最近、自分がこれまで生きてきた人生を振り返ることが多くなった。
生まれてから大学生までの昭和の時代。
子供の頃は、お金もモノも乏しかったが、家族や親戚、地域の人たち、学校の友達など、周りに大勢の人たちがいた。
時代そのものにも活気があった。自分自身も、その時々で思春期や青年期特有の悩みはいくつもあったが、いろいろ将来への希望に満ち溢れて、楽しかった。
社会人になってからの平成、令和の時代。
モノは豊かになり、何かと便利な時代になったが、それとは裏腹に人間同士のつながりが薄くなっていった。昔はたくさんいた人間臭い人がすっかりいなくなってしまった。
会社が中心の生活となったが、バブルの後からは次第に細かいことまでぎりぎり言われるようになり、お金にも人間関係にも、ゆとりというものがなくなってしまった。それに加え様々な不公平なこともあり、入社当時はここでがんばって活躍しようと思っていたが、とうに失望した。
もう長らく割り切って、子供を養い自分が食べていく収入を得るためだけに、仕方なく自分の時間を会社に切り売りしている。
いろいろ振り返ると、総じて、自分の希望が叶わなかったり裏切られたりしたことが多く、遂げられた希望は少ない。その時々で思い通りにならず落胆し、くやしさを抱えたまま生きてきたが、最近はそれすらもうどうでもよくなってきた。
この先定年を迎え、いくばくかの退職金をもらい、わずかばかりの年金をもらうまで再雇用で働き、ケチケチと倹約しつつ、妻にガミガミ言われながら余生を送って死を待つことになるのだろうが、何だかとても空しい気もする。
どうして、何のために、いろいろ嫌なことや思い通りにならないことを経験しながら、生きなければならないのだろう。 |