2012年の6月ぐらいからNGOで鳥を飼おうとこのプロジェクトを始めました。この付近では地鶏を庭で飼って、自然に産む卵を食べるのが普通ですが、メンバーのジョンが卵を産む専用の鶏を買って、卵を売ったら将来NGOの資金作りになるのではと提案したので、ジョンをプロジェクトリーダーにして、チキンプロジェクトを始めました。
最初の6カ月は鶏小屋作りとえさ代とジョンの世話代に4万円ぐらいかかり、12月中旬から卵をうみだしたので、これで元が取れるのではと期待しました。48羽いる鳥がほとんど毎日1個ずつ卵を産むと期待していたのですが。毎日せいぜい10数個から多いときで20個、日本から帰ると卵の数はまたまた減っていて、10個に満たない日もありました。
乾期や餌の質が落ちたからではないかとまた高い餌を買って与えていますが、少し回復したものの、このハイブリッドの鶏を売っている会社の宣伝にまんまと乗ってしまったと気がつきました。今までの支出は8万円以上、そして卵の収入は8000円ちょっと、大赤字です。
大きな失敗でしたが、大きな教訓を得ました。アグロベットショップ(農協のようなもの)は農家に儲かると宣伝し、鶏とえさと一緒に売りだして、儲けているのでしょう。餌は輸入した配合飼料で大変高いです。まんまとその手にのったわけです。地鶏は庭を駆け巡りながら、残り物の餌や草や草の中の虫を食べたりしてあまり餌代もかからず健康に育ち、有精卵が普通で味もおいしいですが、ハイブリッドの鶏は卵の黄身も色が白く、無精卵で味もよくありません。
日本ではこの無精卵が普通ですが、いろいろな配合飼料を使っているのか黄身も色が黄色いですね。鳥もぎゅうぎゅうに詰め込まれて、生き物というより卵を産む機械のようです。
ケニアで食についていろいろ考えさせられます。