恋のチカラ

彼に会えないのがわかっていると、
どうしてこうも毎日が堕落するのか。

ダイエットはどこに行ってしまったのか！

スキンケアもサボリがちで吹き出物が出た。


昨日はわたしも休日出勤の振り替えで休みだったので、
今週は今日から出勤しました。

朝事務所に入るなり、
目にしたのは
連絡ホワイトボードの
彼の名前の欄の、

「長欠」

の文字。

わかっていても、
改めて、

これからしばらく彼には会えないんだ……。

とさらにテンションが下がりました。


そして今日は、
さらにさらに、
テンションが下がる出来事が続きます。

採用されたパートタイマー事務員が、
次々と辞めてしまい、
欠員のままになっている部署があって、

人が足りないから募集しているんだな、
と思っていたら、

社員が一人、
病欠に入ることがわかり、
それで急いで人を探してたらしいんですが、

前述のように次々と辞められてしまい、
定着してもらえません。

（ま、薄給のパートタイマーに、
社員と同じ仕事を、
体育会系のノリで押しつけるからだって言うのが、
オツボネサマにはわかってないようなんですが。）

で、病欠に入る社員の仕事の一部を、
不在の間ひきうけてはもらえないか？

という、
オツボネサマからのご指名が、
わたしに！


今度はわたしが辞める番か……?


今やっているのは、図面を見ながらの仕事。
彼が見てくれているはずだから頑張れる仕事だった。

今度ひきうけるのは、
図面は見ない。伝票の入力だけ。
直接彼とは関係ない仕事。
そして今彼は会社には来ない

こんな仕事、やる気が出るはずがない。


でも、
誰かがやらなくちゃ、
みんながいやがるあの部署での仕事、
わたしがやれば、
誰かが救われる。
わたしに白羽の矢が立ったんなら……。
やってやろうじゃないの。

……ま、単純に今までやってた仕事ができなくなって、
グループのみんなにしわ寄せが行っちゃうんだろうけど。


なんだか、思うように行かないなぁ。

わたし、自分であんな風に言ってしまったので、
悲しむ権利はありませんが、
彼は、しばらく会社を休むらしいです。
ミーティングのとき、兄弟グループのリーダーが言ってました。

しっかり休んで早くよくなって……。

本人にはプレッシャーが掛かるので言えません。


「しばらく」ってどのくらいかなぁ。
あまり長い時間会えないと、
……わたしは枯れてしまうかも。

きのうは来る予定だったのに急に休んじゃって、
彼、きっと調子が悪いに違いない。

きょうもきっと、
来ていないんだろうな。
しかたない。

と思いながら、坂を登り、門を入ると、

彼の車がある！

ウレシイ。
きょうも1日頑張れる。

と思ったけど、

通用口にはいるなり目にしたのは、
うつろな目で真っ青な顔した彼が、
早足で、でもふらつく足取りで、トイレに向かう姿でした。

今までに見た調子悪そうな姿
ワースト2ぐらいでした。

わたしの机はコピー機のそば。
コピーをとりに来た彼が順番を待っている。
わたしの机のわきの棚によりかかって。
立っているのも辛そう。最悪なカオしてる。

思わず口をついて出てしまった。


そんなに具合悪いなら来ないでくださいよ……。
来ちゃったら仕事振らない訳にはいかないでしょう。
見てるほうも痛くなります。

「……え〜？」

どうして来ちゃったんですか？
いなければ、ほかのひとが何とかしてくれますよ。

「……そうだよね。」



その後。
お昼過ぎ、休憩から戻ってきてもまだ彼がいます。
無理しないで欲しいのに……。

と思っていると、
課長、工場長と、事務所内で打ち合わせに入りました。
彼のストレスの半分はこの工場長のせいじゃないかというほど、
苦手にしている上司。

始まってすぐ、工場長のよく通る声が聞こえてきます。

「もう帰れ！　本人も辛いだろうけど、
見てるほうもつらいんだよ！」


ありゃ、わたし、工場長と同じこと言っちゃったのね……。


帰り支度が済み、
ふらふらと事務所を出て帰る彼。
40ｋｍの運転はほんとに大丈夫なの？？

と心配していると、

約1時間後、
会社あての電話にでたら、
彼のケイタイ番号が表示されている。
まさか途中で事故なんてないよね？


「課長は会議中だよね。
戻ってきたら伝えて欲しいんだけど、
今家まで無事につきましたからって。
みんなに心配してもらったから、報告してください。」


よかったぁ〜！

明日は休んで！

調子が悪くて伏せってる人に、
やっぱりそれはまずかった。

実は日曜日、
わたしのケイタイから彼のケイタイへ
はじめて個人的に電話してしまいました。

おすすめサイトとしてリンクさせて頂いている
「頭痛大学」のサイトを、
ひどい頭痛に悩まされている彼に見せたくて、

彼の家にはネットにつながる環境がなく、
会社のPCはネットにつながるマシンが制限されていて、
しかも個人的には利用できない。

だから、近くの図書館まで来てもらって、
一緒に閲覧できればと……。

調子悪いのは承知の上。
でも土曜日も会社に来てたし、
もしかしたら、でてきてくれるんじゃないか。
という一縷の望みにすがってみた。

心臓バクバク。
かなり思いきってかけてみた。
……でも、出なかった。

そりゃそうですよね。
調子悪くて寝てるんだから、
しかも彼にとっちゃ、見知らぬ番号。
出るわけない。


昨日会社で訊いてみた。


日曜日、謎の着信がありませんでしたか？

「？……あぁ……あったねぇ！そういや。」

すみません、あれ、わたしです。

「せっかくひとが気持ちよく寝てんのに誰だよ、って思っちゃったよ（笑」

お昼寝中でしたか。

「昼寝じゃなくて、一日中調子悪くてずっと寝てた。」

そうですよね。スミマセン


結局、
あとでURLを教えるので
調子がいいときにでも図書館で見てみてください。
と伝えるにとどまり、

彼は、「…はいはい。」

心の声はこんな感じ。
（そんなことかよ〜。調子悪いの知ってるのに普通呼び出すか？）
想像ですけど……。



そして、きょう彼は会社を休みました。

わたしが押しすぎたのが、
ストレスになっちゃったんじゃないかと、
反省中です。

昨日は彼に会えた嬉しさで忘れてしまっていましたが、

もうひとつ嬉しいことがあったんだよね。


会社に着いたとき、
ほかにも今来た人がいて、

わたしより先に、車を降りていた子どもを見て、
「こんな大きいお子さんいるんだっけ？
ローズマリーさん結婚してたの？」
って。

入社したとき、子どもはちょうど1歳の誕生日でした。
先日5歳の誕生日を迎えたのですが、

そんな5歳児の母が、
独身だと思われていた！？

独身に見えるの？

ちょっと嬉しい！