インフルエンザ流行のニュースが散見される時期になりました。
インフルエンザの予防接種は、ハイリスク群やその周囲の人では一定の有用性が考えられます。
一方、
罹患した場合には、抗インフルエンザ薬の利用(飲み薬、吸入薬、注射薬)、というのが、日本でのよくあるパターンです。
しかし、抗インフルエンザ薬については、
薬剤耐性ウイルスの出現が問題になっています。
かつてのタミフルから、最近のゾフルーザまで、新しい抗インフルエンザ薬が出てくるたびに、同じストーリーが繰り返されています。
新しい変異株のウイルスが出現するたびに、特異的な効果を示す医薬品の開発は、費用対効果の点から疑問です。
日本でのタミフル備蓄騒ぎでは膨大なコストがかかっています。
2018年3月から販売が始まった、新しいタイプのインフルエンザ治療薬のゾフルーザ錠(一般名バロキサビル マルボキシル)は、
1回の投与で効果が期待できるとされ、2019年3月上旬までの5ヶ月間の出荷量は、560万人分にも上っており、
最も多く使われた抗インフルエンザ薬とみられています。
しかし、
ゾフルーザやタミフルといった高価なインフルエンザ治療薬は、
基礎疾患のない、基本的に健康な成人であれば、そもそも必要がない医薬品です。
個人レベルでは副作用のリスクがあり、医学的には耐性ウイルスの出現が問題となり、さらに、医療財政を圧迫する、というのも大きな課題です。
ちなみに、ゾフルーザ錠の1日は、薬価4,789円です。
これに対して、
風邪やインフルエンザの予防と症状軽減に有用なハーブのエキナセアは、30日760円です。
アロパシー医学である近代西洋医学では、抗ウイルス薬や抗生剤という発想となります。
一方、
統合医療としてのサプリメント・機能性食品の分野では、
免疫賦活作用により自己治癒力を高め、
風邪やインフルエンザのリスク低下(予防)、発症時の重症度軽減を目的として利用する、
という考え方があります。
対策の定番は、免疫調節作用を有するハーブのエキナセアです。
インフルエンザに対してエキナセアはタミフルと同等の効果を示す
風邪予防にエキナセアが有用:レビュー
サプリのミカタ 〜エキナセア〜 | DHCテレビ
タミフル耐性ウイルスに対する対策は
その他、
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用などが知られています。
統合医療におけるインフルエンザ対策としては、
西洋医学によるワクチンや抗インフルエンザ薬に加えて、
漢方での麻黄湯、
ハーブとしてエキナセア
などが選択肢として考えられます。
主作用と副作用に関する科学的根拠に加えて、費用対効果を考慮する時、すでによく知られている抗インフルエンザ薬は第一選択ではないと思います。
漢方の証で適応があれば、麻黄湯が有効でしょう。
私は、風邪・インフルエンザ対策にはエキナセアを推奨しますし、実際に利用しています。
(なお、感染初期の短期に、高用量で摂取するのがポイントです。
例えば、風邪を引いたかなというときの第1〜2日目は2時間毎に摂取、
第3日目以降は漸減し、1週間で終了。
この摂取方法で、罹病期間の短縮と症状の軽減効果が期待できます。)
もちろん、基礎疾患の有無や既往歴などによっては,ワクチンや抗インフルエンザ薬という選択になる場合も考えられます。
費用対効果について考えるとき、
代表的な抗インフルエンザ薬は、5日分で三千数百円します。
一方、麻黄湯やエキナセアは、はるかに安価です。
現在、インフルエンザ対策については,いろいろな議論が行われています。
日本では様々な規制があり、ワクチン認可のハードルが高かったり、高価な抗インフルエンザ薬が大量に備蓄(世界的にかなりのシェアになります)されたりしています。
一方で、費用対効果の高い麻黄湯やエキナセアといった生薬の適正使用については、一部の専門家を除いてまったく議論されていません。
(仮にその方法が最善ではないと思っていても、国の指針に従って行えば、何か生じても自分の責任には。。。という印象でしょうか。)
(あるいは、現行の規制の下で、既得権益を有する人たちの影響が大きいのかもしれません。)
その他、インフルエンザ対策として、空気清浄機や加湿器といったものもありますが、ひと冬、引きこもるわけにも行かないので、やはり身体本来の抵抗力を高める方法がいいように思います。
家庭内にいる高齢者や小児への家族内感染リスクを低減するためには、空気清浄機&加湿器などでもいいのかもしれませんが。
エキナセア(エキナシア,和名ムラサキバレンギク)は、北米原産のハーブです。
風邪(普通感冒、上気道炎)やインフルエンザの感染初期に、治療目的で投与され、症状の軽減と罹病期間の短縮効果が認められます。
また、風邪の予防目的にも利用され、罹患リスクの減少効果が知られています。
一般に、風邪予防・インフルエンザ予防には、
エキナセアや
ビタミンD3の摂取が有効です。
また、罹患したときの対処(症状の軽減と罹病期間の短縮)としては、
エキナセア、
亜鉛、
ビタミンC、
プロポリス、
が有用です。
DHCでは
複合サプリメント製品も扱っています。
(なお、症状を観察しつつ必要に応じて医療機関の受診も必要です。)
ハーブとしてのエキナセア(Echinacea species)は、E. angustifolia、E. pallida、E. Purpureaの3種が代表的です。
伝統的な投与方法では、主にE. Purpureaの全草(地上部や根、根茎,葉を含む全草)がチンキ剤として用いられます。
(乾燥末を用いたサプリメントでは、主要成分であるアルキルアミド類alkamidesの含有量で標準化されています。)