年末年始の休暇前から読み始めた白い巨塔。単
行本5冊を読み切った。山崎豊子さんの小説は
主人公の生きざまがガンガン胸に迫って来るド
迫力の内容。不毛地帯、沈まぬ太陽など大好き
だ。
白い巨塔はTVでも何度かドラマ化されているこ
とより内容には馴染みがあった。一度途中まで
読み進めた記憶はあったものの、あいまい。結
局最初から読むことに。
主人公財前は病院の政治にまみれ、腕は一流で
あるものの医者としての使命感にぶれが生じる。
最後は自身が専門でもある胃がんの発見の遅れ
で死を迎えるが、その最後の描写がすさまじか
った。財前の人間としての弱さと孤独感がむき
出しになり、医師として痛みを耐える姿は壮絶、
まるで自分がすくそばでその様子を見ているよ
うな気分になった。
去年私は同年代の友人を2人癌で亡くした。麻
央さんがそうであったように死の直前は苦しん
だはずだ。日本人の半数近くが癌になる可能性
のある時代。生活習慣は気を付けるものの、病
気の予防が100%できるわけではない。くれ
ぐれも財前のような死に方はしたくないと思っ
た。 |