こんにちは!
ビールの美味しい季節です。
でも、「ビールはプリン体が多いから」と痛風予備軍の方は敬遠しているかもしれません。
しかし、プリン体は体内で生産されるほうが圧倒的に多いので、
食事制限だけでは痛風予防は不十分なのです。
痛風は、体内に尿酸が蓄積することで、引き起こされます。
血清尿酸値7.0mg/dl以上を「高尿酸値症」とし、この状態が数年続くと痛風の発作が起こります。
判断基準となる血清尿酸値は、「
メタボ健診」の検査項目にもなっています。
【年々増加する高尿酸値症患者】
痛風患者は増加傾向にあり、現在約90万人ともいわれ、
痛風発症リスクが高い高尿酸値症(血清尿酸値7.0mg/dl以上)は、成人男性の4人に1人とも。
高尿酸値症は、痛風だけでなく腎不全や尿路結石、動脈硬化、心筋梗塞、
耐糖能異常、高血圧などの疾病リスクも高めます。
加えて2007年にはアメリカで行われた調査によって、
尿酸値が高いほど
メタボリックシンドロームの発症リスクが高まることもわかっています。
【
アンセリン摂取で尿酸値が下がる?】
そんな痛風患者・高尿酸値症の方に明るいニュースがあります。
マグロ・カツオ由来の
アンセリン(動物の筋肉中に含まれている2種類の
アミノ酸が結合した物質)が
尿酸値を低下させるという結果が得られました。
実験は尿酸値が高め(6.5~8.0mg/dl)の成人男性31人を
アンセリン50mg/日摂取群とプラセボ群に分けて、それぞれを4週間摂取してもらいました。
アンセリン摂取群は、摂取前の尿酸値平均は7.19mg/dlだったのですが、
2週間後に6.97mg/dlに、4週間後には6.84mg/dlまで低下。
さらに摂取終了から2週間後にも降下が認められました。
また、高尿酸値症のラットに、
アンセリンと尿酸値降下薬アロプリノールをそれぞれ与え、
7日後の血中尿酸値を測定したところ、
アンセリンを投与したラットでは
高尿酸値症の基準値9.0μmol/dl(約1.5mg/dl)付近の9.9μmol/dl(約1.7mg/dl)まで
尿酸値が下げったとのことです。
しかもその作用は、薬剤よりも緩やかだったとのことです。
【
アンセリンは尿酸の生産抑制、排出を促進】
ラットを用いた実験の中で尿酸の代謝に関係する遺伝子の解析を行ったところ、
尿酸の産生を抑制する「HPRT」と、尿酸の排出を促進する「LDH」という、
二つの酵素の発現量が増えていることが示唆されています。
つまり、
アンセリンは、
「尿酸の作りすぎを抑え」「過剰な尿酸の体外への排出を促進」していたのです。
その結果、尿酸値を下げる働きをするということがわかりました。
研究が進めば、尿酸値を下げる
サプリメントとして痛風予防の救世主となるかもしれません。