空と海のこころ手帳

「この星で起きた奇跡の再会」からの続き、です。


翌年・・・、今度は季節は夏・・・。

私は、ローマに貧乏旅行に行きました。

ただ、その貧乏ぶりが、結果的にはこの奇跡を生むしあわせになったのですが・・・、
最初は、ただの不幸でした・・・。


地下鉄代を節約するために、炎天下を歩いていた私。

帽子とサングラスを着用していたのにもかかわらず、フォロ・ロマーノで、のんび〜り、ゆっく〜り、太古の浪漫に夢を馳せている間に・・・、

自分が、夢の世界の人になっていました・・・。


もう、目の前がまっくら、く〜ら、く〜ら・・・、
・・・・・・もしかして、これが日射病・・・・・・。


と、とりあえず日陰に・・・って、日陰がナイ・・・。


よろよろしながら、湧き水の水をかぶり、水を飲み、
やっと木陰を見つけて、バタンキュー。


復活した時には、もう既に夕方近く。
あああ、今日、あちこち行きたかったのにな・・・。


そこで、予定変更、
閉館時刻ぎりぎりの、コロセウムに行くことに。
←早く宿に帰って休めよ、と突っ込みを入れたいところですが、帰らなくて良かった・・・。


さすが、ローマ観光のメッカ、コロセウム。
こんな時間なのに、すっごい人込み。

私は、まだ体調が万全ではなく、人込みに酔ってしまいました。



そんな時、後ろから、

「腕時計、落ちそうですよ。」

という声が。


振り返ると、アジア系の女性がにこにこと。


「ありがとうございます。
　時計は、暑いので、直接肌に触れると気持ち悪くて、緩めているんです・・・。」

と説明していたら・・・、彼女が、



「あの〜、どこかで、お会いしましたか？」


え？


ああああああ！！

二人で同時に、

「LONDON　！！！！！！！」


彼女は今は他の国に移り、休暇が取れたとのことで、だんな様とお子さんと、ローマ観光に来ていたのです。


しかも、彼女も本当はもっと早い時間にコロセウムに来る予定が、

「サンダルのヒールが取れてしまって、靴屋さんに行った。」

という理由で、この時間になったのです・・・。


何よりも、二人が同じ日に・・・、しかも互いの偶然の予定変更で・・・、

それに、夏休みにコロセウムに行かれたことのある方ならばご存知ですよね、
あの人込みの中で・・・。

もし、私が、暑いという理由で腕時計を緩めていなければ。

もし、彼女が、親切に「腕時計落ちそうですよ。」と背後から声をかけてくれなければ。

お互い、髪型も違っていたし・・・、すれ違って、そのまま・・・、
再会はなかった、と思うのです。


彼女との別れ＆再会の約束の言葉・・・、
それが、この記事のタイトルの、


「See you AGAIN SOMEWHERE in the WORLD !!!」

信じていただけないかもしれませんが・・・、
これは、本当にあった、出来事なのです。


そして、今までの私の人生で、
一番・・・まさに、「奇跡的な」・・・再会だったんです。



私は、ロンドンに貧乏旅行に行きました。

覚悟はしていたけれど、物価の高さ（特に食べ物）に
東京より、高いやん・・・。


そこで、私は、宿のイングリッシュ・ブレックファストで、「おかわり」をし・・・、

こっそり、チーズやハムをはさんだサンドイッチを作り、
ヨーグルトやら、フルーツやら、ゆで卵やら・・・、


ランチの調達をしていました。


安いけれど、こぢんまりとしたすてきな宿で・・・、
この宿を探し当てた私に



そこで働いている、アジア系の女性と仲良くなりました。

まんまるの顔に満面の笑みを浮かべ、太陽のようににこやかなひとでした。



ある日、彼女が私に給仕をしてくださりながら、

「もしかして、日本人ですか？」

と尋ねました。

イエス、と答えると、
彼女は少しの間、頭を整理するかのように黙って、

そして、少し訛りのある日本語で、

「日本語・・・久しぶりなので・・・話してもいいですか？」

と。


「私、大学で、日本語勉強して、東京に留学行きました。
　でも、今は、日本語を話す機会が少なくて、どんどん忘れちゃって・・・。」


以来、彼女とは、日本語でおしゃべりをしました。

私がこっそりランチを作っているのを知ると、

これも、あれも・・・と、厨房から、いろんな果物などを持って来てくださり、

私が、

「あなたが怒られちゃいませんか・・・？」

と心配すると、

「いいでしょう〜？　大丈夫ですよ〜。問題、ないない。」

と。


ただ、彼女も忙しく働いている、その合間のおしゃべりで・・・、

結局、彼女の名前や、どこの国から来ているのかとか・・・、
そういうプライベートなことは一切聞かないまま、お別れしました。


そうして、すてきな思い出を作り、日本に帰ってきた私です。


この彼女と、「再会」するわけですが・・・、

いつ、どこで、どうやって、「再会」したと思われますか・・・？
たぶん、みなさんの想像をこえていますよ


眠くなったので、続く〜