントになります。


コエンザイムQ10+セレンサプリメントが12年後の心臓病死亡率を41%低下させる



コエンザイムQ10+セレンによる心臓病死低下効果






コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。

一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。

欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。


また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。


コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。





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posted at 23:54 | この記事のURL
コエンザイムQ10は急性心筋梗塞後の心機能維持に有用 [2018年07月27日(金)]
今月の抗酸化研究の専門ジャーナルに、急性心筋梗塞後のコエンザイムQ10投与による心機能への作用を検証した臨床研究が、スロベニアのグループから報告されていました。
(Antioxidants (Basel). 2018 Jul 25;7(8).)


コエンザイムQ10は、抗酸化作用を有しており、

心疾患をはじめとする生活習慣病のリスク低減の目的で、広く利用されています。

コエンザイムQ10は、生体内でも産生されますが、加齢とともに体内の産生量が減少し、それとともに、生活習慣病のリスクが高まるという相関が知られています。

また、同年代で比較すると、糖尿病などの生活習慣病患者では、同年代の健常者に比べて、内在性コエンザイムQ10が減少している、という相関が知られています。




日本では、コエンザイムQ10は、もともと心不全の治療薬として認可されています。

アメリカでは、白人男性で心臓病リスクが高いことから、コエンザイムQ10は心臓病予防のためのサプリメントとして広く認知されています。




今回の研究では、

急性心筋梗塞後に左心機能不全を生じた状態に対して、

コエンザイムQ10投与により、左室リモデリング関連指標、酸化ストレス、ACE値への作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

心筋梗塞後で、左心室の収縮力が低下(左室駆出率EFが50%未満)した患者55名を対象に、

・コエンザイムQ10 (120 mg/日)投与群

・偽薬投与群

の2群について、24週間の介入が行われ、

退院の時点で、心エコー図検査による評価が行われました
(発症後5−10日間と、発症後6か月後の比較)


解析の結果、

梗塞と反対側の壁厚は、

偽薬投与群では、
12.8 ± 2.2 mm から13.3 ± 2.3 mmに変化したのに対して、

コエンザイムQ10投与群では、
12.2 ± 2.0 mm から10.0 ± 1.8 mmに維持されていました。
(p < 0.01)


左室マスは、

偽薬投与群では、
230 ± 77 g から 255 ± 86 gへ増量したのに対して、

コエンザイムQ10投与群では、
236 ± 72 g から213 ± 61 gへ維持されました。
(p < 0.01)

また、
左室の指標であるSphericity Index(左室短軸径/左室長軸径)は、

偽薬群では、
1.61 ± 0.32 から 1.41 ± 0.31への変化したのに対して、

コエンザイムQ10投与群では、

1.61 ± 0.28から1.63 ± 0.30となり、

有意な変化が抑制されました。
(p < 0.05)



さらに、

コエンザイムQ10投与群では、

梗塞側での壁肥厚といった異常な変化が抑制されました。
(コエンザイムQ10投与群; 9.4 ± 3.0 cm&#178; to 9.1 ± 2.8 cm&#178; 、

偽薬投与群; 10.1 ± 3.1 to 13.7 ± 4.2 cm&#178; 、p < 0.05)


その他、

拡張期及び収縮期の左室容積は、

偽薬投与群に比べて、

コエンザイムQ10投与群において、

有意に減少していました。


ACE値は、

偽薬投与群に比べて、

コエンザイムQ10投与群において、有意な低下が認められました。


以上のデータから、

急性心筋梗塞後にコエンザイムQ10投与による左室機能のリモデリングへの作用、心機能障害リスクの抑制などの有用性が考えられます。




コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。

一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。

欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。


また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。


コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。







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人生100年時代に必要なフレイル対策 [2018年07月26日(木)]
今月の老年学の専門ジャーナルに、欧州と日本の5カ国において、センテネリアン(百寿者)でのフレイルの現状を調べた疫学研究が報告されていました。
(Gerontology. 2018 Jul 20:1-11.)


先日(7月20日)に発表された厚生労働省の調査によると、
2017年の日本人の平均寿命は、
女性が87.26歳、男性が81.09歳で、ともに過去最高を更新しました。

また、日本では、100歳以上の長寿者(センテネリアン、百寿者)も増えています。

人生100年時代を迎えつつある今日、百寿者の健康状態に関する研究も進みつつあります。


今回の研究では、

センテネリアンにおけるフレイル(虚弱)の割合と、その関連因子が調べられました。


具体的には、

横断研究として、

5カ国(日本、フランス、スイス、ドイツ、スウェーデン)から

1,253名のセンテネリアンを対象に、


標準質問票を用いて、

面接方式の調査(73.3%)、

電話調査(14.5%)、

郵送での調査(12.2%)が行われ、

フレイルの評価基準の5つの側面が調べられています。

(体重減少、主観的疲労感、日常生活活動量の減少、身体能力(歩行速度)の減弱、筋力(握力)の低下)

