こないだの記事の続き。
ケーキ屋の息子の役得
といえば…もうひとつ。
たまーに、うっかり焦がしてしまったマドレーヌが
おやつになることがあった
焼き菓子は、焼き上がりからしばらく経ったほうが
バターがこなれて美味しくなるのだが、
まだアツアツ、表面コゲコゲのマドレーヌは、
それはそれですっごく美味しかった
もっとも父もプロだから、こんな風に
商品をこがすようなことはあまりなかったのだが
あと、ちょっと昔話。
こないだ書いたように、僕の周りでは
「ケーキ屋の子供は、毎日おやつにケーキが食べられる
」と
思っていることがあるようで。
小学生の頃、僕のクラスメイトが、
「(ナメコとキムチ)、何か菓子ちょうだいよー」なんて
頼んでくることがあった。
僕は頼まれるとあまり「ヤダ」とは言えない性格だったし、
人が喜ぶ顔を見るのは悪くないものだと、
幼い頃から何となく思ってた。
で、そいつと一緒に帰宅し、
家の前(つまり店の前ね)でそいつを待たせて、
父親に頼んで、クッキー数枚を分けてあげた。
このくらいの年頃のガキ共は、調子に乗りやすいもんで、
数日後には、そいつがさらに数人のツレを引き連れて、
僕の家の前でクッキーをおねだりするようになっていた
「なんであまり仲良くないコイツラまで、
うちの菓子をねだりやがるんだ
」
「でも、人に喜ばれる、それはそれで悪くないよなぁ
」
「やばいなぁ、お父さんに怒られないかなぁ
」
僕の中では、こんな気持ちが交錯していたっけ。
ああ、なんて優柔不断
…結局、見かねた両親に、
「ビシッと断れ
」と叱られ、
この「クッキー振る舞い事件(?!)」は幕を閉じたのだった。
善良な読者の皆様へ(*´∀`*)
ケーキ屋さんの家族は、好きなように
ケーキやらクッキーやらを食べられるわけではありません
ちょっとだけ、嬉しい思いができる
ただそれだけ、なのです