年明けからどうも仕事がヒマすぎて (私以外の社員さんたちは忙しいから、バランス悪いというか申し訳ないというかね
) カラダもアタマも鈍っちゃいそうなので、昨日はちょっとカラダを動かしに、フィジカル・シアターなるワークショップに参加してきた。
場所は、一昨年の12月に夜ごと通いつめた、なつかしの(笑)シアタートラム
トラムの真上にある稽古場の1つだから、もしかしたらあの 『GODSPELL』 のキャストの皆さんもこの場所で、歌ったり踊ったり走ったりしてたのかも!?
「感じるままに動く」 とか 「思ったことを言う」 という至極シンプルなことが私にはなかなかできない。
でも、ひとから見えるキャラクターってものがあるから、さ。
私のことを、いつでもどこでも自信にあふれて、自分の意思をしっかり確立しながら望むことを望むとおりに叶えている、強くてラッキーなオンナ、と思っている友人知人も結構多いのかもしれないけど。
私自身、そういうキャラって嫌いじゃないから、あわよくばそのイメージを崩さないで自分自身さえも騙し通そうとしちゃってた部分もあるけど。
そろそろ、化けの皮が剥がれる時が来たらしい。
ようやく、来てくれたらしい
自分の心と体がどうも素直に繋がっていないようだと自覚せざるをえなくなったのは「声」がきっかけではあったけれど、それだけですむ話じゃないし、いったん興味を持ち始めると、声だの顔だの心や体の感覚だのっていうのは際限なく面白くてね。
昨日の講師は、女優&演出家の木村早智さん。
小柄で華奢で、ふんわりと可愛いたたずまいながら、身のこなしが鮮やかで、しなやかで、魅力的な笑顔のひとだった
参加者は男性2人、女性13人、小学2〜3年くらいの女の子1人、ということでまずは自己紹介
呼ばれたい名前(本名でなくても構わない)の前に、自分を表現する一言をプラスして、
「おしゃべりなヤマダです」
「泣き虫ナッちゃんです」
「詰めの甘いゴローです」
「ひねくれアキコです」
といった感じで一巡すると、続いて 「10秒間にできるだけたくさんのひとと握手をする」 とか 「ボールの代わりにクラップ(拍手)をパスし合う」 というユニークなウォーミングアップをしてから、次は・・・・・・鬼ごっこ!
大のオトナがみんなケラケラ笑いながらも真剣そのもの、稽古場の中をみんな裸足で所狭しと走り回ってタッチし合い、うん、私は思ったより身軽で足が速いな、とちょっと安心したり
(笑)
まだ三十路も前半、そうそう鈍っててたまるかいっ
続いて、いろいろな歩き方をしながら、身体感覚や気持ちがどう変わるかを感じてみる、というワーク。
つま先で歩く、かかとで歩く、足の外側に重心をおいてO脚のように歩く、逆に内側に重心をおいて歩く、指をできるだけ(もちろん無理のない範囲で)丸めて足の裏で地面をつかもうとするように歩く、という5種類。
歩きながら、心に浮かんだ言葉があれば声に出してみたり、そのキャラクターのままで、目が合ったひとと言葉を交わしてみたりする。
「つま先で歩く」 を終えて、どういう気分になったかを全員が言い合うと、これが見事にてんでばらばらで面白い。
私は女優かモデルにでもなったような(ハイヒールで歩くイメージだね)感じの、とても優雅に満ち足りた気持ちになり、こぼれる言葉も 「いいねぇ」 「綺麗ね」 「素敵だねぇ」 とあたたかな余裕に満ちていたんだけども。
ほかの皆さんはというと、ものすごくバランスが取りにくくて、おっとっと、おっとっと・・・ と呟きっぱなしだったとか、やたら焦った気持ちになって、大変だ、忙しい、早く早く・・・ と口走ったひともいた。
はたまた、とても汚いところを歩いている気分になったらしく、顔をしかめながら、あ〜、もう〜、汚い〜、やだなぁ〜、とぶつぶつぶつぶつ言い続けたひともいたり。(笑)
続けて、かかとで歩く
これは、私は気持ち云々よりもまず物理的に痛かったので、イタタ、アイタタタ・・・と小声で言いながらおぼつかない足取りになったが、ほかのひとの感覚を聞くと、ペンギンになった気分で楽しかったとか、踊っているみたいにリズミカルに歩けたひともいたようで、これまたバラバラ。
足の外側や内側に重心をおくのは、いずれもひどく歩きにくい(笑)
でも、普通に歩きやすかったというひともいたし、歩き始めの赤ちゃんになったような気持ちで「おかあさ〜ん」と無邪気な声を上げたひともあり、なぜだか笑いが止まらなかったとか、焦って探し物をしている気分になったとか、とても自信がなくておどおどしたような気分になった(これは私)とか、まぁー、十人十色とはよく言ったもので
足の指を丸め込んで歩いた時の「体感」はなかなか面白かった。
自分の手足も見えないほど真っ暗闇の場所を歩いていると、何だか正体不明の違和感がある。
自分が人間の姿ではなくなってしまった気がする。
私は、誰だ?
『美女と野獣』のビーストのように、指が消えた毛むくじゃらの手足に鋭い爪が生えていたりしないか?
もう少し行けば、ここよりは明るい場所に出るはずだ。
その明かりで自分の姿を見てみれば、わかるはずだ。
早く、早く、もう少し先まで。
もう少し明るいところまで。
もう少し、もう少し、とつぶやきながら歩き回る私は、ほかの参加者から 「こんにちは、どこへ行くんですか」 と声をかけられた時、それこそ怯んだ獣のように本気で飛びのいて口ごもったらしい・・・ そういうふうにふるまった自覚はなかったけれど
体って・・・
体の動きを単純に変えるだけのことで、気持ちってこんなにも連動するもんなの?
オモチャのロボットみたいだよね。
赤いスイッチを押したら頭のてっぺんが光り、青いスイッチを押したらワハハハと笑い出し、手を触ったら「ヤァ、コンニチハ」と喋る・・・とかそういうオモチャって珍しくないと思うけど、まさにそんな感じ。
面白いといえば面白いけど、怖いといえば怖いかも。
体と心をつなぐスイッチを、オフにしたまま忘れ去るのではなく、オンのまま暴走させてほったらかすのでもなく、ある程度の幅をもってコントロールすること。
それができたら、生きることはたぶん、もっと楽しい
今日のこれは、ブログというより私の覚え書きです。
眠くなってきたので、後半の話はまた明日にでも