2017年04月  >
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
 にほんブログ村
 人気ブログランキング

Comments
     
http://www.dhcblog.com/tassok/index1_0.rdf

毎日一品江戸料理 日用惣菜取合倹約一覧 [2016年09月09日(金)]

朝食:奴豆腐(花かつを・ブロッコリもやし・摺り生姜)、十六辛子マヨネーズ、高粱飯、味噌汁(滑子)、香、梅干、湯冷
昼食:スパゲッティ・ナポリタン、サラダ、赤ワイン、酎ハイ
夕食:さきいか、食パン(マーマイト・アホエン)、酎ハイ、赤ワイン
間食:ルマンド、バームロール、チョコリエール、甘酒、冷茶、紅茶(牛乳)

s...

「日用惣菜取合倹約一覧

おかず番附の「日々徳用倹約料理角力取組」(にちにちとくようけんやくりょうりすもうとりくみ)と同じ頃に出たと思われる「日用惣菜取合倹約一覧」の翻刻です。

中央の柱の部分が、冊子のノドにあたるため判読不能でしたが、原本にあたっての翻刻です。

これによって、守貞漫稿の時代の天ぷらや揚げものの素材を確かめることができました。

料理方 [2012年11月13日(火)]

朝食:鯛のスープのオムレット、小松菜バタ炒め、トースト(バタ)、紅茶(牛乳)
昼食:酸辣湯麺、炒飯、杏仁豆腐 〔美土代町:大連飯店〕
夕食:食パン 1/8(バタ)、酎ハイ、白葡萄酒
間食:牛乳、紅茶、酎ハイ






おかずの番附と同じ『江戸じまん』所収の「魚鳥角力競」と頭書のある見立番附。
「為御菜」の箇所は「料理方」となっています。
「日々徳用倹約料理角力取組」が、日用のおかずならば、こちらはいわば御馳走、あるいは料理屋料理の番附です。

東西の大関が、鯛と鯉の生作り。
関脇以下、興味が尽きないので、現在ヒマにまかせて読んでいるところです。
気が向いたら、おかずの番附同様翻刻しようと思っております。

為御菜 [2012年08月02日(木)]

朝食:トマト、オムレット・ナチュール、トースト(バタ)、牛乳、紅茶(牛乳)
昼食:フィッシュ・アンド・ポテト、キューカンバー・マヨネーズ(マヨ・キュウ)、ビール
夕食:マヨネーズド・トースト、ウィスキー・アンド・ソーダ、酎ハイ
間食:サワー


向暁立秋前だというのに、虫が鳴いていた。



閑話休題。「吉田屋版」の番附と「川柳点版」の傍題とアミかけ部分を除いて、字形がまったく同じである。
同じ版木を流用した可能性が大きい。
新たに刻した部分(アミかけ部)は、あきらかに筆致が異なっている。
なにか憚るようなことがあったのだろうか。

思い当たるのが、この数年後にはじまった天保の改革である。
この改革によって、出版界も粛正の嵐に巻き込まれた。
ほとんどいいがかりともいえる理由で、かなりのものが処分されている。
それで板元を匿名にした。

「臺所をつめれバ見世が廣くなる」
という句は、明治のおかず番附にも幾度と出てきます。

……書きかけです。

為御菜 [2012年08月01日(水)]

朝食:木ノ子雑炊(玉蕈・葱・玉子)、かくや古漬、紅茶(牛乳)
昼食:時菜蝦仁、飯、羮(豆腐・蛋)、ビール 〔亀有高架下:上海厨房〕
夕食:すっぱム〜チョ、マヨネーズド・トースト、ウィスキー・アンド・ソーダ、酎ハイ
間食:サワー





「日々徳用倹約料理角力取組」(国立国会図書館蔵)


手持ちの「為御菜」6種のヴァリアントを、「1・2・3…」では味気ないし、分りにくいので、板元・収録草紙・その他事項から下記のようにする。
あらためて、推定発行年も記す。

1.江戸自慢版(嘉永・安政頃?)*
2.吉田屋版(天保10年頃〔1839〕)
3.破れつゞら版(太田屋版)(安政7年以降〔1860〜〕)
4.楽草紙版(藤岡堂版)(嘉永5年頃〔1852〕)
5.川柳点版
6.松本屋版

