昨日、本屋さんで私と夫は本を探していた。
あーちゃんの、身体のことをなんとかしたくて。
なんとか、してやれないかと思って。
どうしたらいいんだろうな。
何を見て どう指導したらいいんだろうな。
最初に手に取った指導書は なんだか小さい子向け。
しかも

高い!2300円。
「先生に訊いてから、の方がいいかな?
ひょっとして 先生持ってるかも。それに図書館にあるかも・・・」
「うん・・・」
でも、一応探す。
「弘道おにいさんに指導してもらえたらいいのに

」
なんだか楽
しそうでしょ。
しばらく本を追っているうちに、夫が一冊の本を手に取った。
「目で見る 体育がどんどん上達する本」
写真がたくさん載っている。
自閉症の子に限らず 字ばかりの本を読むのはつらいものだ。
写真や絵が入っている方がずっとずっと理解が早い。
走り方ひとつとっても、何分割にもして写真が載っている。
「手を開いて走るといい。」
「足を高くあげる」
アドバイスも私たちが考えるよりずっと適切なんだろうな。
これ、いいかもしれないね。
体育が苦手で コンプレックスな将ちゃんにも使えるかもしれないし。
体育が出来るようになって欲しい、んじゃなくて
生活面でしっかり真っ直ぐになれる
「軸」作り。
それが出来れば・・・
そう思ってパラパラ ページをめくっていたら
ブランコのこぎ方が載っていた。
「こんなことまで・・・・載って入るの・・・?」
そこで私の身体から血の気が引いた。
うちの兄弟は、ブランコがこげない。
いくつになっても、出来ないのだ。
あんなこと、教えられなくても自然に身体が動くと思っていた。
実際私は教えられた覚えなどなくて。
まわりの小さい子に混じって ブランコを押す私は
なんだか肩身が狭く 「早く自分でこいでよ!」と怒ってばかりいた。
「足を曲げて、伸ばして、ってすればできるよ!」
「なんでできないの!?やってみてよ!」
「何回も練習しないと出来ないよ!」
公園に行って ブランコするたびに怒っていたんじゃないか。
「お母さん押してー」って甘えてくる子供たちにイライラしていた。
優しい気持ちなんてどこにもなかった。
そのうち私は公園に行くのをやめた。
あの時、将ちゃんは、あーちゃんは。
私の言ってること、きっと。
わからなかったんだ。
できなかったんだ。
やらなかった、のではなくて。
私のまわりの景色が曲がる。
本屋で立ったまま泣きそうになった。
ワカラナカッタンダ。
漕ぐ、という動作がわからない。
自然に出来る動作ができない。
それすら わかっていなかった、私がいた。
自閉症のことはいっぱい勉強してるから!みたいな顔をしていた。
でも実際は上辺だけだと痛感している。
あの子たちのこと何にも分かっていない気がする。
兄弟の不自由さもしんどさもわかってやれていない。
寄り添うことができていない。
自分の気持ちを押し付けることで解決しようとしていたんだな。
いっぱい反省する。
反省して、もうちょっと柔らかい考え方をしないとね。
へこむのも一瞬だ
今日から、また、口角上げて
取り組んでいくんだよ。
あの時は、ごめんね、ってちゃんと言ってから。