日々悪戦苦闘する芸術家の浮き沈みを薀蓄で飾ってもっともらしくお伝えします.よろしくね。

さいきんのこと… [2006年09月11日(月)]
ブログの依頼がきたという話をきいて少々童謡しました。

日記なんて通常書くことも読む事もないからです

大人になって日記を書く日がくるとは思ってもみませんでした

さらにテーマは「業務に関する内容」との事

とういうことなので、

ここでの私の仕事についてについて少し話をしたいと思います。


ここでの私の仕事は微生物を扱う仕事をしています。

微生物って以外に身近にいるもので部屋の中の空気中にも漂っているものなんです。

しかし、実物を見たことのある人は少ないかもしれません。

それは小さすぎて肉眼では見えないからです

見えないくらい小さいものを扱っているわけですが、

見えないままではどこにいったのか

自分は何を扱っているのかわからなくなってしまいます。

そんな事では非常に困りますよね

そこで通常では肉眼で確認できる状態にして扱っています。

見えないくらい小さなものを見えるようにするためにはどうしたらいいのか?

パラララッパラー

そんな時はとにかく増やすのです。

もつもれば山となる!とはよく言ったもの。

微生物は栄養を含んだ寒天で育ててあげると

細胞分裂しコロニーとよばれる集団を作ります。

1個の微生物が自分のコピーを大量に作るわけです。

そうする事により肉眼でも十分確認ができるくらいの大きさになり、

だいぶ扱いやすくなります

この微生物のコピーを作るところから私の仕事は始まります。

しかし、微生物が自分のコピーを作って増えてくれない時もあり、

仕事が始められなくなった事も多々あります

微生物は生き物なので各々好みの温度、好みの栄養があり、

好み通りでないとなかなか増えてくれません

人間のように話ができるわけでもないので、

育てる人間の方が扱う微生物の好みに合わせて

与える栄養や温度を調整してあげるのです。

そうすると自分のコピーを作成しコロニーを作ってくれるわけです。

時には傷ついて弱っているものもいれば、

元気がありすぎるものもいます。

生き物なだけに弱っているものをうっかり放っておくと死んでしまう事もあるのです。


微生物のコピーを作るのも紙でコピーをとるのと似たようなところがあります。

紙のコピーをとる時に、オリジナルからコピーをとらないと字がつぶれてしまったり

印刷が粗くなったりして読みづらくなってしまった経験はありませんか?

微生物もコピーを重ねるとオリジナルとは違ったものになってしまう事があります。

ですからオリジナルは大切に保管しておいて、

実験に使用するのはいつもコピーになります。

紙のコピーと同じように微生物のコピーを上手にとるのも仕事のうちです。

そう考えると、かなりOLっぽいですね。

ただ紙は生きてはいないので勝手に増えたり、減ったり、

死んでしまったりする事がない分、扱いやすくていいなとは思いますが

ここでは微生物のご機嫌をうかがいながら毎日の仕事を進めています。
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