(5-COOP研究の一環です。)


解析の結果、


参加者の95%が、フレイルの診断基準のうちの1項目以上に該当していました。

フレイル(=3項目以上)に該当する被験者は、64.7%でした。
(スウェーデンの51.5%からスイスの77.6% まで)

また、
被験者の32.2%は、

4項目あるいは5項目を満たしていました。


診断基準の該当者の割合は、

筋力(握力)の低下:84.2%、

身体能力(歩行速度)の減弱:77.6%、

日常生活活動量の減少:72.5%、

主観的疲労感:43.8%、

体重減少:23.8%、

でした。


次に、

フレイルと相関していた背景因子は、

性別や国、居住の形態(施設など)、うつ状態、認知機能、障害の程度、転倒、感覚障害などでした。


以上のデータから、

100歳以上のセンテネリアン・百寿者では、

フレイル(虚弱)リスクが非常に高いことが示唆されます。


フレイル(虚弱)の予防に対しては、

1日あたり体重1kgあたり1グラムのたんぱく質の摂取、

ビタミンD3サプリメント、

アミノ酸(HMB)

が科学的根拠があります。





高齢者のフレイル(虚弱)予防のためには、たんぱく質、BCAA(分岐鎖アミノ酸)、HMB、ビタミンDといった栄養素の摂取が推奨されます。



フレイル予防にはビタミンDサプリメントが有用:系統的レビュー



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サプリメントがファーストラインとなる病態:レビュー 


研究と利害の衝突@抗インフルエンザウイルス剤


研究と利害の衝突についてのルール作成


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小児がん患者での化学療法に伴う嘔気をアロマセラピーが軽減する [2018年07月25日(水)]
今月の小児腫瘍学の専門ジャーナルに、小児がん患者において、化学療法施行時に生じる嘔気に対するアロマセラピーの作用を検証した臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
(J Pediatr Oncol Nurs. 2018 Jun 1:1043454218782133)



アロマセラピーは、安全性が高い補完療法の一つであり、

疼痛や不眠症などさまざまな病態に広く利用されています。


小児がん患者において、

化学療法の施行時にみられる悪心・嘔気は、管理が容易ではありません。


今回の研究では、

小児がん患者における化学療法誘導性の嘔気に対するアロマセラピーの作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

小児がん患者49名を対象に、

化学療法施行期間中に、

・ジンジャー(ショウガ)のエッセンシャルオイル(精油)のアロマ吸入(芳香療法)施行群、

・偽薬(水)あるいは対照(Johnson's baby shampoo)群

の2群について、

介入の前後で、

嘔気の指標(Pediatric Nausea Assessment Tool, PeNAT)が測定されています。


解析の結果、

まず、アロマセラピーは、浸襲性がなく、高い許容性が認められました。

ただし、ジンジャーの芳香療法での有意差は検出されませんでした。

次に、
層別解析では、

化学療法施行の前の時点で、

嘔気を感じていたがん患者21名中

指標であるPeNATスコアは、

67%が改善を示し、

5%が悪化、

28%が不変でした。


今回の研究では、

小児がん患者に対するショウガの精油を用いた芳香療法で、3群でのPeNATスコアでの有意差は検出できませんでしたが、

嘔気を感じている患者では7割近くが改善を示しています。


芳香療法としてアロマセラピーは、簡便であり、安全性が高いことから、

補完療法としての利活用が期待される分野です。


アロマテラピーは、安全性が高く、補完療法として様々な分野に用いられています。



最近の研究では、

アロマセラピーによる認知症改善作用



アロマセラピーによる術後の鎮痛効果



アロマセラピーによるストレス軽減効果@看護師



アロマセラピーによる掻痒改善効果@慢性維持透析患者


も示されています。



なお、
日本では、アロマセラピーの精油(エッセンシャルオイル)は雑貨扱いになっており、
品質が玉石混淆です。


したがって、一定以上の品質を有する、質の高いアロマセラピー製品を選ぶ必要があります。


DHCでは、アロマセラピーの関連製品を扱っています。







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スタチン剤とイチョウ葉エキスの併用が脂質異常症を改善する:メタ解析 [2018年07月24日(火)]
薬理学の専門ジャーナルに、脂質異常症の治療薬であるスタチン剤と、イチョウ葉エキスとの併用によるシナジーを検証したメタ解析が、中国のグループ(Jiangsu University)から報告されていました。
(Front Pharmacol. 2018 Jun 22;9:659.)



イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。


イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。


これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。


(イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)

(イチョウ葉エキスの有効性と安全性)

(イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)

(イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー)


イチョウ葉エキスは、中国では、脂質異常症の治療薬との併用がよく行われているとのことです。

そこで、

今回のメタ解析では、

脂質異常症患者において、スタチン剤とイチョウ葉エキスの併用による働きが検証されました。

具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(PubMed, EMBASE, Cochrane Library, China National Knowledge Infrastructure, VIP, and Wanfang database)

2017年10月までの収載論文を対象に、

脂質異常症患者において、

スタチン剤単独投与群と、

イチョウ葉エキス+スタチン剤の併用投与群との比較を行ったランダム化試験が検索され、

8報のRCTから、664名のデータが解析の対象になりました。



解析の結果、

スタチン剤の単独投与に比べて、

スタチン剤に、イチョウ葉エキスを併用投与した群のほうが、

中性脂肪値の有意な低下
(MD -0.32 mmol/L; 95%CI -0.43 to -0.20)

総コレステロール値の有意な低下、
(MD -0.61 mmol/L; 95% CI -0.90 to -0.33)

LDLコレステロール値の有意な低下
(MD -0.32 mmol/L; 95% CI -0.48 to -0.16)

HDLコレステロール値の有意な増加
(MD 0.26 mmol/L; 95% CI 0.15 to 0.37)

が見出されました。



サブ解析では、

イチョウ葉エキスと、シンバスタチンとの併用のほうが、

アトルバスタチンとの併用よりも、

より顕著な中性脂肪値の低下、総コレステロール値の低下、LDL値の低下が見出されたということです。


以上、今回のメタ解析では、

脂質異常症患者において、

スタチン剤に、イチョウ葉エキス併用による脂質代謝の改善作用のシナジーが示唆されます。



脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。

(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)




紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析








医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)




コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。




還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。









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ブドウおよびブルーベリーポリフェノールが健常高齢者の認知機能を改善する [2018年07月23日(月)]
今月の老年学の専門ジャーナル(電子版)に、ブドウ及びブルーベリー由来ポリフェノールによる認知機能への作用を検証した臨床研究が、フランスのグループ(Nutrition et Neurobiologie Int&#233;gr&#233;e)から報告されていました。
(J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018 Jul 19.)


植物性食品に含まれるポリフェノールには、抗酸化作用や抗炎症作用があり、生活習慣病リスク低減作用が示されています。

今回の研究では、

健常高齢者において、
ブドウ及びブルーベリー由来ポリフェノール抽出物(PEGB)による認知機能への作用が検証されました。



具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

健常な高齢ボランティア(60-70歳)215名を対象に、

1日あたり600 mgのPEGB (258 mgのフラボノイド含有)投与群、

偽薬投与群

の2群について、6か月間の介入が行われ、

主アウトカムは、
CANTAB Paired Associate Learning (PAL)
(視空間的な記憶のテスト:画面上に配置された複数のボックスに様々な図形を提示し,特定の図形の位置を記憶)
であり、

副アウトカムは、

言語エピソード記憶(VRM)とワーキングメモリ(SSP)

です。



まず、
全般の解析では、
PEGB投与によるPALへの有意な影響は検出されませんでした。

次に、

VRM自由再生(VRM free recall)は、PEGB投与群にて有意な改善が見出されました。


四分位での層別解析では、

試験開始時に、

認知機能が低下傾向にあった群では、

PEGB投与に好反応が見出されました。


また、同グループでは、

PEGB投与によるVRMの改善も見出されたということです。


その他、

PEGB投与と尿中代謝物の解析では、

介入終了後の時点において、

フラバン3オールの尿中代謝物の濃度と、記憶能の改善との間に有意な相関が認められました。


以上のデータから、

ブドウおよびブルーベリー由来ポリフェノール含有サプリメント投与により、

健常高齢者での加齢による認知機能/記憶能の低下に対する改善作用が示唆されます。


今後、認知症やMCIに対する介入による臨床的意義の検証が期待される分野です。


機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。



イチョウ葉エキスによる認知症への効果:メタ解析


イチョウ葉エキス


イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用


イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ


イチョウ葉エキスの有効性と安全性


イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用


イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー


PS(ホスファチジルセリン)サプリメント


PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用


エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル


エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果


大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析



・ビタミンB群

ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果


脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究


オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果



一般に、認知機能への効果を期待する場合には、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(EPADHA)、イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。

また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。

DHCでは、複合サプリメントも製品化しています。






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posted at 23:58 | この記事のURL
ビタミンD値が高いと大腸がん生存率が高い:系統的レビュー/メタ解析 [2018年07月22日(日)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、血中ビタミンD値と、大腸がん生存率との関連を調べた系統的レビュー/メタ解析が、ドイツのグループ(German Cancer Research Center (DKFZ))から報告されていました。
(Nutrients. 2018 Jul 13;10(7).)


