部屋の暦にピンクのハートマークをつけてた日がやってまいりましたよ〜
今宵は、夜会
そういえば、初めて観た夜会はVOL.9、『2/2』の再演だったんだよね・・・
初演も『問う女』も、行きたいと頼めばチケット代も交通費も出してもらえただろうと思うけど (私がおねだりをすることは滅多になかったから)、 それを敢えてしなかった。
「大人のための宴」 という、みゆきさんの言葉が妙に引っかかって。
親にお金を出してもらわなきゃ動けないような子供がのこのこ出かけていくのは、場違いなような、失礼なような、何となくそんな気がして。
今となれば、おねだりして生で観ておけばよかったかなと、DVD観るたびに思ったりするけどさ(笑)
だからその年、『2/2』 の再演を観に行くために生まれて初めてアルバイトをした。
家の近所の、大きい市場と隣接する工場で、機内食のサラダ用の野菜を検品して外葉をむいてカットする部署に入ったので、来る日も来る日も大量のレタスばっかり相手にしてた。
食べ物に携わっているから全員が白衣に
マスクに帽子という個体識別のしにくい恰好で、しかも一言も口をきかない流れ作業(笑)
18歳、まだ他人との関係がうまく結べなかった時期だったので、愛想のいい笑顔もお喋りも一切必要とされないその仕事はなかなかありがたかった。
同時期に自動車教習所通いをしていて忙しかったこともあり、チケット代と交通費だけきっちり稼いで辞めちゃったけど
初めての夜会は、シアターコクーンの中2階(上手側)のバルコニー席だった。
“あやまちばかりくり返す人生でも
くやみ続けて終わるなんて悲しすぎるわ
過去のすべてが私の邪魔をしても
あなたとならば 明日がある気がしてくるの”
―――『NEVER CRY OVER SPILT MILK』
何があっても生きてゆけば、まっとうに歩いてゆけば、いつかそんな「あなた」に出逢うことができるだろうか・・・私でも?
みゆきさんの歌声を心いっぱいに満たしながら、母の期待の結晶ともいうべき大学を辞める決意を固めた。
大学卒業ではなく中退という最終学歴は、大人になってからの転職にも、少なからず影を落とすことになっていると実感している。
それでも、一度も後悔はしていない。
生まれて初めて、自分の意思で決めたことだったから・・・せつないだけの後悔を終わりにするために決めたことだったから、だ。
もしも今、時間を巻き戻して選択し直すことができたとしても、迷いなく同じ道を選んでしまうだろう。
中途半端に幼くてアンバランスな選択だとしても、もう自分自身を敵に回さないためにはそうするしかなかった。
14年も経ったんだね・・・あれから。
ねぇ、みゆきさん。
あの頃からは想像もつかないほど、私は果報者になっているよ。
圭のような伴侶はまだいないけど、さ(笑)
今日は天気もよさそうだし、着物着ていこうかな〜
待ちわびた、宴の宵へ。
“一生一度の一日を 総て良き日であるように”
(―――『暦売りの歌』)