気温が乱高下して体調を維持するのが大変ですが、いかがお過ごしですか?
それでも確実に近づいている夏に向かって
ダイエット。そんな方も多いと思います。
という訳で、本日は
ダイエットの話題です。第一回目は『基礎代謝量』を今一度一緒に勉強しましょう。
基礎代謝とは「何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動」(Wikipediaより)であり、それに必要なエネルギーの量が基礎代謝量です。通常、1 日当たりのキロカロリーで示されています。
実際の測定は、快適な空調環境の元、早朝の空腹時に安静にして横に顔を上に向けた覚醒状態で行われます。測定方法は何種類かありますが、実際に測定するのは費用も時間もかかります。特に説明は必要ないと思われますので、ここでは割愛します。
通常は実測するかわりに推定式を使って計算します。推定式といえば、ハリス・ベネディクト(Harris−Benedict)の式が有名ですね。身長・体重・年齢から簡単におおよその基礎代謝量を求められるので、今でも広く使われているようです(年少の成長期には適用されません)。
ただ、この式は日本人には実際の必要量より高く算出されるので注意が必要です。また、あくまでも推定式ですので普通体型の人には相関が高いのですが、肥満だと実際より高め、痩せ過ぎやアスリートだと実際より低めと、相関が低くなってしまいます。
なにしろ、この式が報告されたのは今から90年も前の1920年台。その後精度の高い実験や研究により、
今日では基礎代謝量は除脂肪体重との相関が高いと報告されています。
基礎代謝のエネルギーは、主に体温を一定に保つことや内蔵を動かすことに使用されます。また、それらを制御するために脳も活動していますので、筋肉、内臓、脳といった器官がエネルギーを使用します。その中でも筋肉が最もエネルギーを消費するのです。筋肉は安静にしていても体温を維持したり、内臓を動かすために働いてくれています。なお、脂肪はエネルギーの貯蔵所ですから、そこがエネルギーを使ってしまっては意味がありません。在庫を管理する倉庫に金はかけないものです。除脂肪体重と相関が高いのも当然でしょう。
それでは基礎代謝量を増やすには筋肉を増やせばいいのでしょうか?確かに筋肉が増えれば基礎代謝量も増えます。事実そう書いてある文献やHPの何と多いことか!でも筋肉はそう簡単に増えるものではありません。仮に筋肉が1kg増えた所で増加する基礎代謝量は20kcal程度なんです。
基礎代謝量で大切なのは増やすよりも減らさないことです。基礎代謝量に影響する要因は、今まで出てきた要因以外にも色々あります。例えば、性別(男性>女性)、気温(寒い>暑い)、体温(高い>低い)、ホルモン(バランスが良い>バランスが悪い)などなど(カッコ内は通常時の基礎代謝量の比較)
そして基礎代謝量を減らさないためには、やはり体を動かすことが大切です。日ごろ活動することによって筋肉を刺激して血を巡らせ、体を暖かくし、ホルモンの分泌を促しましょう。その結果、基礎代謝量も維持されます。
逆に基礎代謝量を減らしてしまう最悪の行為のひとつは、極端な食事制限だけで痩せようとするダイエットです。
食事制限だけで痩せようとしているかた、筋肉まで一緒に削っていませんか?体の組織は絶えず入れ替わっています。代わりになる材料がなければ、筋肉は痩せ細り新陳代謝が出来なくなります。
体温は36.5度ありますか?筋肉が痩せ細ると血の巡りが悪くなり体温が低下します。36.5度は、最も体内の酵素が活発に活動してくれる体温なのです。体温が下がると酵素の活動も鈍くなり、病原菌や悪性新物質細胞が活動しやすくなります。
ホルモンのバランスが崩れて体の調子がおかしなことになっていませんか?体温が低下してホルモンの分泌にも影響を与えます。女性の方は特に注意です。生きていくためのエネルギーたる基礎代謝量が低くなると考えただけでも、食事制限だけの
ダイエットは危ないと思いませんか?
もちろん医師によって運動が止められているなど、食事制限のみでしか
ダイエットが行えない方は、その限りではありません。正しい知識を持った人に相談して間違えのない
ダイエットを進めましょう。
さて、ちょっと脂肪が多いと思われている皆様。もしかすると今まで高く出ていた推計式を信じて、多めに食べてしまっていたのでは?と危惧されていませんか?でも、大丈夫です。安静時だけではない活動代謝もあります。
人間が活動している時には、脂肪だろうが筋肉だろうが、重さがそのまま負荷になるので体重が重いほうが消費カロリーが大きくなるんです。だから脂肪のあるうちが、よりカロリーを減らせるチャンス!いきなり運動なんて考えないで、まず活動するところから始めましょう。
なお、活動代謝については、また別の機会に取り上げたいと思います。
さて、ここでは推計式などを使った基礎代謝量算出の紹介はしません。理由は、ネット上で検索すれば見つかりますし、最も相関の高い除脂肪体重を把握した所で、それを使用しての推定式がなければ、誤差の少ない基礎代謝量を算出するのは難しいからと考えるからです。
検索して見つけたサイトも、ちゃんとしたサイトであるならば、例えば「この計算結果は、筋肉量などの条件で実際の数値と異なる場合があります」等の但し書きがあるはずです。
出来るだけ誤差の少ない基礎代謝を知りたい場合は、除脂肪体重を把握して基礎代謝量その他も計算してくれる体重計があります。まだ少し高価ですが購入してみるのも良いでしょう。日々の記録も保存されます。時代はどんどん進歩していきますよ!
基礎代謝量は、食べるべき食事量を把握する上で目安にするのは良いことだと思います。でも大切なのは数字にとらわれずに、自然と食事の必要量を把握できるようになることです。多くの人は基礎代謝量を知らなくても、自然と過不足を調節して問題なく食事しているんですから。
いずれにしても、極端な食事制限では脂肪だけでなく除脂肪体重も減り、体重に比例して基礎代謝量も少なくなってしまいます。
脂肪を減らしても除脂肪体重を減らさなければ基礎代謝量が減る心配はいりません。では具体的にはどうすれば良いのか?次回の
ダイエットの話題のときは、実際の実験を例に挙げて、まとめてみたいと思います。
では、また!
◆今回の情報で参考にさせていただきました◆
ベストウェイト健康講座
http://www.best-weight.ne.jp/index.html?linkid=001
健康機器メーカーのタニタが提供するサイト。最新の健康情報が確認できます。
Q&Aは必見です。