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日本語版への序文 [2009年09月03日(木)]
 これより、9月半ばまで、無断転載が続きます。興味のない方は、他のサイトへ!

 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。


【楽天市場】医者も知らない亜麻仁油パワー:楽天ブックス誰も知らなかった“オメガ‐3”の重要性/第2章 こんな病気にオメガ‐3が効く!―オメガ‐3の不足と病気には関連がある/第3章 亜麻仁油の“オメガ‐3”で劇的な効果が上がった!―その症例と経過/第4章 毎日の生活にオメガ‐3を取り入れるために―食品 ...
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医者も知らない亜麻仁油パワー D.ラディン&C.フェリックス 共著
               今村 光一 訳
               2003年3月20日第1刷発行
中央アート出版1800円+税

 著者
D.ラディン医学博士
(DONALD RUDIN,M.D=メディカル・ドクター=医師)
ハーバード大学医学部出身。1956年から20年余り、東ペンシルバニア精神医学研究所の分子生物学部長や所長を務め、この間にオメガ―3の研究に着手。この分野での世界的権威で、多くの学者が博士の研究をガイドにしている。
 本書は博士のオメガ―3の臨床研究を一般向けに集大成したものである。

C.フェリックス栄養学士
 (CLARA FELIEX)
 カリフォルニア大学(U.C.L.A)で栄養学を学んだ栄養コンサルタントで、一般向きの講演活動を行う一方で、月2回の栄養関係のニュース・レター『フェリックス・レター』を‘81年から自身で発行し、一般の人への啓蒙(けいもう)活動を行っている。
 栄養関係のサイエンスライターとして有名である。

訳者 今村 光一(健康ジャーナリスト、翻訳家)
 1935年、東京生まれ。早稲田大学英文学部中退。
 常に時代をリードする先鋭な発言で知られ、健康に関心を抱いている人々から支持されている。著・訳書多数。
『危険な油が病気を起こしている』
『ガン勝利者25人の証言』
『医者の知らないホルモンバランス』(以上、中央アート出版社)
『マックス・ゲルソン ガン食事療法全書』(徳間書店)など。

オフィス今村≠主催。会員への最新健康情報の提供や健康相談に応える「月間ヘルス・レター」を発行している。ホームページのアドレスはhttp://member.nifty.ne.jp/imamura-koichi(2009年9月3日現在、検索不能でした)

P.2〜3 日本語版への序文―オメガ―3の不足が大問題だった

 日本も含めて現代の先進国ではガン・心臓病・脳卒中・糖尿病・リュウマチ様関節炎や骨関節炎、アレルギーや老人性痴呆症、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などなどの他に消化器関連の諸病、偏頭痛・生理不順といった体の病気、それに精神分裂病や抑うつ症等の心や脳の病気が増えている。先進各国で医療費が年々急増して大きな政治問題、社会問題にすらなっているのも、これらの病気の急増のためである。
 では、このような病気なぜ急増しているのか?その大きな原因はオメガ―3≠ニいわれる脂肪の摂取がひどく不足していることなのだ。本書の題名(原題)を『オメガ―3の脂肪酸(OMEGA 3 OILS)』と言うストレートな題名にしたのもそう言う意味である。
 私はハーバード大学医学部の研究者および同大学所属の東ペンシルバニア精神医学研究所の所長として35年間の研究生活を通じて、医学研究の中でも脂肪の働きの解明が重要な問題と考えてきた。そして、この立場から先進各国での過去100年来の食生活と食品の内容的な変化の跡を追跡してみた。その結果わかったのは、先進各国ではオメガ―3の必須脂肪酸の摂取が昔に比べひどく少なくなっていると言う事実であった。そして本文でも書いているとおり、日本も例外ではないのだった。
 オメガ―3という必須脂肪酸の研究は比較的最近の研究テーマだが、本書の訳者によれば日本でもようやく関心が持たれ始めているようだ。訳者によると「最近は日本の食糧栄養学会や脂質栄養学会でもオメガ―3の脂肪酸のことが盛んに取り上げられ、『肥満者は血液中のオメガ―3が不足している』(日本の国立健康・栄養研究所、および東京家政大学)とか『痴呆老人ではオメガ―3が健康な老人に比べ不足している』(東北大学)と言った研究が発表されている」と、言う。
ではオメガ―3の不足は、なぜ肥満や痴呆と関連があったり、冒頭に上げたような多くの病気の原因になったりするのか?それはこの必須脂肪酸が、単なるカロリー源ではなくて細胞膜の構成要素になったり、体のほとんどの機能を支配していて「第3のホルモン」と呼ばれているプロスタグランディンと言う重要なホルモン様物質の原料になっている脂肪酸だからである。プロスタグランディンは、この発見者が10年ほど前にノーベル賞を受賞したのでもわかるように極めて重要な生理活性物質なので、これが原料のオメガ―3の不足で欠乏すれば体の機能は狂って万病≠フ原因になっても不思議ではない。また細胞膜の構成要素のオメガ―3の不足は細胞膜を病んだ細胞膜にしてしまうから、これも万病≠フ原因になって当然である。
従来も多くの食事・栄養ガイドが発表されている。しかし、オメガ―3に注目した食事・栄養ガイドは本書が始めてで、私はそれゆえオメガ―3作戦#h世界でも最初の完璧な食事・栄養ガイドだと自負している。他のやり方では治らなかった多くの患者が治っているのもこのゆえだ。
 オメガー3の必須脂肪酸が他の先進諸国同様に不足がちで、それゆえに病気に苦しんでいる日本の読者が、本書を病気を治すために活用してくれれば、こんな嬉しい事は無い。また本書はとくに健康上のトラブル(障害)はないと言う読者にも、より強健でエネルギッシュになるために役立ててもらえるものである。
                                            著者
P.4〜5 訳者からのメッセージ―「脂肪は摂るな」は危険な常識

