始まりの色 [2011年08月01日(月)]

飼い主は先日、凄まじい雨に遭い、まさにニュースでしか知らなかった、車の立ち往生になるところだった


危ない
それは雨で視界が白くあやふやになり、ゆっくり走っているのに、
突如、気付いたら、車窓から見える水面がぐんとあがって
まるでボートのようになった


幸い、浸水することなく
上り坂に差し掛かり、巨大な水溜まりだった田んぼの脇道カーブを
後ろに見た


すぐのところに稲の葉先しか見えていない田んぼを
心配そうに見ている傘を差した初老の男性が
印象的だった

と、同時に
ニュースでもよく聞かれる、田んぼの様子を見に行ったまま行方が不明となっています
の、文句を思い出した


実体験しなければ解らない


どうして台風の時に
危ないのに、田んぼを見に行くんだろう…と思っていた
実際、飼い主も雨が急にひどくなり、
徐行する車の往来を縫いながら、ナビをテレビに切り替えて
その地が大雨洪水警報から土砂災害警報が出ていることを知った


外に出ていると情報がないんだ…

その道は人探しの付き合い、幾年を隔てた絆を繕う話

名前とうろ覚えな駅名、地名も曖昧、駐在所の警官は
えーっと待ってくださいよー、名字で言うと5〜6件あるんですけどねー
もうちょっと情報ない?

といいながら、住宅地図を確認してくれた


しかし、勇気が足りず
5つの門扉を眺めるだけで呼び出しは見送った


壮絶な28日からの記憶は薄れまい
朝陽を待って仮眠の慟哭


終わった衝撃と疲労
始まった疑惑


ダイスはどの目がでるか
まだ決まってない
雲はすべて、雨雲ではないし、太陽は必ず、雨を消し得ないのだから。
Posted at 11:21 | この記事のURL | コメント(0)