彼は殺風景な片側3車線の自動車道路を走っていた。バイクが大好きだった。愛車のヤマハ・VMAXは低いエンジン音を響かせていた。まるで生命のように震える、その鼓動を愛していた。仕事や家庭からひととき解放されて、自由と孤独の素晴らしさを噛み締めていた。
加速しながら本線との合流線に入ってきたセダンを見送った。
あんなに飛ばしやがって。事故してからじゃ、遅いだろ。
そう思った直後だった。
ドーン! という音と同時に、空中に投げ出されたような気がした。青く軽やかな午後の空がまぶしく立ち上がった。それから、目の前が暗転した。
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