ビタミンDは、免疫調節作用や抗炎症作用を有しており、

がんなど生活習慣病のリスク低減に有用です。

ビタミンD3サプリメントは、ベーシックサプリメントとして健康増進や未病対策としての摂取が推奨できます。


先行研究では、

大腸がん(結腸がんと直腸がん、CRC)患者において、

血中のビタミンD(25(OH)D)が高いほど、生存率が高いというデータが示唆されています。



今回の系統的レビュー/メタ解析では、

血中ビタミンD値と大腸がん生存率との関連のアップデートが行われました。

具体的には、
主要医学データベースを用いて関連論文が検索され、
(PubMed and Web of Science)



11報の原著論文から、大腸がん患者7718名のデータが解析の対象となりました。

メタ解析の結果、

血中ビタミンD値(25(OH)D)が高いほど、

生存率が高いという有意な相関が見出されたということです。


ビタミンD値が最高群に比べて、

最低群では、

全死亡率が32%低く、
(HR; 0.68 (0.55&#8315;0.85))

大腸がんの生存率が33%低い
(HR;0.67 (0.57&#8315;0.78))

という関連が見出されました。


サブ解析では、

ビタミンD値と生存率との相関が顕著であったのは、

欧州での研究、

サンプル数が多い研究、

ステージIからIVの患者を含んだ研究

でした。


以上、今回のメタ解析のアップデートから、

大腸がん患者において、

血中ビタミンD値が高いほど、生存率が高いという関連が考えられます。

今後、介入試験による検証が期待される分野です。


ビタミンDは、抗炎症作用を有しており、生活習慣病の予防効果が考えられます。

生活習慣病や内臓脂肪型肥満に伴う病態の本質は、「慢性炎症」です。

したがって、機能性食品成分による病気の予防のためには、抗炎症作用を有し、かつ、安全性が確立し、かつ、経済性(費用対効果)の高い製品の利用が進められます。


食品成分で、抗炎症作用を有し、かつ、多くの臨床研究において有用性が示されているのは、ビタミンD、コエンザイムQ10、オメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHA)、ウコン、グルコサミンなどです。


DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。





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posted at 23:55 | この記事のURL
第16回山口県統合医療学会総会 [2018年07月21日(土)]
今日は、

第16回山口県統合医療学会総会@山口市医師会でした。


医療法人社団水生会 理事長の柴田眼治先生は、

IMJの前身の一つ、JACTの時代から、多くの臨床実践をされておられる高名な外科医で、

日本統合医療学会の全国大会も主催されました。


情報交換会では、ご講演された佐田先生が、レプチンや肥満関連遺伝子に関する拙著を読んでおられて、いろいろと研究の話もできました。



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亜鉛サプリメントの抗炎症作用:メタ解析 [2018年07月20日(金)]
今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、亜鉛サプリメントの抗炎症作用を示したメタ解析が報告されていました。
(Eur J Pharmacol. 2018 Jul 13.)


慢性炎症は、生活習慣病の病態であり、抗炎症作用を有する機能性食品成分が未病対策に有用と考えられます。


厚労省の国民健康栄養調査では、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が、男女とも成人の全年齢層で摂取不足であると報告されています。


先行研究では、

亜鉛による抗炎症作用や抗酸化作用が示唆されています。

しかし、臨床試験での亜鉛投与による炎症関連マーカー(CRP)への影響は明確ではありません。


そこで、今回のメタ解析では、

成人において、
亜鉛サプリメント投与による血中CRPへの影響が検証されました。

具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, SCOPUS, Google Scholar)

2017年10月までに収載された論文が検索され、

1505報が抽出され、

8報のランダム化比較試験(RCT)がメタ解析の対象となりました。


解析の結果、

亜鉛サプリメント投与によって、

血中CRP値の有意な減少が見出されたということです。
(WMD: -1.68mg/l; 95% CI: -2.4 to -0.9, P= <0.001)


サブ解析では、

サプリメントの用量、試験の質、対象者、投与前のCRP値などが論文の異質性の要因でした。


1日あたり50mgの亜鉛の摂取群
(WMD: -1.97mg/l; 95% CI: -2.28 to -1.67, P= <0.001),

質の低い試験
(WMD: -2.9mg/l; 95% CI: -3.68 to -2.12, P= <0.001)

腎機能低下の被験者
(WMD: -7.43mg/l; 95% CI: -12.57 to -2.29, P= 0.005)

では、より顕著なCRP値の改善が認められています。


以上のメタ解析データから、

亜鉛サプリメント投与による抗炎症作用が示唆されます。

今後、健常者や未病における臨床的意義の検証が期待されます。


亜鉛は、生体の機能維持に必須なミネラルであり、不足すると、味覚障害などの症状が生じます。

また、セックスミネラルとしても知られています。

その他、亜鉛は、褥瘡患者の栄養補給に推奨されています。
(2015年には、医療関係の学会のガイドラインにより、コラーゲン加水分解物が、褥瘡患者への栄養補給に推奨されました。)

【推奨文】 亜鉛、アスコルビン酸、アルギニン、L-カルノシン、n-3系脂肪酸、コラーゲン加水分解物など疾患を考慮したうえで補給してもよい.「褥瘡予防・管理ガイドライン(第 4 版)」(日本褥瘡学会 2015年)