大きく別けられるのは「吉田屋版」「川柳点版」「江戸自慢版」「松本屋版」の4点と、それ以外の「楽草紙版」「破れつゞら版」の2点。
後者2点の関聯は不明。

「吉田屋版」「川柳点版」「松本屋版」はペラ(1枚)もの。
「江戸自慢版」「楽草紙版」「破れつゞら版」は、それぞれの外題の草紙に収録。


*国会図書館の函書きによる

為御菜 [2012年07月29日(日)]

朝食:奴豆腐青唐がらし〈精・夏・36〉、水飯、香、紅茶(牛乳)
昼食:シーフードカレー、飯、野菜スープ、サラダ、冷チャイ 〔赤坂新町:ゴータマ〕
夕食:するめ、酎ハイ、ウィスキー・アンド・ソーダ
間食:




『守貞漫稿』より岩見銀山の幟、右・番附左下板元

「日用倹約料理仕方角力番附」の板元である「馬喰町三丁目 吉田屋小吉」の名前を意外なところで見つけた。

『守貞漫稿』の岩見銀山の幟に
 「岩見銀山 ねづミとり薬 馬喰町三丁目 吉田屋小吉」
とあるではないか。

吉田屋小吉は、当時かなり有名な板元だったらしく、また一枚刷りの番附も数多く手がけていたそうだ。

「いたずら者は居ないか居ないかな、たずら者は居ないか」

為御菜 [2012年07月13日(金)]

朝食:四川風肉豆腐、冷飯、香、紅茶(牛乳)
昼食:鰯の南蛮漬け、塩焼きそば 〔金町:ときわ食堂〕
夕食:すっぱム〜チョ、ウィスキー・アンド・ソーダ、酎ハイ、生姜湯
間食:酎ハイ

/


5.「日々徳用倹約料理角力取組」(都立中央図書館蔵)


現在流通している、おかず番附(1・5・6)の板元の読みについて。

1、「けんやく下」を「けんやくほ」(本の草仮名)と読み「けんやくほうだい(だい)所町/ね(値)段屋安右衛門」とするのを見受ける。
「ほ(本=Υ )」に見えなくもないが、他の箇所、たとえば〈魚・雑・6〉の「しほかつを」下図・右と較べるとあきらかに字形が違う。
下図・左では「下」と読める。

「けんやくした、だい所町」と読んだほうが自然だし、同じ洒落にしてもこのほうがすっきりするだろう。
左「けんやく」・右「しかつを」

「ね段屋安右衛門」も、字がつぶれて読みづらいが、どう読んだら「ね(値)段屋安右衛門」になるのか理解に苦しむ。
「手」の草体が「年」の草体と似ているからなのかもしれないが、次の字は、どう逆立ちしても「段」とは読めない。
となりの「安」と一致する字形は見あたらないし「右衛門」も、はじめの払いがはねていないから、おそらく「左衛(エ)門」であろう。
「惣右衛門」だろうが「惣左衛門」だろうが、どちらでもいいが、おかずの番附の趣旨からして「値段が安右衛門」よりも「手軽な惣左衛門」のほうがふさわしいように思うのだが、いかがか。

2、6では「安売屋」に見えなくもないが、1・5・6を校合すると「安直屋」と読める。(「売」はくずしてもこのような形にはならない)
また「安直屋」の読みだが、当時の文章には「高直」「直下」「直段」など「直」は「値」として用いており、むしろ「値」がまれなくらいである。
したがって「あんちょくや」ではなく「やすねや」と読むのではあるまいか。

為御菜 [2012年06月25日(月)]

朝食:キューカンバー & エッグ・サンドウィッチ、紅茶(牛乳)
昼食:カレー(チキン・キーマ・ホウレン草と豆・野菜)、スープ(トマト)、ナン、イェローライス、パパド、チキンティッカ、シークカバブ、カチュンバル、チャイ、ウーロン茶、ビール 〔松戸本町:印度亭〕
夕食:パンの耳、酎ハイ、白葡萄酒生姜湯
間食:丸ぼうろ、インスタントコーヒー

/


6.「日用珍宝惣菜儉約一覽」(都立中央図書館蔵)


