能の所作 型の意味
お友達のrie−bさんから 能の所作の意味を質問されました
とても難しいのですが 今の私の思うところをまとめました
ですから 必ずしもこれが正しいとは考えないで下さいね
まず 大きく三つに分けてみます
1・写実的なもの
「シオリ」少しうつむいて掌を目の前の方にかざす・・・涙を押さえる様子
「指折り」左手を前に出し指を折って数える・・・月日を数える事が多い
「聞心」少し身体を前に折る・・・聞く様子をあらわす
「打つ型」 鼓などを打つ型の時に右手で実際に打つ様子をあらわす
扇の要を前に持ち替える事も
他にも色々・・・
2・抽象的で意味を持つもの
「ユウケン」広げた扇を右上に跳ね上げる 両手でする事も・・・
喜びや感情の高まりをあらわす
「足拍子」例えば雷の音を足拍子の音であらわしたり
海に飛び込む時に二つ拍子を踏む事も(
ド ボンと言う感じ)
「雲扇」扇を広げ右上の方をさす 左手も合わせて左下に広げる・・・
はるか遠く雲を眺める様子
山を見る時は少し上を見て 川を見る時は少し下を見ます
能楽は面をつけている事が多いので
視線だけ眼だけ動かしても何も見えません
顔全体を動かしたり 身体ごと動かして見ます
他にも色々・・・
3・抽象的で意味を持たないもの
これが一番多くて一番難しいのです
例えば 立って構える この構え方で男か女か
鬼のような強いものかが分かります
足の運びも同様です (これは2に入るかな?)
さし込み開きは初心者が最初に練習する型です
前に出ながら扇を前に出して止り 両手を広げながら3足で下がり
元の構えに戻ります(言葉で言うのは難しい)・・・
これ 特に意味はありません
このように特に意味の無い型や所作が数多くあります
舞いながらこの型の持つ意味は〜なんて考えてはいません
拍子も2のように意味を持つものと意味の無い物とがあります
謡の調子に合わせて リズムをとっているようなのが多いです
そしてここまで書いて何なんですが
舞の色々な型はその時々に応じて意味を持ったり持たなかったり
意味合いが少し変わったりと・・・こうして考えると複雑ですね
それから 能の構え自体でも 身体にとても力をみなぎらせています
ほんと 静かな舞いでも本気で舞えば 汗びっしょり
になります
「構え」と「すり足」は
本当に難しいです
とりあえず 今日はこの辺で・・
書き出すと
キリがありません
何かご質問があればなんなりと どうぞ〜
また 一生懸命考えて
私に分かる事はお返事します