これは私が小学6年生の時のことです。
校舎の西側にあるトイレは
あまり使う子が居なくていつも綺麗でしたから、
私は良く利用していました。
その頃は水洗トイレは珍しかったのです。
(私の家は水洗でしたけど)
小学校のトイレはほとんどが
掃除の後は水浸しで
とても嫌だったのですが、
そのトイレは濡れている事がなかったのです。
あの当時は今のように子供が犯罪に巻き込まれることなど
皆無でしたから、
集団での登下校もなく
放課後は各自、自由に帰ります。
私はトイレを済ませてから帰ろうと
いつものトイレに入りました。
個室が両脇に10コくらいずつ並ぶ建物は
南北に向いていました。
教室からは北の入り口が近く、
入り口から3番目がお気に入りの個室だったのです。
入って用が済んだとき小さくノックの音がしました。
スカートを上げていたので両手がふさがっていたので、
もう一度ノックがあった時にノックを返しましたが、
またノックがあります。
しつこいな〜他が空いているのに〜と思いながら
木の戸を開けると
誰もいませんでした!
当時同じクラスの中にしつこく絡んでくる女の子がいて
私はとっさに彼女のイタズラだと思い、
逃げるとすれば両隣に隠れるだろうと
ノックせずに戸をいきなり開けてみましたが、
どちらにも誰もいず
逃げていく足音もまったくありません。
見通しの良いトイレですから
隠れる所は個室しかないですし、
ノックされたのは確かに木の戸で、
壁ではありません。
急に寒気がしたのを覚えています。
教室にランドセルを取りに戻ると
残っていたおしゃべりちゃんが
「あのトイレに入ると誰もいないのにノックされるでしょ?
良く平気でいくねえ〜」
と言いました。
以前からその話が伝わっていて
知っている子は誰もそのトイレを使わなかったのです。
転校生の私には教えてくれる子もいなくて
まったく知らなかったのでした。
私に絡んでくる子が
私がそのトイレを使うので
皆に口止めをしていたとわかりました。
それ以来卒業までそのトイレには行きませんでしたが、
思い出すと不思議なことです。
ほとんど使われないトイレは、
隣のクラスが
お掃除していましたが、
見ていると誰も使わないんですよ。
先生たちは教員専用のトイレを使っていました。
どこの学校にもある七不思議のひとつでしょうけど、
悪ふざけに遭ったのか、
不思議体験をしたのか今でもわかりません。