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鹿児島県鹿屋市と包括連携協定を締結いたしました [2018年07月19日(木)]
本日、鹿児島県鹿屋市とDHCとの包括連携に関する協定書の調印式が行われました。

今回の包括連携協定に際し、ご尽力いただきました関係者の皆様に御礼申し上げます。

今後、鹿屋市における地域活性化に協力し、さまざまな取り組みを実施する予定です。




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グルコサミンとコンドロイチンの変形性関節症への働き:メタ解析 [2018年07月18日(水)]
今月のスポーツ医学の専門ジャーナルに、グルコサミンとコンドロイチンによる変形性膝関節症あるいは変形性股関節症への作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が、中国のグループから報告されていました。
(J Orthop Surg Res. 2018 Jul 6;13(1):170.)



グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。


作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。



一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。



膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)


2014年以降に発表された最新の研究&#8212;MOVES研究やLEGS研究--では、

グルコサミンやコンドロイチンの効果が示されています。


グルコサミンの風評被害by整形外科医


さて、
今回の系統的レビュー/メタ解析では、

グルコサミンとコンドロイチンの単独あるいは併用投与による変形性膝関節症や変形性股関節症への作用が検証されました。



具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Embase, Cochrane Library)

2018年5月22日までに収載された関連論文が検索され、


26報、30試験がメタ解析の対象となりました。



解析の結果、

まず、
コンドロイチンと偽薬の比較では、

コンドロイチンの投与により、関節の疼痛の軽減と関節機能の改善が認められました。


次に、
偽薬と比べて、

グルコサミン投与群では、

関節のこわばりの指標で有意な改善が見出されました。

一方、

併用投与群と偽薬群との間では有意な差は見出されませんでした。

その他、安全性に関して、有害事象は、実薬群と偽薬群との間で有意差は認められていません。


以上のデータから、

コンドロイチンの経口投与により、関節症の疼痛軽減及び関節機能の改善作用、

グルコサミンの経口投与による関節のこわばりの改善作用が示唆されます。

なお、併用投与の臨床研究は限定されるため、さらに検証が必要と考察されています。





変形性膝関節症に対して、


最近の研究では、次の報告があります。


変形性膝OAの疼痛に対してグルコサミン+コンドロイチンはセレコキシブと同等の効果



グルコサミン・コンドロイチンの関節裂隙狭小化抑制効果




グルコサミン・コンドロイチンによる関節軟骨保護作用@膝関節症





コンドロイチンによる変形性膝関節症改善作用




グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す



グルコサミン・コンドロイチン利用者は炎症マーカーが低い




グルコサミンによる寿命延長効果




グルコサミンはジアセレインと有効性が同じで、副作用が少ない:メタ解析



DHCでは、関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。


グルコサミン 2000 30日分【機能性表示食品】


機能性表示
ひざ関節の曲げ伸ばしをサポート/ひざの違和感の緩和







極らくらく



らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)



グルコサミン



コンドロイチン



グルコサミン&コンドロイチン



II型コラーゲン+プロテオグリカン




グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。



作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。



一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。



膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)


2014年以降に発表された最新の研究&#8212;MOVES研究やLEGS研究--では、

グルコサミンやコンドロイチンの効果が示されています。



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グルコサミンの風評被害by整形外科医 


サプリメントがファーストラインとなる病態:レビュー 


研究と利害の衝突@抗インフルエンザウイルス剤


研究と利害の衝突についてのルール作成


コクランの妥当性



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ビタミンEサプリメントの抗酸化作用:メタ解析 [2018年07月17日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、ビタミンEサプリメントの抗酸化作用を検証したランダム化比較試験のメタ解析が報告されていました。
(Int J Vitam Nutr Res. 2018 Jul 16:1-8.)


ビタミンEは、抗酸化作用を有しており、生活習慣病予防作用が考えられます。


今回のメタ解析では、

ビタミンEサプリメント投与による抗酸化マーカーへの作用が検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、

ビタミンEサプリメント投与により、脂質での抗酸化マーカーのイソプロスタンF2αの尿中及び血中濃度への作用を調べたランダム化比較試験が検索され、
(PubMed, Scopus, Science Direct and Cochrane Library databases)


889報の関連論文から、
4報のランダム化比較試験の5群が、血漿中イソプロスタンF2αの解析の対象となりました。


尿中のイソプロスタンF2α値は、

3報、14群がメタ解析の対象となりました。


交絡因子で補正後、

血中イソプロスタンF2αは、ビタミンEサプリメント投与により、

有意な減少を示しました。
(6.98 ng / l、 95% CI = -11.2, -2.76; P < 0.001)


一方、
尿中イソプロスタンF2α値については、ビタミンEサプリメントによる有意な作用は見出されませんでした。
(-11.31 pg / mg creatinine, 95% CI = -26.4, 3.78; P = 0.88)


