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広島旅日記〜錦帯橋篇 [2007年02月28日(水)]

広島でこだま号にのりかえ、新岩国に着いたわたしたちは、タクシーで錦帯橋に向かうことにした。ここで、少々興味深いことに気がついた このあたりには、小型タクシーしかないのである。 東京では、タクシーといえば、中型タクシーで、運賃の安い小型タクシーを見つけることはなかなか難しい。 しかし、新岩国駅前のタクシー乗り場では中型タクシーは1台も見つけることができなかった

タクシーで錦帯橋に向かう途中、川岸に延々と連なる桜並木があった。いまはまだつぼみすら芽吹いてはいないようだが、花の咲くシーズンには、さぞかしにぎやかな風景が楽しめることであろうと思った

10分ほどで目的地錦帯橋に到着した。錦帯橋は当初考えていたより落ち着いた色合いの橋で、周囲の景色に自然と溶け込んでいた

入り口で橋の渡り賃を支払い、橋を上りはじめた。樽を半分で切ったような半円形のだんだんがいくつか連なる橋はしかし、わたっている間、真正面だけ見ていると、たんに川にかかる階段を昇り降りしている感覚しかなく、記念写真を撮るといっても、まるでどこか階段に並んでいるふうにしかみえない。 だが、橋の頂上部から下を流れる錦川をのぞき込むと、改めて橋であることがつよく認識される。 高さはどれくらいだかわからないが、流れの速い錦川の川面を眺めていると、高所恐怖症ではないわたしもちょっぴり恐くなった

橋を渡り、わたしは最初にしなければならないことがあった。それはななさんに教えていただいたソフトクリームを食べることであった。その日はとても寒かったけれど、ななさんがおいしいと推薦してくれたソフトクリームを食べないことには、食いしん坊でならすりんごのみつの名が泣ける。なんのこっちゃ

橋を渡ってすぐのところにたくさんの種類のソフトクリームが書いてある大きな看板を掲げる店を確認した。「ふむふむ、ここだな。ななさんのお奨めの店は」、ひとり納得したわたしは、仲間たちと一緒に金運に御利益がある白ヘビを見るため、白蛇観覧所まで吉香公園をはりきって歩いていった。

白蛇観覧所では、ガラス張りの大きな部屋の中に白ヘビたちがくつろいでいた。アオダイショウのアルビノである白ヘビはガラスを通してみると、かすかに黄みかがった白色で、目は赤い色をしていた。白いかおにあかい目のへびは、へびが少々苦手なわたしから見ても、愛嬌があって、かわいい感じがした

白蛇観覧所の入り口では、白蛇神社のお札やお守りが売っていた。 金運アップを狙うわたしたちは、まるで池の鯉にえさを与えたときのようにお守り授与所に群がり、お守りを買いあさった。 これで、金運はOK、ではつぎは食欲を満たそうかなぁ〜。

さっそく、さっき確認したソフトクリーム屋さんに向かったわたしは、「こんなに寒いのによくソフトなんか、食べるよなぁ〜、りんごは」という仲間のことばを無視し、お店の一番目立つところにポスターが貼ってあったさくらソフトクリームを食べることにした。ただ、やはりちょっと寒いので、レギュラーサイズではなく、小さいサイズを頼んだ。

ぺろり、ひとなめすると、舌にひんやりとしたやさしい甘みが広がる クリーミィなミルクに桜の味がアクセントとして加えられたさくらソフトは、寒くなければもうひとつ食べられるくらいおいしかった さくらといってもが決して強いわけではなく、ひかえめにその風味を主張しているようであった。

ソフトクリームを食べ終わったわたしは、コーンに巻かれていた紙を返すためお店に向かった。返したあと、ふと視線を横に移すと、2、3軒離れたところにもたくさんの種類のソフトクリームを売っているお店を発見した

目を凝らすと、「佐々木小次郎商店」と書いてある。「ええーっ」  たしかななさんに教えていただいたお店は「佐々木小次郎商店」ではなかったか、では、こちらのお店は、・・・。うえを見ると、でかでかと「むさし」と書いてあるではないか。「むむっ、謀ったな武蔵」。 見間違えた自分のせいです、むさしさんはまったく悪くありません

後の祭りである。食い意地のはったわたしは、おいしいソフトクリームということしか頭になかったため、橋を渡ってすぐ目に飛び込んできたソフトクリーム屋さんを「佐々木小次郎商店」だと思い込んでしまったのだった

たしかに「武蔵」のソフトクリームもおいしかった でも、ななさんが奨めてくれる店だから、「佐々木小次郎商店」のソフトクリームはもっとおいしかったのではないか、とてつもない後悔がわたしを襲う

傷心のわたしに次なる災難が襲った

ここでお昼に「岩国寿司」を食べてから、次の目的地として宮島に行く予定だったのに、時間がないから、とりあえず宮島に行ってそこでお昼を食べようという意見が出された。

わたし   「ええっ、岩国寿司たべないの〜」

仲間A   「宮島に行けばかきがあるじゃん」

仲間B   「そうだよ、かき食いたいもん」

一同    「そうだ、そうだ」

わたし   「わかったよ


結局、宮島に行くことになった。朝から、サンドイッチとコーヒーとソフトクリームしか食べていない腹ぺこのわたしは、みんなといっしょに岩国駅までのタクシーに乗った。
とほほ


広島旅日記〜厳島神社篇に続く