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福助でござる [2016年12月09日(金)]

朝食:女舵木照焼き、小松菜浸し物(花かつを)〈精・雑・7〉、葡萄飯、味噌汁(蜆汁)〈魚・春・14〉、香、梅干、番茶
昼食:カリー(ホウレン草ジャガ芋)、ナン、イェロウライス、サラダ、ビール 〔綾瀬:シータラ 〕
夕食:さきいか、バゲット(マーマイト)、ブルーチーズ、酎ハイ
間食:ルマンド、エリーゼ、酒饅頭、茶、紅茶(牛乳)



 

ある本というのは、かつてインチキな内容を指摘しようとして果たせなかった『江戸の繁盛しぐさ』のことですが、その中でも、もっとも荒唐無稽なことが書いてある「うらしま・たろうの『現代江戸講』」の一節から。

「…若い方たちは足が長くてスラっとして十頭身なんて喜んでますね。…見ていくと、上の方に確かに首がついてたりしますね。ところが江戸で言いますと、福助。だから福助足袋という商標になったわけで、福助こそ江戸の最高の男なんですね。五頭身半、六頭身ですか、だから六頭身というのがとても良い。……江戸のころは手や足はあまり長くない方が良い。」(p.217)

ちなみに「福助足袋」は、明治33年からのブランドです。それも創業は大阪は堺で、江戸でも東京でもありません。

それはさておき「頭が大きくてえらが張っている」云々が、上記の福助にインスパイアされた表現のように読めるのです。

『江戸の繁盛しぐさ』の初版は 1992年で、『杉浦日向子の江戸塾』の初版が 1997年。
晩年の芝三光は、杉浦先生に一つ穴を認めていたようですが、まさか杉浦先生が『江戸の繁盛しぐさ』を読んでいるとは思えないのですが。

 ―…はやく言って安心させろよ。誰に似てんだい!
 ―お前さん、福助。
 ―あの役者のか?
 ―なぁに、今戸焼きの福助……

一葉忌 [2016年11月23日(水)]

朝食:鱈煮付け、小松菜浸し物(花かつを)〈精・雑・7〉、飯、味噌汁(蕪菜汁)〈精・冬・77〉、香、梅干、番茶
昼食:豚鍋(豚・白菜・葱・木の子・油揚・豆腐)、支那そば、焼餃子、酎ハイ
夕食:、酎ハイ
間食:レーズンサンド、バームロール、茶、紅茶(牛乳)

一葉忌

 

陰。朝まだき家を出るに糠の如き雨降りしが須臾にして歇む。
此日一葉女史の忌日なり。終日門を出ず、女史が日記を讀みて過す。

身はもと江湖の一扁舟、ミつから一葉となのつて蘆の葉のあやふきをしるといへとも、波靜かにしてハ、釣魚自然のたのしみをわするゝあたハす、よしや海龍王のいかりにふれて狂らん、たちまちそれも何かは
  さりとハの 浮世ハ三分 五里霧中

世の中の人にあハて過してし、獨居の床に冬ハ來にけり……呵呵

図書館日記 [2016年11月18日(金)]

朝食:茄子油煮〈精・夏・45〉、菠薐草浸し(胡麻)〈精・春・14〉、八斗飯、清汁(つみれ・大根)、香、梅干、白湯
昼食:野菜カレー 〔国会図書館:ふじ食堂〕
夕食:さきいか、食パン(アフォエン)、チェダーチーズ、酎ハイ
間食:、あんドーナツ、ルーベラ、茶、紅茶(牛乳)



 

國立圖書館に往き「反古染」活字版の複冩を乞ふ。
此旬日右肩の疼痛甚しければ、歸徒千住にて下車し、名倉醫院を問ふ。
國手謂ひて曰く「君、石灰沈着性腱板炎なり」而膏藥を投ぜらる。
 ……
歳はとりたくなきものなり。嗚呼。

断腸亭雑感 [2016年11月14日(月)]

朝食:山の芋ぐつぐつ煮〈精・秋・73〉、小松菜浸し物(花かつほ)〈精・雑・7〉、生玉子、五穀飯、味噌汁(油揚)、香、番茶
昼食:豚鍋(豚・葱・白菜・豆腐・油揚)、味噌水、酎ハイ
夕食:さきいか、酎ハイ
間食:梅小むすび、ルマンド、茶、紅茶(牛乳)

