「今日学校行かない。」
将ちゃんは、起きるなり私にこう言った。
下を向いている。
正しくないことを言っているのは、わかっているのだ。
「なんで?昨日、寝る前に約束したよね?」
「でも、土曜日は学校に行く日じゃないから、行きたくない。」
・・・・・・。
やはり、
変更に弱い。
どうしても納得いかないのだ。
どんなに、月曜日休みなんだよって言っても。
授業参観と一緒だから、お母さん見に行くよって言っても。
心の中が、モヤモヤして、どうしようもない。
思い起こせば、将ちゃん・・・・
前回のオープンスクール休んでるんです・・・
確か、こうやってゴネまくって。
暴れまくって、熱計ったら少しあって。
もう、いいわ、って休ませてしまった。
ああ
ダメじゃん
もう、逃げるわけにはいかないよっ!!
そんなわけで再び説得開始
訊けば、なんでも2時間目の体育が「学年杯」で、
クラス対抗リレーなんだそうだ。
将ちゃんは走るのが得意ではない。
なので、みんなに怒られる、嫌なこと言われるから・・・と。
「でもね。人間だからね。得意なことも苦手なこともあるんよ。
誰かが将ちゃんをバカにしたら、お母さんが怒ってあげるし
一生懸命やることが大事だから学校行こうよ」
「イヤや。」
ムカッ
ガマンよ・・・ガマン・・
「お母さん、将ちゃんが走ってるところ見たいよ。
頑張ってー!って言いたいよ!」
「頑張っても遅いで。誰にも勝たれへんもん」
ムカムカッ
ガマンじゃああ
「将ちゃんが行かなかったら他の子困るんちゃうん!?
だって人数足りなくなるもん!」
「ボクおらんくてもみんな何も言わへん。学校い行かへん!!」
プッチーーン
ガマン限界
「学校行かないんだったら漢字と算数ドリル大量にやらすで!!」
もう、将ちゃんが一番嫌なことを言うしかなかった。
ここまで言えば、行く、と言うだろうと。
ところがだ。
「わかった。ドリル、やる。」
将ちゃんはそう言ってドリルを取りに行ってしまった!!!!
ちょっと待て
「そこまでして行きたくないの!?逃げたらあかんよ!
逃げるのは簡単やけど、次に挑戦するのは
もっともっと難しくなるんよ!?
今回行かないって言ってどうするの。
毎回逃げるの?
そんなん、お母さんはアカンと思うで!!!」
将ちゃんは、少し黙ったあと
「それでも、行きたくない。」
その言葉に情けない、と感じたのか・・・
私の思考は一気にヒートしてしまった。
「もう知らんで!!どう言ったらいいんや!!
いつまでも逃げとったらええやろ!!
あんたはどう言って欲しいんや!!」
そんなことを言ってしまった。
怒鳴り声を聞いた夫が起きて来た。
「将ちゃん、どうしたんや。」
私は、自分の言った言葉の醜さに驚き
そしてわが子にそれをぶつけたことを後悔し
自分が疲れていることも感じていた。
昨日から、言うなれば「大変モード」の将ちゃんと
かれこれ3時間以上みっちりつきあっていたのだ。
これでは、いけない。
この状態の将ちゃんとは、みっちり付き合ってはいけないと
何年か前はわかっていたのに・・・
ここ2年ほどで忘れていたのかもしれない。
母としてのランクは最低だ。
子供に怒りのまま言葉を投げた。
もうしない。
反省終わり!!!
とにかく今は!!
将ちゃんをオープンスクールに参加させることである!!
同じことを繰り返させないために。
将ちゃんが「変更」の壁をこえていけるように。
気合をいれろ!!
そして、気持ちの切り替えのため、一瞬夫に将ちゃんをたくす。