日々悪戦苦闘する芸術家の浮き沈みを薀蓄で飾ってもっともらしくお伝えします.よろしくね。

ランのお話 [2008年04月25日(金)]
恒例の『世界らん展日本大賞2008」が2月23日から3月2日まで東京ドームで開催されたので、今年も観に行ってきました
出品数も増えて年々豪華になってきたと感じてはいましたが今年も会場は圧倒される規模で何と約3000種、100000株の展示がされていたそうです
それと毎回思うことは、この開催時期に標準を合わせ、バランス良くキチンと花を咲かせる出展者の思いと努力は並大抵のものではないと、ただただ感心します

もともとランのふるさとは熱帯と亜熱帯で、アジア、アフリカ、アメリカの熱帯雨林が三大生息地です
ランの種類は2万以上とも報告されていますが、植物の中でも最も種類が多く、全植物の約1割を占めていると言われています
また、ランは違う属の間でも雑種が容易にできると言う点からも遺伝的な時間の隔たりが少なく、属や種として分化してからも時間が短い、即ち、地球上に現れてまだ新しいと考えられています
ランは地上に最も遅く現れた植物なんですね
その証拠に地球上の快適に生育できるすみかは、すでに他の植物に占領されて、生育できるところは木の幹や枝の上、湿地、岩、木々の日陰といった他の植物が好まない過酷な環境しか残って無かったんです
そういった場所でも生き延びる術を得るために、今も形や生育の仕組みを少しずつ変えて過酷な条件に耐えているのです

一般にラン(蘭)というとすごく高価で栽培も難しいイメージがありますが、先に述べたように違う属の間でも雑種が容易にできるということもあり、20数年前にバイオ増殖のメリクロンという技術が出来てからは様々な交雑種が生まれ、多量に分身が作られるようになりました
そのお陰で、最近では寒さにも強い新種も数多く生まれ、手軽に安価に入手できるようになりました
それと以外と思うかも分かりませんが、もともとランは一部を除いて香りはあまり強くありません
しかし、高度な交配技術の発達により、様々な香りを持つ放つランの新種が続々と登場してきました
蘭愛好家の求めるものが、姿のみならず、香りの良さも視野に入れて栽培していると感じました。
お蔭様で、毎年新しいランの香りに出会うことができ、これも楽しみの一つになりました
異なった香りの種または属を交配し、新たな香りを造る、まさに天然の調香技術で、この世に二つとないオリジナルの新しい香りがこれからもどんどん創造されるものと思わず期待していまいます

*ちなみにランには交雑種を登記する国際的な戸籍簿(Sander’s List of Orchid)があり、制作者が交配して花が咲いたら、登録申請し、過去に同じものがなければ受理され、新種として登録できます。これについては長くなるので、またの機会に紹介したいと思います。


そんなこともあり、ここ数年、ランの栽培に挑戦していますが、結構容易に咲かせることができます。
ちなみに写真@は我が家で20年以上も毎年咲き続けているシンピジュームです。
写真Aは昨年開催された時に購入したカトレア(個体名:Lc. Oreglade’s Grand “Y.C Beauty”)ですが、今年も見事に咲き始めました
是非、皆さんも挑戦してみてください
@



A


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