/

 

朝から気分がすぐれなかったので、昼食のあと蓐中にあって、昭和28年の1月に、永井荷風がラジオに出演したテープを聴いていた。
キーンドナルド氏が感嘆した話し声である。
私の周りには、このような言葉を使う大人はいなかった。
私の聞いたことのない、東京の言葉である。
明治の初期に、山の手に生まれたアッパー・ミドルの言葉遣いとは、このようなものなのか。

わたくしの印象に残った言葉をあげてみると、
「先のカフェ」、「先から」という言い方をしていた。
cafe は「カッフェ」と「カフェ」のあいだくらいの発音だった。
「先 せん の」は、落語や芝居ではおなじみだが、実際に話すのを聞いたのは初めてである。
芝居を「しばや」、招待を「しょうだい」と言っていたこと。
テーブルを「テイブル」、チップを「ティップ」と発音していた。
「西洋」「支那飯 しなめし」を平板に言っていることなど。

堪ヘ難キヲ堪ヘ [2016年08月15日(月)]

朝食:茄子油煮〈精・夏・45〉、大角豆牛房の和え〈精・夏・32〉、丸飯、味噌汁(青菜)、辛煮、梅干、湯冷
昼食:焼そば、酎ハイ
夕食:するめ、おるに珍味、食パン(マーマイト・アホエン)、チーズ、酎ハイ
間食:ルマンド、エリーゼ、バームロール、青汁、甘酒、冷茶、紅茶(牛乳)



 

終戦の詔書より
「…今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス…」

「頭がいい」って…… [2016年05月26日(木)]

朝食:湯葉わさび醤油〈精・冬・81〉、隠元辛子マヨネーズ、高粱飯、船場汁(鱸・大根・陳皮)、かくや古漬、梅干、煎茶
昼食:ちらし寿司(鮪・鮃・鰺・烏賊・鱒・腹子・中落ち・かっぱ・酢蓮・玉子焼・刻み海苔・でんぶ・酢生姜)、味噌汁(石蓴・油揚・葱)、茶碗蒸し、酒 〔松戸伊勢丹:寿司清〕
夕食:食パン(アホエン)、酎ハイ
間食:あんこ餅(きな粉)、カルピス(チア)、牛乳、茶、紅茶(牛乳)



 

タリラリラーんで、こにゃにゃちは。
パートから帰って、本を読んでいたら、いつのまにか寝てしまっていました。
ばかですね。
「バカ」と「頭が悪い」の違いって、何なのでしょうか。

ところで「頭がいい」とはいいますが、「頭が良い」という表現は、見聞きした覚えがありません。

江戸塾 [2015年11月10日(火)]

朝食:煮奴〈精・冬・78〉、冷飯、味噌汁(油揚)、香、梅干、煎茶
昼食:天ぷら(春菊・芋)、わかめそば、酎ハイ
夕食:、酎ハイ
間食:柏火山焼、冷茶、紅茶(牛乳)

/

 

かつての編輯部の同僚が「絶対に笑えるから」と『杉浦日向子の江戸塾』*という本を、わざわざ貸してくれました。
持つべきものは友だちである。

さて、一読三嘆ならぬ一読三嘲、抱腹絶倒。
杉浦日向子氏の酢豆腐ぶりは、先の「どぜう汁」で、すでにおなじみですが、本書でもいかんなく発揮してくだすっています。

スギウラセンセイの酢豆腐ぶりは、おいおい御紹介いたしましょう。呵呵
続きを読む...

酢豆腐本 [2015年10月19日(月)]

朝食:四川風肉豆腐、菠薐草浸し(花かつほ)〈精・春・14〉、丸飯、味噌汁(和布)、獅子唐佃煮、梅干、煎茶
昼食:天ぷら(海老・鯛・烏賊・蓮根・舞茸・小海老の掻き揚)、飯、味噌汁(蜆)、香、ビール 〔北千住丸井:つな八〕
夕食:ココナッツ・チップス、酎ハイ
間食:冷茶、紅茶(牛乳)



 

「酢豆腐本」の用例を調べてみたところ、私以外に使っている人はいないようなので、いちおう、私のオリジナルといって宜敷いかと思う。

ところで、Googleで「酢豆腐本」を調べると、トップに例の酢豆腐本が出てくるのには、びっくり仰天するとともに、腹をかかえて笑ってしまった。

これまで、一度も書名をあげたことはないのに、なぜなのだろうか。
おそるべし!!

