もともと、スポーツ観戦に大して興味がなかったためアジア大会にも冷静だったわたしですが、一流の試合が街のあちこちで行われているこの特異な事態、ひょんなことから開幕式のリハーサル、サッカーと観戦する機会に恵まれ、今度はどうしても卓球をぴかに見せてあげたくなりました。下馬評ではサッカー決勝は日本韓国戦になると言われているので、それも見たいな・・・
木曜日、天河城と正佳広場の間の公園に設置された臨時公式チケット販売所に朝並んでみました。
おまけ情報:
チケットの入手方法は大会サイトでのネット注文、中国工商銀行での窓口、臨時チケット販売所の3種類です。工商銀行購入の場合、口座を持っていることが条件となります。現在広州内に臨時チケット販売所は3カ所設けられているそうです。
わたしは朝8時から開いているチケット販売所を選びましたが、8時前で既に行列でした。
並ぶこと1時間半、前後に並んだおじさん達ともいい感じに友好を深めたところでやっと売り場にたどり着き、判明したのがサッカー決勝・卓球の全ての試合、共に売り切れ。。。
しかたなくサッカー準決勝のチケットを買って帰りました。これが日本戦のチケットになります様に!
この行列中、わたしが卓球の券を欲しがっていると知ったおじさんたち、口を揃えて『人気種目だから売り切れに違いない』と言っていて、彼らは正しかった訳ですが、ひとりのおじさんが、試合直前に現地に行けばチケットが手に入る、しかも値段は正規値段である、と言っていました。
余談になりますが、『きみ、日本人なんだったらあの両国の間にある島の問題だけど・・・』とにこやかに質問されたんですが、語学力がいたらず、じぇんじぇんわかりましぇんでした。
とりあえず、『中国は中国のものと言ってるアルけど、日本も日本のものと言ってるアル、難しいアル、複雑アルね〜』と言っておきましたが、この会話は非常にフレンドリーにニコニコ行われほっとしました。わたしと関わった中国の人たちはわたしを通して日本という国を感じると思うので、常に友好的でありたいと思っていますが、幸運なことに今までの3年の経験で日本に好意的でない人と出会ったことがありません。
閑話休題、
そこでその日の夜、一か八かチケットがなくても行ってみたいというぴかとともに広州体育館へ出発しました。サッカーのチケットが20元(約260円)や50元(約650円)という良心価格なのに対して、さすが国技、卓球のチケットは軒並み高価です。この日準決勝のチケットは以下の通りでした。
A席: 300元 (約3900円)
B席: 150元 (約1850円)
C席: 100元 (約1300円)
車を降りてからエントランスまで歩くこと1ブロック。
木陰の暗闇に紛れて佇む人たちに「券あるアルカ?」と声をかけてわかったこと。
A席: 300元 →
ダフ屋価格 1000元 (約13000円)
B席: 150元 →
ダフ屋価格 700元 (約9100円)
C席: 100元 →
ダフ屋価格 500元 (約6500円)
400元あれば2人で見れるかな、と考えていたんですが、チケット1枚も買えません。
わたし: 「お金ないアル〜」
ダフ屋: 「うそこけ、韓国人だろ、お金持ってるに決まってんじゃん。」
わたし: 「お金ない韓国人もいるアルよっ!!」(・・ま、日本人だけど)
やっとたどり着いたエントランス、係員に聞いてもやっぱり当日券はないとのこと。
あきらめかけていたその時、そこにいたおじさん。
「チケットいる〜?
」
2枚700元と言うのでC席かと問えば、なんとA席とのこと。
それでも400元の予算はオーバーするので躊躇するわたしに、
「じゃ、600元、正規の値段でいいや〜、どうよ?
」
ダフ屋の現実を見せつけられてきたわたしにむくむくと湧いた疑惑。
「先生(Mr.の意)、それホンモノアルか〜??」
すると自信満々のおじさん、つかつかと私達を連れてゲートに立ち入り、係員に私達を通す様に告げチケットを手渡しました。
ピッと検札器を通る二枚のA席チケット。本物確定です。
が、お金をまだ払っていないのです。慌てて財布を出し、係員の前で百元札を6枚出しておじさんに手渡したところ・・・
スゴい剣幕の係員と警察官が走りよってきて、お金を受け取ったおじさんの腕をがしっと掴み、わたしたちも促されるままに門の隣の別室へ連行されました。。。
非常事態発生のため、つたない
中国語からすかさずインチキ
英語モードに切り替えて、私達とおじさんが何ら不正なことを行っていなかったことをアピール、おじさんも必死に説明。
警察はおじさんの身分証と所持品を調べ、チケットは私達に売った2枚しか持っていなかったことを確認。正規価格だしダフ屋ではなさそうだけれども、ゲート前で金銭の授受を行っていたのは大問題な訳で、警察官も困り顔。
そして、ふとぴかに眼をやると。。。
忍び泣き
「ちょっと見なさいよ!息子が怖がって泣いちゃったじゃないのよ〜っっ!!
」
とたんにうろたえる係員と警察官。
「小朋友〜(ちびっこの意)、泣かなくっていいんだよ〜
もういいから試合楽しんでおいで、ねっ。バイバ〜イ!」
ぴかの無垢な涙によって私達とおじさんは無罪放免、取引無事成立となったのでした。
めでたしめでたし。
これぞ子煩悩なお国柄、中国。
子供がシメシメ泣いたからって日本ではこうはいかないでしょう。
ぴか、ぐっじょぶ!
今回の経験でわかったこと
ダフ屋はアホ程高い!
明るいゲートの真ん前にダフ屋はいない!
かわりに都合で行けなくなったチケットを売っている人がいるかも!?
その場合正規料金と同じ値段で譲ってもらうことが可能!
おかげで正規料金でレアなA席チケットを手に入れ試合を満喫したその様子は次回に書くとして、ぴかと武警の兵隊さんの写真で締めくくります。
現在、大会に関係するエリアは1ブロックおきにこの兵隊さんスタンドが設けられています。