父の治療のことで、医師の説明が錯綜していてわけがわからずにいます。
そのことを書こうにも、私自身がまだ理解できないでいたので、なかなか書けませんでした。
先週の金曜日、「検査結果が全部出揃うので、今後の治療について説明します」ということで、私も一緒に病院へ行きました。
ところが先生はこちらが「治療をするかしないかを決めて返事をしにくる日」として覚えていたみたいです(その日先生はすごーく機嫌が悪くて、寝起きみたいだった)。
CTやMRIの写真をたくさん見せて、「ここが癌です。なんか癌は一個だけみたいです。下にもあるかもしれないけど、僕にはちょっとわかりません。1個だったら、手術で取れます。内科的治療よりいいと思います。で、どうしますか?」
私たちはきょとんとしました。
どうしますか?とは?
「切りますか?ということですか?先生が先週おっしゃっていた、抗癌剤の治療ではなく?」
「抗癌剤はあくまで癌の進行を遅らせることしか出来ません。根治術ではありません。治したいのなら切るしかありません。切ったらいいんじゃないですか?」
医師は以前、もう抗癌剤も使えないほど肝臓が弱っているし、癌が肝臓の中に達しているので切れない、と言っていたんです。血が止まり難い体質なので、切ったら大出血になって命を落すかも知れないとも。
「先生、父は血が止まり難い体質だということで、手術をすると出血が多いとうかがったんですが」
「そんなもの、命と比べられるんですか?出血が多くたって処置はしますよ。切らないことのほうが問題だ!それとも切りたくない?治りたくないの?治りたくないというのなら別に僕はいいんですよ。治療しなくていいと言うならそのほうが僕も楽だし。どうしますか?」
「じゃあ、切るほ
うがいいんですね。お父さん、そういう風にしてもらえば?抗癌剤で吐き気と闘うのが嫌なのなら、切って取ってしまうほ
うがいいんじゃないの」
「言っておきますけどね、切るほうが楽だなんて言ってませんから。切るほうだって、抗癌剤だって、どっちも苦しいんだ。癌なんだから苦しくたって仕方がないでしょう」
父が
はっきり返事をしないものですから、医師はだんだん激高してきました。
「わかってますか?癌って病気ですよ!しかも死んでしまう病気です!放っておいたら1年持たないですよ!そういうことがわかっていて、今日返事をしにきたのかと思っていたんですが、違うんですね」
(返事も何も、今日治療法を説明すると言ったの。家族で話し合って決めて来てなんて一言も聞いてない、と母が後で言いました。)
医師の説明によると、針を刺して、癌細胞を焼ききる、という治療法(内科)、抗癌剤で進行を遅らせるが根治はしない(内科)、切って取る(外科)方法の3つがあって、その場でどれにするのか選べということでした。
針を刺して焼く、という治療法はその日初めて聞いたものです。それは内科でする処置ですが、癌が大きすぎるので出来ないと言われました。じゃあ、切るか、抗癌剤かどちらかです。
「治したいの?どうなの?自分の病気なんだから、自分で
はっきりしなよ!」
母が父に「お返事しないといけないからお父さん決めなさい」と言ったけど、父は返事を
はっきりしません。そりゃあね・・・説明を聞く日だと思って行ったら、決断を迫られたんですから・・・。
私が「外科の先生にお話を聞いてから決めてもよろしいですか?」と聞きました。
先生はもちろん外科で切れないということになれば、また内科で治療をするしかなくなるので、聞いてみますか?と言いました。それで、外科の先生を紹介してもらう段になって、「大きな病院に行きたいですか?」って言うんです。
「大きな病院って・・・?」
「旭川でも札幌でもどこでも!行きたいところを行ってくれればお手紙書きますから!どこにしますか?」なんかもうイライラ最高潮!
「えっ、先生、事故の後遺症で、頚椎が損傷しているので長い間の移動は危ないものですから・・・」言いかけたところで、先生が怒鳴りました。
「今は命の話をしてるんです!癌のほうは死ぬんです!頚椎どころの話じゃない!」
びっくりしましたね〜〜。ここの病院は総合病院で、珍しくカルテが一体化していて、どの科のカルテもすべて見ることが出来て、説明もしてあって、先生も知っているはずです。
転んだだけでも、しりもちをついただけでも、その場で全身麻痺になるかも知れないって。
「こちらで、ここで見ていただきたいです」
それだけ言うのがやっとでした・・・。