月近くも、咳嗽が止まないので医者に行ったことなど。

読書日記 [2015年06月25日(木)]

朝食:鰆餡かけ〈魚・冬・86〉、隠元芥子マヨネーズ、鯨飯、味噌汁(蜆汁)〈魚・春・14〉、香、梅干、煎茶
昼食:時菜鶏丁、飯、羮(海帯・蛋花)、酸菜、杏仁豆腐、冷コー、ビール 〔松戸:海華〕
夕食:オルニ珍味、ミックスナッツ、酎ハイ
間食:冷コー、冷茶、紅茶(牛乳)



 

先日、Amazon に註文していた『随筆百花苑・地誌篇』(第13巻)が届く。
土御門泰邦の「東行話説」が収録してあるのである。

さっそく居間の寝椅子に寝ころんで読む。
一読三嘆、抱腹絶倒。
思はず膝を打ち而、快哉を叫ばしむ。
午睡のあと、また読む。
鳥渡買物してから、また読む。

扨々、己がやっていることを、250年も前にすでにやっている人がいたのであった。
嗚呼

貧乏日記 [2015年06月11日(木)]

朝食:鯵鱠(鯵蓼酢〈魚・夏・31〉・大葉)、隠元芥子マヨネーズ、獅子唐の佃煮、源平飯、味噌汁(油揚)、香、梅干、煎茶
昼食:スパゲッティ・ミートソース、キャベツとアンチョヴィの炒め、酎ハイ
夕食:するめ、ミックスナッツ、酎ハイ
間食:たけのこの里、冷茶、紅茶(牛乳)



 

きのうのタイトルを変えました。

『びんぼう自慢』は、古今亭志ん生の自伝なので、いささか気が引けましたものですから。

「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」

本屋風情 [2015年01月22日(木)]

朝食:カレー(豚・馬鈴薯・蕪・玉葱)、ホウレン草とニンニクのソテー、人参ピリ煮、福神漬、花らっきょ、白湯
昼食:羊鍋すき焼き風(仔羊・玉葱・豆腐・油揚・温麺)、酎ハイ
夕食:バゲット、さきいか、いかり豆、酎ハイ
間食:梅こんぶ茶、紅茶(牛乳)



 

図書館といえば、何年か前に「(公共図書館は)新刊は半年は入れないとか、資料性の高い物だけにしろ」というようなことを言った書店員がいたが、こういう愚かな者がいるから「本屋風情」などとバカにされるのだ。
(私の勤めていた出版社にも、同じようなことを言った人があったが、社長にたしなめられた。あたりまえの話だ)

この書店員、書店組合の役員をしているらしく、書店の内情にくわしいのだが、本のことにかんしては素人同然のように見える。
「資料性の高い物」云々の文言だけでも、それが分ろうというものである。

それにしても「図書館が本を貸すから、書店の本が売れない」とは、なんと幼稚で短絡的な発想なのだろう。
図書館の貸出しと、小売書店の売上げとの因果関係を示す資料があるのだろうか。
是非とも、具体的な資料の提示をしてもらいたいものだ。

江戸しぐさ拾遺 新続 [2014年09月22日(月)]

朝食:隠元浸し、奴豆腐青唐辛子、鮭粥(刻み海苔)、即席清汁(松茸風味)、香
昼食:固焼そば、ビール 〔松戸伊勢丹前:日高屋〕
夕食:トースト(アホエン)、チェダーチーズ、するめ、いかり豆、酎ハイ、茶
間食:紅茶(牛乳)、冷茶

/

 

『江戸の繁盛しぐさ』、第5部「うらしま・たろうの『現代江戸講』」から、その4

「鼻濁音にも表現法があった。寺子屋教材では△字をつけて指示する。科学は「かがく」、化学は「くわがく」。サイエンスのとか、ばけがくのとか言う必要はなかったんです。」