「為御菜」を冠した番附表が手許に6種類あります。
よくもまあこんなに集めたものだと、われながら感心いたします。

以下、入手順に右上傍題 1・左下板元 2・東方左下 3・その他 4
と、おもな特徴や違いをあげてみましょう。

1.「日々徳用倹約料理角力取組」
板元/けんやく下だい所町 手軽屋惣左エ門/お茶づけ塩町 安直屋徳太郎
年寄/かつほぶし・しほから・なめもの・こましほ
『江戸自慢』

2.「日用倹約料理仕方角力番附」
板元/臺處倹約方 立會/馬喰町三丁目 吉田屋小吉
此外年中安上り惣菜追々出版 (天保10年頃)

3.「日用惣ざい手がるニおごらざるものを上とす手元に託ち有ときハおもひつきの調法なるべし*」
千差萬別勝手元次第大叶 板元/臺所屋惣左エ門
此外年中安あがり惣ざい御座候/堂正毎年思月吉日
『破れつゞら』(安政7年頃)**

4.「日用惣ざい手軽におごらざるものを上とす毎日おもひつき調法なるべし」
千差萬別勝手元次第大叶 板元/臺所屋惣左エ門
此外年中安上り惣ざい御座候/堂正毎年思月吉日 小蝶筆 通油町藤岡堂板(嘉永5年頃)
『楽草紙』(三亭春馬の序アリ)

5.「日々徳用倹約料理角力取組」
板元/けんやく下だい所町 手軽屋惣左エ門/お茶づけ塩町 安直屋徳太郎
年寄/かつをぶし・しほから・なめもの・ごましほ
「川柳点の教句に 臺所をつめれバ見世が廣くなる」(左肩)

6.「日々徳用倹約料理角力取組」(上図)
板元/けんやく下だい所町 手軽屋惣左エ門/お茶づけ塩町 安直屋徳太郎
年寄/かつほぶし・しほから・なめもの・ごましほ
日用珍宝/惣菜儉約一覽/三十間堀壹丁目/松本屋彦四郎(右題簽)


*「託ち有」の箇所の読みに自信がないが、假にこう読む。
**安政7年3月18日、万延に改元。正月発行が通例なので、安政7年とする。

為御菜 [2012年06月15日(金)]

朝食:新茄和〈精・夏・31〉、木ノ子粥(エリンギ・葱・玉子)、香、紅茶(牛乳)
昼食:広小路御膳(刺身〔鮪・大葉〕、焼物〔鯖塩焼・薑・伽羅蕗〕、揚物〔海老・茄子・南京・獅子唐〕、煮物〔蓮根・椎茸・人参・蕗・蒟蒻〕、玉子焼)、飯、清汁(とろろ昆布)、香、海胆海月、酒 〔上野松坂屋:お好み食堂〕
夕食:すっぱム〜チョ、酎ハイ、白葡萄酒、生姜湯
間食:焙じ茶




番附の中央部に「為御菜」と標榜したものが、6種類集まりました。
ただ今整理しているところです。

明日は朝が早いので、おいおい御案内したいと思います。

毎日一品江戸料理 日用惣菜取合 [2012年06月11日(月)]

朝食:スクランブルド・エッグ、イングリッシュ・マフィン、アップル・ジュース、紅茶(牛乳)
昼食:串カツ、パンの耳、ビール
夕食:奴豆腐青唐がらし〈精・夏・36〉、パンの耳、酎ハイ、白葡萄酒、生姜湯
間食:むすび、焙じ茶




「日用惣菜取合倹約一覧」(国立国会図書館蔵)

「日々徳用倹約料理角力取組」(にちにちとくようけんやくりょうりすもうとりくみ)と同じ頃に出たと思われる「日用惣菜取合倹約一覧」です。

地位の序列がないので、正確には番附表とはいえませんが、これからもこの手のものは、便宜上番附と呼ぶことにいたします。

番附の中央部の「蒙御免」にあたるとことろは「家内安全/火之用心」。
続く「行司・世話役・勧進元」の箇所は「天麩羅・精進揚・香物」となっています。

東西を各11*項目に分け、それに取り合せる素材あるいは調理をあげています。
たとえば茄子ならば「いんげん・なまり・あじ・あぶらげ・しゐたけ・めうが・さといも・ふちまめ」といった具合です。

