先週の金曜は検査で休んだ彼。
――今日はきっと会える。
そう自分を奮い立たせて、
月曜のけだるい体を自宅から40キロの職場へ向かわせる。
でも、彼の駐車場には、
クルマが停まっていません。
なーんだ、残念。
今日も休みか。
ブルーマンデーかな?
と、つとめて楽観的に捉えてみたりして。
しかし、今日は、
先週末こなした作業に、
誤りが見つかる見つかる……。
確認不足などのケアレスミスばかり。
リーダーの苦言にへこんでいた。
いつも言われていることだし、
自分ができていないのが悪いのがわかってるから、
何もいい返す言葉がない。
30分後。
「おはようございます。」と彼が事務所に現れた。
いつもの作業服ではない。
ジーンズに、ポロシャツ。
手には、封筒……。
まさか、辞表?!
と一瞬脳裏を過った考えは、
すぐに打ち消す。
だって辞表は茶封筒でそのまま手に持っては来ないでしょう!
それはどうやら、
診断書の類だったようです。
ざわざわする胸の奥。
工場長と、しばらくの打ち合わせの後、
今度はリーダーが彼に呼ばれた。
リーダーが戻ってきて、
伝えられたこと。
彼が、自宅療養と通院のため、1ヶ月の休職に入る。
という事実。
――ついに、来たか。
覚悟はしていたはずだけど、
やっぱり、つらいよ。
2時間ぐらい、いたのかいなかったのか、
彼は、すぐに帰った。
わたしとは、一言も交わさずに。
これから、何を支えに、
ここにくればいいのだろう。
仕事も中途半端で、たいして役にも立てないのに。
いちばん支えてあげたい人も、いないのに。
作業中も、不意に、涙がこぼれそうになる。
まわりのひとに悟られないように、なんども席を立って、
誰もこない更衣室で、こっそり、泣いた。 |