以上のメタ解析のデータから、

ビタミンEサプリメント投与により、脂質での抗酸化マーカーである血中のイソプロスタンF2αの低下作用が示されます。




ビタミンEについては、下記の報告があります。

ビタミンEサプリメントによるCRP低下効果:メタ解析



ビタミンEのメタ分析:脳出血リスクと脳梗塞予防



抗酸化サプリメントと死亡率のメタ分析 



抗酸化サプリメントのメタ分析@コクランレビュー



ビタミンEによる前立腺がんリスク低下作用 


高用量のビタミンEは骨粗鬆症のリスクではない



ビタミンE
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ビタミンD不足は低い免疫能と尿路感染症リスクに相関 [2018年07月16日(月)]
今月の小児科学の専門ジャーナル(電子版)に、小児における血中ビタミンD値と、免疫能および尿路感染症リスクとの関連を調べた研究が、スウェーデンのグループ(Karolinska Institutet and Karolinska University Hospital)から報告されていました。
(Acta Paediatr. 2018 Jul 13.)


ビタミンDは、免疫調節作用を有しており、

ビタミンDが、内在性の抗菌ペプチドであるcathelicidin やβ-defensin-2の産生亢進作用を示します。

これらのペプチドは、尿路系に発現していることから、

今回の研究では、
ビタミンDの状態と、カテリシジンcathelicidin とβディフェンシン2(β-defensin-2)の値、尿路感染症リスクとの相関が調べられました。




具体的には、

3歳以下の小児120名を対象に、
(尿路感染症76名、先天性水腎症44名)


血中ビタミンD値(25OH-D)、血中カテリシジンとβディフェンシン2が測定されています。



解析の結果、

まず、
小児の21%がビタミンD不足あるいはビタミンD欠乏であることが見出されました。


血中ビタミンD値は、

年齢と負の相関を示し、

特に女児では、有意に低値でした。


次に、

血中ビタミンD値は、

カテリシジンと正相関を示しましたが、

βディフェンシン2との有意な相関は検出されませんでした。

また、

ビタミンDの低値と、

女児での尿路感染症リスクとの相関が見出されました。

なお、1年のフォローアップでの再発リスクでは相関は見出されませんでした。



以上のデータから、

ビタミンDは免疫能に関与し、内在性抗菌ペプチド値と相関すること、

ビタミンD不足/欠乏が女児での初回の尿路感染症リスクに関連することが示唆されます。





近年、ビタミンDは、骨の健康維持だけではなく、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な効果が示されています。


一般に、
健康保持や疾病予防の目的で利用されるビタミンD3サプリメントの摂取量は、
1日あたり
25マイクログラム(1,000IU)から50マイクログラム(2,000IU)です。


ビタミンDは、免疫調節作用や抗がん作用など、多彩な作用を有する脂溶性ビタミンの1種です。

多くの生活習慣病や慢性疾患、難治性疾患の患者群において、ビタミンD低値が示されており、ビタミンDサプリメントの臨床的意義が注目されています。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。


日本人2型糖尿病患者の90%以上がビタミンD不足


ビタミンDによるインスリン抵抗性改善作用@2型糖尿病



ビタミンDが2型糖尿病での糖代謝を改善する:メタ解析



ビタミンDによる妊娠糖尿病での糖代謝改善作用:メタ解析


ビタミンD低値が高血糖と相関する:メタ解析




DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、

臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/mL増加する、

という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。





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ビーツ(ビートルート)果汁の運動能への作用 [2018年07月15日(日)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ビーツ(ビートルート、てんさい)果汁の摂取による運動能への作用を検証した臨床研究が、ブラジルのグループ(Universidade Estadual de Maringa)から報告されていました。
(Appl Physiol Nutr Metab. 2018 Jul 9.)



ビーツ(ビート)には、ベタシアニンというポリフェノールが含まれており、抗酸化作用による機能性が示唆されます。


今回の研究では、

ビートジュースの摂取による10qランニングへの作用が検証されました。


具体的には、

二重盲検偽薬対照クロスオーバー試験として、

レクレーション・ランナーの男性14名(平均年齢27.8 ± 3.4歳)を対象に、

10kmランニングテストが、

試験開始時、ビート果汁摂取後、偽薬対照摂取後の3回、行われました。

実薬群は420mlのビート果汁飲料 (8.4 mmol NO3-/day)を3日間と、測定日当日は2時間前の投与、

対照群は、420mlの偽薬投与 (0.01 mmol NO3-/day)投与でした。


アウトカムとして、

平均速度(MV)、

最大心拍数(HRmax),

主観的最大運動強度 (RPEmax)

などが測定されています。


解析の結果、

10qの時間については、両群間で有意差は見出されませんでした。
(BRJ: 50.1 ± 5.3; PLA: 51.0 ± 5.1 min, p = 0.391)