ついでですから、各項目だけでも御紹介いたしましょう。
向って右が東、左が西にあたります。

 「大根」「焼豆腐」「油揚」「蓮根」
  「茄子」「三杯酢」「胡麻びたし**」「奴田」
  「餡掛」「味噌漬」「卯之花」
 西「昆布」「豆腐」「独活」「小松菜」
  「冬瓜」「鹿尾藻」「切干」「竹の子」
  「牛房」「芋類」「葱」

先の「日々徳用倹約料理角力取組」(にちにちとくようけんやくりょうりすもうとりくみ)などと合せて見ていると、この時代の料理本には載っていない、市井の日乘料理がほの見えてくるように思えます。
続きを読む...

為御菜 [2012年06月05日(火)]

朝食:干貝柱雑炊(玉子・葱)、かくや古漬、紅茶(牛乳)
昼食:ソース焼きそば、ビール〔金町:ときわ食堂〕
夕食:イングリッシュ・マフィン、白葡萄酒、酎ハイ、生姜湯
間食:源氏パイ、酢いか、焙じ茶



先日、都立中央図書館で得た資料から。
(都立中央図書館蔵)

番附表の中央部に「為御菜」と標榜するおかず番附の1つです。
右肩傍題部に「日用惣ざい手軽におごらざるものを上とす毎日おもひつき調法なるべし」と記してあります。
左下に「小蝶筆 通油町藤岡堂板」とあるので、どうやら藤岡屋(書肆松林堂・藤岡屋慶次郎)がかかわっていたようです。
この番附表は、嘉永5年(1852)と刊行年が分りますので、この1枚からその後の「為御菜」を冠した番附表の製作の流れが見えてくるようです。

この他に、もう1枚「為御菜」と標した番附があります。
異同その他、整理次第御紹介してまいりたいと思います。

為御菜 [2011年11月27日(日)]

朝食:豚己湯(豚己、大根、椎茸、葱)、高粱飯、辣菜、、白湯紅茶(牛乳)
昼食:宮保鶏丁、飯、羮(若布)、咸菜、杏仁豆腐 〔赤坂新町2丁目:三彩居〕
夕食:バゲット、チェダー・チーズ、赤葡萄酒、酎ハイ、白湯
間食:豆乳、白湯





「為御菜」とあるおかずの番附は、私が知っている範囲で4種類あります。
これはそのうちのひとつで、傍題に
「日用惣ざい手がる(?)おごらざるものを上とす手元につ□て□ときハおもひつきの調法なるべし」とあります。(□は判読不可能)
刊行年は不明ですが、おそらく文久から慶応の頃と思われます。

精進方の「ミつばはりはり」〈精・春・16〉が「のりやきしたじ」に、魚類方の「さばミそづけ」〈魚・春・12〉が「さばみそ煮」となるなど、若干の異同があります。
今、その校合をしているところですので、おって御案内できればと思っています。

日々徳用倹約料理角力取組 [2011年06月27日(月)]

朝食:オムレット・ジャポネーズ、茹でジャガカレー、人参ピリ煮、隠元バター炒め、バゲット、ミルク・ティー
昼食:目刺鰯(大根卸)〈魚・雑・大〉、五分漬けはりはり〈精・春・18〉、玉子朧、麦飯、味噌汁(大根)、焼海苔、香、梅干、白湯
夕食:バゲット、ビール、白葡萄酒
間食:


 
 

くどいようですが、「日々徳用倹約料理角力取組」は、「にちにちとくようけんやくりょうりすもうとりくみ」と読みます。

孫引き曾孫引きを平気な顔をして並べ立てるだけで、いっぱしの江戸料理研究家の顔をしているのだから暢気なものだ。
いや、はたして本当に読んでいるのか、それすら如何しいものである。

学問研究に限らず、文筆を生業とするからにはどんな小さなことを記すにせよ、原典にあたるということが大切なのは申すまでもあるまい。

この「日々徳用」にしても、高校卒業程度の学力で、漱石や鴎外を読んでいれば分けもなく読めるしろものである。

御参考までに下におかず番附の傍題部分の拡大図を揚げる。


字がつぶれて読みにくいが、「日々」に「にち/\」と仮名がふってあるのが分る

山田憲太郎氏は『香談・西と東』のあとがきで次のように述べている。
「歴史上の事実については十二分の確信を持っている。いちいち原拠をあげるような野暮なことはしないが、お尋ねを受ければいつでもお答えできる。直接原典と原資料にもとづいているから。」