鼻濁音の意味が分っていないようだ。
鼻濁音は語中のガ行に生じるもので、語頭では生じない。
「かがく」「くわがく」に関係なく、「カカ°ク」「クワカ°ク」と、語中の「学」が「カ°ク」と鼻濁音になる。

そもそも「科学」も「化学」も、旧仮名表記では「くわがく」だし、それも明治になってできた術語である。

江戸しぐさ拾遺 続々 [2014年09月21日(日)]

朝食:カレー丼(豚・玉葱・十六ささげ)、味噌汁(蜆)、紅しょうが、福神漬、花らっきょ、白湯
昼食:鱈鍋(鱈・・豆腐・葱・白菜・油揚)、酎ハイ、冷茶
夕食:トースト(アホエン)、チェダーチーズ、酎ハイ、冷茶
間食:紅茶(牛乳)、冷茶



 

『江戸の繁盛しぐさ』、第5部「うらしま・たろうの『現代江戸講』」から

 その3
「…赤坂もおもしろい。昔は「あ」にアクセントを置いた。ところが官軍が来てから「か」にアクセントが移る。それが江戸の人たちは「カサカがアサカにかわりアカ(垢)がたまって汚くなった」、とからかったもんです。」(傍線ママ)

カサカ」って、耳なれないアクセントだが、ブルー・コメッツの「雨の赤坂」のさわりの部分を思い出してくださればいいかと思う。
ネタもとは「赤とんぼ(カトンボ)」だと思われる。
ならば、赤坂見附は「カサカミツケ」と言ったのだろうか。

余談だが、国語学者の土岐善麿(1885ー1980)によると、坂にも「カ」「サ」と、東京の地域によってアクセントの相違があったのだそうだ。

 赤坂 赤坂 ぼくは可笑しい『江戸の繁盛しぐさ』より

江戸しぐさ拾遺 続 [2014年09月20日(土)]

朝食:スパゲッティー・ボロネーゼ、焙じ茶
昼食:鶏鍋(偽地鶏・豆腐・葱・白菜・油揚)、酎ハイ
夕食:トースト(アホエン)、チェダーチーズ、いかり豆、酎ハイ、茶
間食:紅茶(牛乳)、焙じ茶



 
 
『江戸の繁盛しぐさ』の第5部「うらしま・たろうの『現代江戸講』」だけでもたいそう面白いので、その中から昨日の続きの御紹介。

「江戸っ子が『ひ』と『し』の区別がつかないというのは有名な話ですが、自転車を『ぢてんしゃ』と言うか『じてんしゃ』と言うかでも分かる。…」(pp.219―220)

自転車は、旧仮名表記でも「じてんしゃ」である。
また「ぢ」と「じ」の発音の違いは、江戸時代の初期にはすでになくなっていた。

自転車を「じでんしゃ」と言う人はいたし、今でもいる。
さっするに、江戸っ子は「ひ」と「し」の区別はできないが、「ぢ」と「じ」の発音は使い分けていた、とでも言いたかったのだろうか。

江戸しぐさ拾遺 [2014年09月19日(金)]

朝食:納豆(葱・青海苔)、芋煮転ばし〈精・秋・50〉、生玉子、五穀飯、味噌汁(蜆汁)〈魚・春・14〉、香、梅干、白湯
昼食:鰤鍋(鰤アラ・大根・白菜・葱・豆腐・油揚)、酎ハイ
夕食:トースト(アホエン)、するめ、いかり豆、酎ハイ、焙じ茶
間食:紅茶(牛乳)



 

先日読んだ『江戸しぐさの正体』は、私にとって「亡き子をしのぶ歌」のようなもので、感慨無量であった(出来がいいだけに、ひとしおである)。

水子の供養をかねて、同書ではふれていない珍説を『江戸の繁盛しぐさ』の中から拾いあつめてみる。

 出た時は「いたばし」、戻る時は「いたはし」 その1 
「江戸市中ではいずれも宿場名は澄んだ発音をしたんで、江戸の人間が宿場を出る時は、たとえば「いたばし」、戻ってくる時は「いたはし」と澄んだ発音で使いわけた。」(第5部「うらしま・たろうの『現代江戸講』」から)

「千住大」「両国」などの発音からの発想と思われるのだが、他の三宿「品川(しなかわ)」「千住(せんしゅ)」「新宿(しんしゅく)」については言及していない。

江戸しぐさと銀ブラ [2014年09月18日(木)]

