毎日一品江戸料理 なすびしんきあえ・大尾 [2012年07月31日(火)]
朝食:茄子の指身〈精・夏・37〉、冷し煮奴(獅子唐)、葡萄飯、かくや古漬
昼食:五穀加里、味噌汁(京菜・麩) 〔国会図書館:彩食工房〕
夕食:酎ハイ、白葡萄酒、
間食:チョコ1片、トマト・ジュース
承前
石井治兵衛の『日本料理法大全』にも「しんきあへ」を思わせるものは載っていないので『料理物語』の時代には、すでに存在していなかったと、断言してもよかろう。
ではなぜ、番附の作者は亡霊のごとき「しんきあへ」を載せたのか。
員数あわせがあると思うが(精進方・秋66と冬86の2箇所に「いりどうふ」が重複している)、亡霊と知りながら意図的に入れたのではないだろうか。
鉄火味噌といい、どうやらこの作者、そうとうな茶人のようである。
このようないたずらをして、私たちをからかっているような気がしてならないのだ。
それをうかがわせる「お菜」がまだあるのだが、ひとまず「しんきあへ」の詮索は、これでおしまいにする。
『誹諧通俗志』から『季引席用集』までの100年間の流れを見ると、孫引き曾孫引きのプロセスが覗けて、たいそう面白かった。
なかでも『俳諧歳時記』の馬琴のチョンボを見つけたのは、私が初めてではないかしらん。
昼食:五穀加里、味噌汁(京菜・麩) 〔国会図書館:彩食工房〕
夕食:酎ハイ、白葡萄酒、
間食:チョコ1片、トマト・ジュース
承前
石井治兵衛の『日本料理法大全』にも「しんきあへ」を思わせるものは載っていないので『料理物語』の時代には、すでに存在していなかったと、断言してもよかろう。
ではなぜ、番附の作者は亡霊のごとき「しんきあへ」を載せたのか。
員数あわせがあると思うが(精進方・秋66と冬86の2箇所に「いりどうふ」が重複している)、亡霊と知りながら意図的に入れたのではないだろうか。
鉄火味噌といい、どうやらこの作者、そうとうな茶人のようである。
このようないたずらをして、私たちをからかっているような気がしてならないのだ。
それをうかがわせる「お菜」がまだあるのだが、ひとまず「しんきあへ」の詮索は、これでおしまいにする。
『誹諧通俗志』から『季引席用集』までの100年間の流れを見ると、孫引き曾孫引きのプロセスが覗けて、たいそう面白かった。
なかでも『俳諧歳時記』の馬琴のチョンボを見つけたのは、私が初めてではないかしらん。