私は作家でも研究者でもないが、こういった姿勢を肝に銘じているのである。

為御菜 [2011年02月21日(月)]

朝食:菠薐草浸し〈精・春・14〉、芋がら油揚げ〈精・雑・5〉、糅飯、味噌汁(豆腐)、海苔、香、梅干、白湯、ミルクティー
昼食:牡蠣粥(牡蠣、芹、揉み海苔)、香
夕食:バゲット、チェダーチーズ、ビール、赤葡萄酒
間食:


 

  揉み海苔は碗に盛ってからかける

日頃食しているものが「為御菜」にけっこう載っているので、これからは番付を併記してみようと思う。
その場合、お菜の名前は番付に従うが、表記は恣意に変える。

今朝の「菠薐草浸し〈精・春・14〉」は、「ほうれんそうひたし 精進方・春・前頭14枚目」、「芋がら油揚げ〈精・雑・5〉」は、「いもがらあぶらげ 精進方・雑・前頭5枚目」のこと。
「煮豆」は、豆の種類までは記していないので、「座禅豆」と「味噌豆」以外はすべてここに入れることにする。

と、ここまで書いて、番付に「味噌豆」が載っていないことに気がついた。

為御菜 [2011年02月13日(日)]

朝食:菠薐草翡翠、牛蒡と蒟蒻のピリ辣煮、糧飯、巻繊汁(人参、牛蒡、大根、蒟蒻、豆腐、油揚げ、葱)、香、ミルクティー
昼食:豚の唐揚げと野菜の辣味炒め、飯、羮(海帯)、咸菜、杏仁豆腐 〔赤坂新町2丁目:三彩居赤坂見附店〕
夕食:バゲット、ビール、紹興酒
間食:



「為御菜 日々徳用倹約料理角力取組」(国立国会図書館蔵)より

今日の絵は、先日御紹介した幕末のおかず番付のオリジナルです。
俗に変体仮名といわれる草仮名の連綿体で書いてあるので、今の私たちには読みづらいことこのうえない。

「為御菜」は「おさいのため」と読みます。
お察しのとおり、相撲番付の「蒙御免」のパロディーで、たいした意味はありません。

この「為御菜」あるいは「倹約料理角」を冠する見立て番付にはいくつかのヴァリアント(エディシオンではなく)があって、これはそのうちのひとつ。
この他にも「料理方 魚鳥相撲競」といった番付もあり、こちらは御馳走に近いかしら。

いずれも、国会図書館へ行けば誰でも見ることができるので(マイクロ・フィルムだが)興味のあるかたはどうぞ。

雪の降る日は落語三昧 [2011年02月11日(金)]

朝食:葱鮪鍋(鮪のアラ、葱、芹、若布、胡椒)、ビール、ミルクティー
昼食:葱鮪の煮奴(豆腐、葱、芹)、焼餅、ビール
夕食:バゲット、ビール、赤葡萄酒
間食:

/

「日々徳用倹約料理角力取組」

晩に降った雨が、今朝から雪に変った。
金はない、仕事はない、さしたる用はない。したがって行くところもない。
こんな日は、家で鍋でも食いながら落語を聴いているに限る。
無い無いづくしの生活だが、幸い落語のレコードには困らない。

閑話休題。今日は、これまでに何度かふれた「日々徳用倹約料理角力取組」と題する、江戸時代の惣菜の番付を御紹介しよう。
最近では「為御菜」のほうで通っているようだ。

上の絵は、国立国会図書館が所蔵している原本から、私が読みやすいように翻刻したものである。

洋の東西を問わず、人間は日常のありきたりのことは記さないから、私たちの先祖が、ふだんどんなものを食べていたか、なかなか分らないものである。
そういった意味で、この番付は貴重なものだ。

「精進方」と「魚類方」、「雑・春・夏・秋・冬」それぞれ合わせて190種類。
なぜこの序列なのか分らなし、名前だけで調理法が記してないから、どんな料理なのか皆目見当もつかないものある。
それだけに、かえって想像をかきたてられて楽しむことができるというものだ。