朝食:鮭塩引き〈魚・雑・7〉、十六さゝげ芥子マヨネーズ和え、五穀飯、味噌汁(麩)香、梅干、白湯
昼食:焼肉(豚三枚・茄子・葱・獅子唐・田楽豆腐)、酎ハイ
夕食:トースト(アホエン)、いかり豆、酎ハイ、焙じ茶
間食:チョコスティック、紅茶(牛乳)、冷茶



 
 
これも最近読んだ本。
新刊書を読むことはあまりないのだけれど、これもなにかの縁なのだろうか。

『「銀ブラ」の語源を正す』という、「銀ブラの語源が『座のパウリスタでブラジルコーヒーを飲む』」といったデマを徹底的に検証した本。(太字引用者)

私は、20年以上銀座で働いていたけど、「銀座のパウリスタでブラジルコーヒーを飲む」なんて話は聞いたこともなかった。
それもそのはずで、2008年になって初めて出た話だったのだ。

先の「江戸しぐさ」と共通するのが、マスコミが無責任な情報をたれ流しして、専門家がなにも言わないということである。

「黙っていることは、黙認することになるのではないだろうか」(前書「まえがき」)。

江戸しぐさの正体 [2014年09月16日(火)]

朝食:奴豆腐青唐がらし(花かつほ・摺り生姜)〈精・夏・36〉、人参罌粟〈精・冬・90〉、丸飯、味噌汁(茄子)、香、梅干、白湯
昼食:豚鍋(豚・豆腐・白菜・葱・油揚)、酎ハイ
夕食:トースト(アホエン)、するめ、酎ハイ、焙じ茶
間食:チョコスティック、紅茶(牛乳)、冷茶



 

ここ数日、めずらしく新刊書を数冊続けて読んだ。

そのうちの一つの『江戸しぐさの正体』という本。
実は私も、5〜6年前に、江戸しぐさのインチキを指摘した本を企画したことがあったのだけれど、出版社が全然乗り気でなかったため、それきり立ち消えになってしまった。

書きかけの原稿が、どこかにしまってあるはずなのだが、遅きに失すとは、このことだ。

書不能読 [2014年09月06日(土)]

朝食:朝風肉豆腐、小松菜、人参ピリ煮、麦飯、、冷茶
昼食:スパゲッティー・ナポリタン、塩トマト、赤ワイン
夕食:バゲット(アホエン)、するめ、いかり豆、酎ハイ、冷茶
間食:紅茶(牛乳)

...

 

今日もまた、雨のため出ばなをくじかれ、白河夜船。
頃日新刊書を読んでいても、面白くもなんともない。

柴田宵曲や、澁澤龍彦のような文を書く人は、もういないのだろうか。
嗚呼

昼餉の写真は、フェイスブックに載せています。

夏炉冬扇 [2014年08月28日(木)]

朝食:狭腰の東京焼、茄子煮浸し(摺り生姜)、獅子唐の佃煮、丸飯、味噌汁(麩)、香、梅干、白湯、冷茶
昼食:担々麺、ビール 〔松戸駅前:ゆうえん〕
夕食:バゲット、いかり豆、酎ハイ、冷茶
間食:紅茶(牛乳)、冷茶

...

 

秋冷。どうせ、今日の夏祭りは中止だろう。

さて、あたかも過日註文していた、柴田宵曲の『団扇の画』が届いた。
居間の寝椅子でページをめくりながら、いつものごとく華胥の夢。

小岫子曰。夏炉冬扇とハ蓋し此事ならむ。嗤ふべし。呵呵

ぶつかけそば始りの事 [2014年08月21日(木)]

朝食:鮎子塩焼き、奴豆腐青唐がらし(花かつほ・摺り生姜)〈精・夏・36〉、塩トマト、丸飯、味噌汁(麩)、香、梅干、白湯、冷茶
昼食:冷麦、揚げ出し豆腐、ビール
夕食:いかり豆、酎ハイ、冷茶
間食:うまい棒、下仁田葱味噌煎餅、パッションフルーツパイ、落雁、甘酒、冷茶、紅茶(牛乳)



 