また、平均速度も同程度でした。
(BRJ: 12.1 ± 1.3; PLA: 11.9 ± 1.2 km&#183;h-1, p = 0.321)


一方、
最初の5qに要する時間は、

偽薬対照群に比べて、

ビート果汁摂取群において、有意に短くなっていました。
(P = 0.027)


以上のデータから、

レクレーションとしての10q走を行う男性ランナーにおいて、

ビーツ果汁摂取による運動能の向上作用が示唆されます。

DHCでは、ポリフェノールを含むサプリメントを製品化しています。


ポリフェノール
4種類のポリフェノールを手軽に補給




DHCでは、大学との共同研究にて、

DHCのコエンザイムQ10投与によって、運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。



具体的には、

トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。

運動習慣を有する場合、

マルチビタミンマルチミネラルに加えて、





コエンザイムQ10、



αリポ酸、



ビタミンC(ハードカプセル)、



ビタミンBミックス


アミノ酸



を利用することが好ましいと考えられます。




コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。

一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。

欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。


また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。


コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。








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ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析 [2018年07月14日(土)]
臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ベジタリアン食の摂取による糖尿病患者での血糖コントロールに対する作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が、カナダのグループ(University of Toronto)から報告されていました。
(Clin Nutr. 2018 Jun 13.)



一般に、
植物性食品を中心とするベジタリアン食では、
抗酸化作用や抗炎症作用を含む機能性食品素材により、がんをはじめとする生活習慣病の予防効果が考えらます。


今回の研究では、

欧州糖尿病学会(EASD)の栄養療法に関するクリニカルプラクティスガイドラインのアップデートとして、

糖尿病患者において、

ベジタリアン食による血糖コントロールおよび心血管リスクファクターへの作用が調べられました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(MEDLINE, EMBASE, Cochrane)

2018年2月26日までに掲載された論文が検索され、

糖尿病患者において、ベジタリアン食の作用を調べた3週間以上の期間のランダム化比較試験を対象に、HbA1cを主アウトカムとして、系統的レビュー/メタ解析が行われました。


副アウトカムは、
血糖コントロール指標、脂質代謝指標、体重/体脂肪、血圧
です。


9報のRCTから、664名のデータがメタ解析の対象となりました。


解析の結果、

ベジタリアン食の摂取によって、

HbA1cの有意な低下(改善)、
(MD = -0.29% [95% CI: -0.45, -0.12%])


空腹時血糖値の有意な低下(改善)、
(MD = -0.56 mmol/L [95% CI: -0.99, -0.13 mmol/L]),

LDLコレステロール値の有意な低下(改善)、
(MD = -0.12 mmol/L [95% CI: -0.20, -0.04 mmol/L]),

非HDLコレステロール値の有意な低下(改善)、
(MD = -0.13 mmol/L [95% CI: -0.26, -0.01 mmol/L]),

体重の有意な減少、
(MD = -2.15 kg [95% CI: -2.95, -1.34 kg]),

BMIの有意な低下、
(MD = -0.74 kg/m2 [95% CI: -1.09, -0.39 kg/m2])

ウエスト周囲長の有意な減少
(MD = -2.86 cm [95% CI: -3.76, -1.96 cm])

が見出されたということです。


なお、空腹時インスリン値、HDL、中性脂肪、血圧には有意な変化は認められませんでした。

以上、メタ解析のデータから、

論文著者らは、

糖尿病患者において、

ベジタリアン食の摂取により、血糖コントロールの改善、LDLおよび非HDLコレステロール値の低下、体重や体組成の改善が認められることから、


ベジタリアン食が、糖尿病の管理にお行ける栄養療法として支持される、と考察しています。




これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。



ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用




ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析



昨年12月、アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで



なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




DHCでは、良質の植物性食品として、
次のような関連製品を取り扱っています。



DHC発芽玄米



DHC発芽玄米麺



エクストラバージンオリーブオイル









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αリポ酸による糖代謝改善作用:メタ解析 [2018年07月13日(金)]
今月の内分泌代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、αリポ酸による内分泌代謝関連指標への作用が検証されました。
(Metabolism. 2018 Jul 7.)


αリポ酸は、抗酸化作用を有する機能性成分の一つで、体内ではミトコンドリアで産生されます。

サプリメントとしてのαリポ酸は、抗酸化作用を介した機能性が示されており、
ダイエット目的からアンチエイジングまで、広く利用されています。

特に、欧米の臨床試験では、糖尿病性神経障害に対する症状改善作用が報告されています。


先行研究では、次の報告があります。




αリポ酸による糖尿病性神経障害の症状改善:レビュー




αリポ酸による糖代謝改善・抗酸化能亢進作用@2型糖尿病




αリポ酸による抗肥満作用:メタ解析




・人工透析患者におけるαリポ酸の効果


オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果




さて、今回の系統的レビュー/メタ解析では、

メタボリック症候群において、

αリポ酸サプリメントによる糖代謝および脂質代謝指標への作用が検証されました。



具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(MEDLINE, EMBASE, Web of Science and Cochrane Central Register of Controlled Trials)


