私の頭は、わりと理解が早い。
心も、言葉も、表情も、頭でコントロールできる。
でも、心と体とは繋がっていない。
橋のない河の対岸にそれぞれがぽつんと立って向かい合っているだけ。
相手の存在はわかっていても、手を繋ぐことはできない。声も届かない。
漠然と感じていたことを、
はっきりと見抜いて指摘してくれるひとに逢えた。
嬉しくて、心強くて、泣きたくなった。
橋をかけなきゃ。
橋をかけなきゃ、私は一生、自分の素顔も地声も知らない大根役者のままで生きることになる。
橋をかける。
心底から惚れぬいた師匠の力を借りて、支えのしっかりした、揺るぎない橋をかける。