稚鮎もメザシくらいの大きさになると、いっぱしの味がするから、塩焼きが美味い。

『蕎麦全書』(1751)から
巻之上「ぶつかけそば始りの事」
「新材木町に信濃屋と云有り。是元祖也。其本は省略のため製し始めし也。尤粗々たる一小家なり。此辺、車力、軽子多く集り会する場処なり。このぶつ懸そばを製し出せしは、立ちながらも食するの便りにしたり。其本、甚下品なる物なり。以後は温熱にして寒冷の節、或は感冒の砌、甚口腹に適ふ故、又はそれ/"\の器物も不入、簡便なるを好み処々に盛になりて、好事の者大きに是を賞する事になりぬ。是ぶつかけそばの元祖なり」

蕎麦切やのそば小麦粉入る割の事 [2014年08月20日(水)]

朝食:茄子油煮〈精・夏・45〉、隠元マヨ合え、鮴の佃煮、丸飯、味噌汁(若布)、香、冷茶
昼食:せいろう蕎麦(葱・七色)、金平のかき揚げ、鮴の佃煮、酒
夕食:トースト(アホエン)、チェダーチーズ、酎ハイ、白葡萄酒、冷茶
間食:しそゴマ小むすび、甘酒、冷茶、紅茶(牛乳)



 

承前。
JAS 規格では「そば粉 30%以上ならば表示義務がない」ということだが、なぜ 30%以上なのだろうか。

農林省の役人輩が、こんな本を読んで参考にして、規格を作っているとも思えないのだが、『蕎麦全書』(寛延4年・1751)に、こんなことが書いてあった。

『蕎麦全書』巻之下「蕎麦切やのそば小麦粉入る割の事」
「或人の談に、麪店家のそば、通例小麦粉四升にそば粉一升を入るゝ也。四分一の割也。予、先年聞ける事有り。神田須田町伊勢屋茂兵衛と云穀物屋有り。そばを多く商ふ。出店に麪店家を出せり。彼人云、頃日は蕎麦をよくせり。割を多く入三分一にせりと。予問て曰、そば三分にうどん一分なりやといへば、左にあらず。小麦粉三分にそば一ッ分入るゝとなり。」(傍線引用者)

この後に続く文が面白いので、相合して紹介する。
「此談と相合す。今そば屋と云はじして、うどん屋と唱ふるは、うどんを多く主に遣ふ故にやとおかし」

アーメン・ソーメン・冷ソーメン 補遺 [2014年08月19日(火)]

朝食:酢豆腐(黄瓜・茗荷・芥子)、塩トマト、獅子唐の佃煮、冷飯、船場汁(鱸・大根)、香、梅干、白湯、冷茶
昼食:素麺(茗荷・摺り生姜)、章魚の指身、豆腐の天ぷら、酎ハイ
夕食:トースト(アホエン)、チェダーチーズ、酎ハイ、白葡萄酒
間食:しそゴマ小むすび、甘酒、冷茶、紅茶(牛乳)



 

先の素麺について、大事なことが落ちていたので補足する。

「素麺は瓜や果物とともに七夕の神饌である。」
この一文の後に、先の「冷麦と素麺は兄弟の食べ物云々」が続くのであった。

たしかにそのとおりで、神饌として索餅を供えていた名残りで、現在でも素麺を供えているところもあるそうだ。

閑話休題。篠田統氏は『図説江戸時代食生活事典』で、
「索餅は、むぎなわ(麦縄)と訓んだ」と記した。
つまりは、神饌は索餅だから、当然麦縄のことになるはずだ。

あれえ? このセンセイ、たしか「冷麦は麦縄の名残り」だと書いていたのではなかったのか。

アーメン・ソーメン・冷ソーメン 余滴 [2014年08月14日(木)]

朝食:鮭塩引き〈魚・雑・7〉、昆布油揚げ〈精・雑・関〉、トマト、高粱飯、味噌汁(豆腐)、香、白湯、冷茶
昼食:ざる蕎麦(葱・七色)、茄子の天ぷら、酒
夕食:マヨトー、酎ハイ、白葡萄酒
間食:紫蘇雑魚むすび、冷茶、紅茶(牛乳)



 
 

