コレステロール [2008年12月16日(火)]
こんにちは!

この秋に健康診断を受けられ、
コレステロール値が気になっている方、実際に指摘された方もいらっしゃるかと思います。

コレステロール」というと、「体によくないもの」「できるだけ少ないほうがいい」といったように、
ひとくくりにした超悪役のイメージを持っている人が少なくないかもしれません。
しかし実は、コレステロールには体内で代謝の違う、
「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」と呼ばれる対照的な2つのタイプがあるのです。
前者はHDLコレステロール、後者はLDLコレステロールです。

「HDL」とは「高比重リポたんぱく」、「LDL」とは「低比重リポたんぱく」の略称です。
コレステロールは脂肪ですから、水と油が混じり合うことはないように、
そのままの形では血液と混じり合いません。
コレステロールが血流に乗って体の末端組織にまで移動できるのは、
たんぱく質やリン脂質に包まれた球状のリポたんぱくという物質に変換されるからです。

リポたんぱくは、その大きさや比重によって4種類に分けられます。
そのうち、小型で比重が高いのがHDL、同じく小型でやや比重が低いのがLDLです。

コレステロールの摂取量が多くて血液中でだぶついた状態が続くと、
LDLコレステロールは動脈内にたまり、それが続くとやがては動脈硬化をもたらし、
心筋梗塞や脳卒中をおこす危険性が高まります。
一方、HDLコレステロールは、血液中にだぶついているコレステロールを回収したもので、
肝臓に運ばれ、動脈硬化を防ぎます。

このことから多すぎて悪さをするLDLコレステロールは「悪玉」、
逆に血管にとって良い作用をするHDLコレステロールは「善玉」というわけです。
HDLコレステロールが少ないと動脈硬化の危険が高まるので、
これをいかに増やすかということは、生活習慣病を予防するうえで大変重要なテーマになります。

では一体、HDLコレステロールは血液中にどれくらいあればいいのでしょうか。
日本動脈硬化学会が2007年4月に改定した診断基準では、
血液1dl中に40mg未満は「脂質異常症」と診断され、
メタボリックシンドロームの危険因子の一つとされます。
ここで「脂質異常症」という表現を初めて目にする人もいるかもしれませんが、
以前は「高脂血症」と表現していました。
しかしこれだと、HDLコレステロールが少なすぎる場合は表現として適さないということから、
この年の改定で改められたものです。

さて、本題のHDLコレステロールを増やすにはどうしたらいいかというと、
やはり食生活の見直しと定期的な運動習慣です。
食生活では肥満を防ぐために食べすぎを抑えなければなりません。
肥満や中性脂肪の増加はHDLコレステロール値を低くし、
逆に中性脂肪が減るとHDLコレステロール値が高くなるというシーソー的な現象がみられます。
そこで、食べすぎを防ぐためには、以下のような食べ方の見直しが有効です。

1日3食規則的に/野菜など食物繊維の多いメニューを先に/よくかむ/小さな食器で食べる/
腹八分目に抑える/早食い・ながら食い・まとめ食いはやめる/就寝2時間前は食べない

 「これを食べるとHDLコレステロールが増える」、という便利な食品はありませんが、
血液中のLDLコレステロールと中性脂肪だけを減らすことで、
結果的にHDLコレステロールの比率を高め脂質のバランスを改善することは可能です。
 
例えば、豆腐、納豆、ゆば、きな粉などに豊富な大豆たんぱくは、
食事でとったコレステロールの吸収を抑える働きがあり、
その結果、血液中のLDLコレステロールの値を下げる効果が期待できます。
オリーブ油に豊富なオレイン酸はLDLコレステロールを、あじ、いわし、さんまなど
青背の魚に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの脂肪酸は
中性脂肪を、HDLコレステロールを下げずに減らす働きがあります。

参考にしてみてください。



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