男性向けのアンチエイジングブログです。
10年間実践してきた抗老化対策をぼちぼち書いていきたいと思います。

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幸せな景色をつくるもの 後編 [2007年11月18日(日)]
「あなたはマシンガンのようにしゃべる」。
 それが彼女の感想だった。たしかに僕はしゃべった。
 ホステスという生き方は、失うもののほうが大きいように思えた。男が性的魅力を湛えた女性を前にして、自分の都合のため以外に使う言葉もあることを、彼女に知ってほしかった。僕にはそれが彼女に必要なことに思えたし、その気持ち以外ではもてなさなかった。貯金を使えばそれなりの見栄くらいははれたけれど、わざとそうした。
 彼女は銀座のホステスなのだから、彼女自身に食べたいものを自由に選べるお金はあっただろう。客にもてなされて、プレゼントされたり 食事をしたりもしていただろう。僕の部屋にいただきものらしいブランド品が、箱に入ったまま放ってあるのも度々だった。けれど、きっと彼女は幸せではなかった。彼女の耳に入るのは自慢話やパンツを脱がす算段ばかりで、気持ちのこもった会話はなかったのだろう。だから、なにもない僕のところに来て、羽根を休めて、またどこかに飛んでいくのだった。 

 明日の夢と自由があれば、他になにもいらない青い男。
 追えば哀しいとわかっていながら、享楽的な人生をやめられない女。
 お金にしても、理想にしても、向かうべきプライオリティーを決めることは、覚悟のいることだった。いまにして思えば、危ういふたりが、まるで種類の違う見栄と虚栄心の傷口をみせあっていた。
 
「ぞぞ。ぞぞー」
 彼女がたべるお茶漬けの音。望みさえすれば、コンビニにいって1万円の買い物ができる彼女は、お茶漬けを食べる姿に哀しさが滲む人だった。けれど、僕が足りないものを補って、幸せにしてやるとは思えなかった。消費がなければ幸せが証明できない人。それでは行き詰まることが明らかだから。
 
 満ち足りない空間に、天から降りてくる蜘蛛の糸。引き上げられる先は享楽的な人生か、幸福の探究か。
 幸せじゃない人は、お茶漬けを哀しくさせる。
 その夜、僕は中空に浮いたようなぼんやりした感覚の中でそう思った。

 どこか寂しい人は、過剰な洋服や豪華なクルマや整った空間といった、消費社会が作った優雅の中に身を置かなければ幸せにみえない。
 目の前の出来事を楽しくするか、切なくするかは、その人の魅力そのものだ。言い換えるなら、その人が幸せで、自分が好きであれば、すべての事象を飲み込んでいく。
posted at 14:00 | 別室 | この記事のURL
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コメント
 ちぃさん

>住むところ、食べるものがある、それに健康!これだけで十分かもって。
 
 同感です
 とても裕福に見える人。もし外見でそう見えるなら、それがその人の生き様で、内面そのものだと思います。人間関係は共感することですから「裕福そうに振舞う」ということを回避して付き合うのは難しい。
 2、3日前、88歳の誕生日を迎えたおばあちゃんが、倹約を重ねて作った10億円を寄付したニュースが流れました。タクシーにも乗らず、外食すら一度もしたことがないそうです。彼女はきっと、外見からは億万長者の裕福さには見えなかったでしょう。それが生き様というもので、おばあちゃんの内面そのものです。
 おばあちゃんの真似はとてもできませんけどね。
Posted by:naokichi → ちぃ  at 2007年11月20日(火) 06:07

周りにとても裕福に見える人がいます。ママ友達にもいます。その人と付き合いだしたときは私は頑張ってしまってました  どう考えても同じにはなれないのにやろうとしたり
でもある人に言われて気が付いたんです。
普通に生活できていることへの感謝の気持ちを忘れてはいけないって
住むところ、食べるものがある、それに健康!これだけで十分かもって。 ありがとうの気持ちを忘れないようにって思います。
ちょっと話がそれててすいません
Posted by:ちぃ  at 2007年11月19日(月) 10:38

ayameさん

いいことを教えてもらいましたね。
オッサンのいいとこはね。
若造より、ほんの少しだけイイことが言えるようになること。
けど、そこを逆手に取ったチョイ悪とかマジ悪もいるから。
そこは気をつけて
Posted by:naokichi → ayame  at 2007年11月19日(月) 07:39

nahnaさん、初めまして。

素敵な五十路になってくださいね。
いまの社会に欠けているもの。
大人の魅力が上がらなければ、若ゾウの横暴は止まらないと思うのです。
Posted by:naokichi → nahna  at 2007年11月19日(月) 07:36

ひろさん

平凡が心地よいのは大事なことだと思います
平凡な日常に退屈を感じ始めるということは、
夫婦や恋人間の愛情が減ったということではないでしょうか。
Posted by:naokichi → ひろ  at 2007年11月19日(月) 07:34

私も言われたことがあります。
「一杯のかけ蕎麦でも美味いと思える、幸せがある」って。

お茶漬けじゃないですけどね。

彼は10コ年上で、仕事も出来て、お金は余るほどあったんだろうと思います。でも、そんな素振りは見せずに、私と対等に向き合ってくれました。


こんなチープな私にかまってくれるなんて・・と思った事もあります。

ホステスの彼女の様に何か満たされていなくて、人恋しかったんですかね・・・。なんだかリンクしちゃいました。
Posted by:ayame  at 2007年11月18日(日) 18:47

こんにちは!はじめまして(^-^)

シャイなお友達から勧めていただいて伺いました。

うんうん!と頷く私は四十路をあと2ヶ月で卒業します。

携帯から拝読しましたので文字面だけしか見られないのですが、ナオキチさんのような四十路男性が増えると本気で街並みが変わると思えました。

私も素敵な五十路になると街並みが変わるかな?

Posted by:nahna(ナーナ)  at 2007年11月18日(日) 16:50

こんにちは。
「幸せ」って、なるものではなく「気付く」ものなんだよ
と教えていただいた事があります。
気付いてしまえば、もうすでに自分は幸せって事なんでしょうね
私は平凡な主婦で好きなだけ お小遣いが使える立場でも
ないですが、私のこの暮らしも結構幸せなんだなって最近
思います
Posted by:ひろ  at 2007年11月18日(日) 16:33

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