かねがね疑問に思っていた、市販の蕎麦の乾麺のそば粉の比率について調べてみた。
現行の JAS 規格では、そば粉の配合についての制限がないのだそうだ。

つまり 10%であれ、5%であれ、そば粉がはいっていれば「蕎麦」と称することができるのだ。
ただし、そば粉の含有量が 30%未満の場合は、配合比率を表示しなければならない。
言い換えれば、30%以上ならば表示義務がない、ということである。

ついでに、50%以上ならば「上級」で、40%以上ならば「標準」となる、らしい。

スーパーで、JASマーク付きの「蕎麦」なんて見たことがないし、配合比も表示していない。
ということは、ぎりぎり30%だと思ってさしつかえなかろう。

やっぱり、蕎麦はざるに限る。

アーメン・ソーメン・冷ソーメン 拾遺 [2014年08月13日(水)]

朝食:章魚の指身(大葉・山葵醤油)、隠元マヨネーズ和え、鮴の佃煮、高粱飯、味噌汁(鮴)、香、梅干、白湯
昼食:素麺(茗荷・摺り生姜)、しめじの天ぷら、酎ハイ
夕食:酎ハイ、焙じ茶
間食:紫蘇雑魚むすび、冷茶、紅茶(牛乳)



 

現在のJAS規格では、めんの太さによる違いのみのようで、製造法については定義していない。
1.3mmまでが「そうめん」、1.7mmまでが「ひやむぎ」、それ以上が「うどん」らしい。

『図説江戸時代食生活事典』の「麺類」の項からの抜粋。
「麺」という字は元来小麦粉のことで、ひいては穀類の粉(小米麺・玉米麺など*)をさすことになった。うどん、蕎麦のように細長く加工したものだけを麺類と呼ぶのは、日本語である。

ちょうど、スパゲッティのことを、気取ってパスタと呼ぶのといっしょよね。


*「こめこ」「とうもろこしこ」と訓む。

アーメン・ソーメン・冷ソーメン 続々 [2014年08月12日(火)]

朝食:竹輪の蒲焼、トマト、冷飯、味噌汁(滑子)、香、梅干、白湯、冷茶
昼食:ちらし寿司(鮪・鯛・鰺・烏賊・鱒・腹子・中落ち・かっぱ・酢蓮・玉子焼・かんぺう・でんぶ・酢生姜)、味噌汁(石蓴)、茶碗蒸し、ビール 〔松戸伊勢丹:築地寿司清〕
夕食:酎ハイ、焙じ茶
間食:紫蘇雑魚むすび、冷茶、紅茶(牛乳)



 

昨日の続き。
松下幸子氏の『図説 江戸料理事典』に当を得た解説が載っているので、主要な部分を引用する。
同書には「麦縄」の項目はないので『図説江戸時代食生活事典』の「素麺/入麺」の項によった。

素麺
小麦粉に水と塩を加えてねり合せためん種に、植物油を塗り、よりをかけながら細く引きのばし、天日乾燥したごく細いめん。

冷麦
切麦をゆでて水で冷やし、冷たくして汁をつけて食べるもの。

切麦
小麦粉を薄い塩水でよくこねてめん棒で薄くのばし、うどんより細く切っためん。手で引きのばすそうめんに対して切麦とよんだ。

麦切
大麦切りの略称で、大麦の粉を水でのばし、うどんのように細く切ったもの。

麦縄
そうめんの先祖は「索餅」といい、「むぎなわ*」と訓んだ。…小麦粉を水でこね、よって紐や縄のように引き延ばしたものをさす。

どうです、今一度、昨日一昨日の引用文と比較してみてくださいな。

アーメン・ソーメン・冷ソーメン 続 [2014年08月11日(月)]

朝食:稚鮎の干物、隠元胡麻浸し〈精・夏・30〉、トマト、丸飯、味噌汁(若布)、香、梅干、白湯、冷茶
昼食:冷麦(茗荷・摺り生姜)、鮪刺身(大葉・山葵醤油)、酎ハイ
夕食:チャパティー、酎ハイ、白葡萄酒、冷茶
間食:紫蘇雑魚むすび、冷茶、紅茶(牛乳)



 

昨日の続き。
「安政元年*(1854)6月、中村座の夏芝居『膝栗毛』の稽古中に、諸方より蕎麦・冷むぎ・西瓜・桃・葛・水白玉ほか」を贈られた(『手前味噌』)。
そのくだりの箇所、昨日の続きの段落。

