日々悪戦苦闘する芸術家の浮き沈みを薀蓄で飾ってもっともらしくお伝えします.よろしくね。

梅雨時の安らぎ〜クチナシの香り [2010年07月02日(金)]
ジメジメした憂鬱な梅雨真っ盛り といったところですが、
この時期に外を歩いていると、
色とりどりのをあちらこちらで見かけることができます。

その存在感にも負けじと、どこからか強烈な甘い香がしてきます。

そうクチナシです。

紫陽花ほどの派手さはありませんが、
葉に負けないくらい大柄で純白い花を咲かせます。

花は極めて白く美しいのですが、
命が短くすぐ枯れてしまいます。

裏庭や道端に咲きほこるクチナシの花から漂う芳醇な香りは、
夏に向かう期待感や、夏の思い出のような懐かしさがあります。

クチナシの学名はGardenia jasminoides といい、

ジャスミン系の香り で、この上品な芳香は真夜中がいちばん強くなりますが、
これは受粉のために 昆虫を引き寄せるためと考えられています。

このクチナシですが、花は食用になるそうです。

それ以上に利用されるのはです。

花の種類には一重咲き、八重咲きとありますが、
一重咲きがアメリカに渡り改良されて八重咲きになり、
ガーデニアと呼ばれています。

しかし、実になるのは一重咲きだけ です。





この実は下の写真のように熟しても口が開かないことから「口無し」
すなわち「クチナシ」と名付けられたといわれています。



クチナシの果実の乾燥したものを、漢方で山梔子(さんしし)と言い、

有効成分にイリノイド配糖体ゲニポサイドカロチノイド色素クロチン等を含んでいます。

そのため、古くから人との関わりが深く、
消炎利胆止血薬として黄疸、肝炎、血便、血尿、不安、不眠、吐血に用いられていました。

実際の薬理実験では山梔子(サンシシ)を煎じた液は、
胆汁分泌の促進、鎮静、血圧降下作用などが認められています。

また、黄色の色素は、食用の着色料として、栗きんとんや沢庵漬けなどに利用されます。
また、衣服用染料としても使用されていたそうです

こんなに身近な「クチナシ」はこの時期に純白で清楚な花ぶりでありながら、
とても強烈で甘い香りを放ち、心を安らかにしてくれます。

皆さん、街角で見かけたら、ちょっと立ち止まってその香りを楽しんでみてください。
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