2017年10月までに収載された関連論文が検索され、

24報が解析の対象となりました。


解析の結果、

メタボリック症候群患者において、

αリポ酸サプリメントの投与により、

空腹時血糖値の有意な低下、
(SMD -0.54; 95% CI, -0.89,-0.19; P&#8239;=&#8239;0.003)

インスリン値の有意な低下、
(SMD -1.01; 95% CI, -1.70, -0.31; P&#8239;=&#8239;0.006)

インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な低下、
(SMD -0.76; 95% CI, -1.15,-0.36; P&#8239;<&#8239;0.001)

HbA1cの有意な低下、
(SMD -1.22; 95% CI, -2.01,-0.44; P&#8239;=&#8239;0.002)

中性脂肪値の有意な低下、
(SMD -0.58; 95% CI, -1.00, -0.16; P&#8239;=&#8239;0.006),

総コレステロール値の有意な低下、
(SMD -0.64; 95% CI, -1.01, -0.27; P&#8239;=&#8239;0.001),

LDLコレステロール値の有意な低下、
(SMD -0.44; 95% CI, -0.76, -0.11; P&#8239;=&#8239;0.008)

が見出されたということです。


なお、

ALA(αリポ酸)投与によるHDLへの作用は有意差は見出されていません。
(SMD 0.57; 95% CI, -0.14, 1.29; P&#8239;=&#8239;0.11)



以上の系統的レビュー/メタ解析から、

メタボリック症候群において、

αリポ酸サプリメント投与による内分泌代謝改善作用が示唆されます。



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αリポ酸、




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血中エクオールが高いと前立腺がんリスクが低い@日本人男性:メタ解析 [2018年07月12日(木)]
今月のがん研究の専門ジャーナル(電子版)に、イソフラボン類及びリグナン類の血中濃度と、前立腺がんリスクとの関連を調べたメタ解析が、ヨーロッパ各国と日本のグループから報告されていました。
(Int J Cancer. 2018 Jul 4.)



植物エストロゲンは、前立腺がんリスク低減との関連が示唆されています。


今回のメタ解析では、

イソフラボン類(ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール)およびリグナン類(エンテロラクトン、エンテロジオール)の血中濃度と、

前立腺がんリスクとの関連が調べられました。


具体的には、

前向きコホート研究7報が対象となり、

(日本からの2報では、患者241名、対照群503名)

(欧州からの5報では、患者2,828名、対照群5,593名)


日本と欧州での血中イソフラボン類の濃度には大きな差があったため、それぞれ別に解析されました。



メタ解析では、

血中濃度の4分位で、最高群と最低群が比較された結果、


まず、
日本の男性では、

エクオールの血中濃度が、

最高群では、最低群に比べて、

前立腺がんリスクは39%有意に低値でした。
(OR; Q4 vs Q1=0.61, 95%CI=0.39-0.97)
(OR per 75 percentile increase=0.69, 95 CI=0.46-1.05, Ptrend =0.085)


なお、ゲニステインとダイゼインの血中濃度は、前立腺がんリスクとの間に有意な相関は見出されませんでした。
(それぞれ:ORs for Q4 vs Q1=0.70, 0.45-1.10, and 0.71, 0.45-1.12)


次に、

欧州の男性での解析では、

ゲニステイン、ダイゼイン、エクオールの濃度と、前立腺がんリスクとの相関は見出されませんでした。


その他、

リグナン類の血中濃度は、重症度や診断までの期間において、前立腺がんリスクとの相関は見出されませんでした




以上のメタ解析から、


診断前のイソフラボン類およびリグナン類の血中濃度と、前立腺がんとの間に強い相関は検出されませんでしたが、

日本人男性では、エクオールが高いと前立腺がんリスクが有意に低いという相関が示唆されます。

今後、介入試験などによる検証が期待される分野です。





エクオールとは、腸内細菌により、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから産生されます。

エクオールは、イソフラボンよりも高い生物活性を有しており、

更年期障害の改善、閉経後の骨粗鬆症予防、心血管疾患の予防作用が示唆されています。



先行研究では、次の報告があります。


エクオール(10mg)が日本人女性の骨の健康維持と心臓病予防に有用



膣のアンチエイジングにエクオールの働き




ただし、
エクオールの体内産生には、腸内細菌叢が関与するため、エクオールを産生できる人とそうではない人がいることがわかっています。

日本人でエクオールが産生できるのは、50-60%程度です。

また、食習慣の変化により、若年者では、エクオール産生者の割合が減少しており、

日本人の若年女性では、20-30%の人しか、エクオールを産生できていないと報告されています。

エクオール産生者は、非産生者に比べて、大豆イソフラボンの機能性/健康増進効果や未病対策効果を得られると考えられます。




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