「なお、冷麦の『麦』は『麦切(大麦切)』すなわち『大麦粉に水を加えて捏ねたものを細い紐状にしてから乾燥させた食品』を茹でたのち、水で冷し、汁に浸して食べることから来ている。つまり、麦縄の麦が残ったのである」(傍線引用者)

 

実に微に入り細を穿つたような説明で、たしかに麦切は大麦で作るのだが、あいにくと冷麦は麦切ではなく切麦である。

麦切と切麦については、また明日。



*安政は11月27日(1855)改元なので、正しくは嘉永7年6月だが『手前味噌』では、正月から安政元年と記してあるため、それにしたがう。

アーメン・ソーメン・冷ソーメン [2014年08月10日(日)]

朝食:冷索麺(茗荷・摺り生姜)、奴豆腐青唐がらし(花かつう)〈精・夏・36〉、四川風肉そぼろ、トマト
昼食:お好み焼き、トマト、ビール
夕食:クレープ四川風、酎ハイ、白葡萄酒、冷茶
間食:

...

 

先日ある酢豆腐本を読んでいたら、あまりにも可笑しいことが書いてあったので、思わず腹をかかえて笑ってしまった。

「弘化4年(1847)4月、中村仲蔵一行は新潟へ向かう途中、三国峠で冷素麺と阿部川餅(ママ)」を食べた(『手前味噌』)。
そのくだりの箇所から引用する。

「冷麦と冷し素麺は兄弟の食べ物である。素麺の原料は小麦、冷麦の原料は大麦という違いはあっても、二つの作り方はまったく同じだ…」(傍線引用者)

アーメン、ソーメン、冷ソーメン…
冷麦と素麺の違いくらい、三歳の童子でも知っているだろう。

「兄弟の食べ物云々」という表現がなんとも陳腐だし、原料が違って「兄弟」というのもおかしくはあるまいか。
それにしても、冷麦の原料が大麦だなんて初耳である。

書名はあげずにおきますが、この本には、他にも奇妙な記述が散見するので、いずれ機会があったら御紹介いたしましょう。

それでは今日はこの辺で、お休みなさい。

嵐はまたくる [2014年08月09日(土)]

朝食:カレー(鶏・ジャガイモ・タマネギ・セロリ・ホウレンソウ・シシトウ)、麦飯、トマト、紅ショウガ
昼食:ピッツァ・マルゲリータ、白ワイン 〔松戸駅前:ガスト〕
夕食:酎ハイ、緑茶
間食:冷茶、紅茶(牛乳)

/

 

明日は嵐が来るそうな。
私たちには、旱天の慈雨であった。

先日註文していた、森銑三の『新編 物いう小箱』が届く。

手前味噌 [2014年08月06日(水)]

朝食:鱧の煮付け、菠薐草浸し(花かつを)〈精・春・14〉、炒り玉子、丸飯、味噌汁(韮)、香、梅干、白湯
昼食:天ぷら(穴子・鱚・舞茸・獅子唐)、鰯つみいれ、もずく酢、飯、味噌汁(蜆・葱)、香、ビール 〔京成八幡駅前:大黒家〕
夕食:酎ハイ、焙じ茶
間食:甘酒、紅茶(牛乳)



 

八幡まで出て、三代目中村仲蔵の『手前味噌』を購う。
先日読んだ本に飽き足らなかったので、直接原本にあたるためである。

昼飯を食った駅前の大黒家は、荷風ゆかりの店。
この店で胃潰瘍の荷風は、カツ丼と酒1合を独酌していた。

ドラコニア忌 [2014年08月05日(火)]

朝食:奴豆腐(花かつほ)、トマト、水飯、焙じ茶
昼食:八珍炒麺、ビール 〔羽田空港第2ビル:南国酒家〕
夕食:酎ハイ、焙じ茶
間食:ゴマしそ小むすび、甘酒、紅茶(牛乳)



先日註文していた、柴田宵曲の『妖異博物館』正・続が届いた。
いわずと知れた、澁澤龍彦の『東西不思議物語』の種本である。


今日あたかも澁澤の忌日、ドラコニア忌であった。
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