 本書は研究書としても実用書としても、素晴らしい名著だと思う。現代病発生の病理学的な「理論」はもちろんとして、「症状」や「原因」、「著者の離床治療法」、「食事のレシピ(作り方)メニュー(献立)」、「摂取計画」、そして「患者自身による効き方の確かめ方」までが具体的に説明されている。従って、これで、ラディン博士の数10年の研究の成果を自宅で確かめることが出来るのだ。
 理論のキーワ−ド(鍵=カギ)は2つだ。必須脂肪酸オメガ―3を補うことで
1.変質した細胞を正常にする。
2.プロスタグランディンと云うホルモンを造る。
 この2つである。私たち人間は、皮膚細胞とか脳細胞、筋肉細胞、骨細胞など各種の細胞で構成されている。細胞の構成要素の1つに「オメガ―3」と言う必須の脂肪酸がある。オメガ―3は体内で造り出せない必須の脂肪酸であるのに、食生活の変化で体外からの摂取量が激減した。そして細胞が変質し、現代病発生の主原因となってしまった原著の副題はto improve(改善する)degenerative diseases(細胞の変質)とある。つまり必須の脂肪(オメガ―3)の欠乏で起こる色々な「細胞変質病」をオメガ―3で治すと言う意味である。
 最近「ダイエットのために中性脂肪を抑える」とか「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を低くするために、脂肪をカットするのが健康の常識のように思われている。しかし脂肪が人体の大切な構成要素であり、エネルギー源であることには変わりは無い。冗談話のようだが「過剰反応して脂肪を控えたがために、栄養失調で倒れてしまったケース(例)」もある。要は摂るべき脂肪の選別と量である。そのためには『危険な油が病気を起こしている(中央アート出版社刊)』といった本が参考になる。またオメガ―6を含むリノール酸油(コーン油や紅花油など)が植物油で体にいい」とされてきたが、最近はその過剰摂取を日本脂質栄養学界も警告している。「オメガ―3」の摂取でバランスを取り戻す必要がある。
原著者は、「現代病の治療のためのオメガ―3の補給源」として、亜麻仁油を勧めている。オメガ―3の含有量が最も多いからだ。価格の問題も大きい。サプリメントが高価であっても仕方がないという風潮があるが、毎日の食事と同じわけで、気軽に使えなければ意味が無い。この点、亜麻仁油なら価格も安いし使いやすいという利点もある。
目次 [2009年09月04日(金)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。

日本語版への序文−1 訳者からのメッセージ―4

第1章 いまの食生活が病気を起している!誰も知らなかったオメガ―3の重要性
現代の疫病≠ニは?−18
食品工業の≠ェ問題を起している―21
オメガ―3が病気を治す―24
オメガ―3とは?―26
オメガ―3が不足する理由−31
第3のホルモン―プロスタグランディンの働き−39
オメガ―3とオメガ―6の必要量には個人差がある-43
第2章 こんな病気にオメガ―3が効く!オメガ―3の不足と病気には関連がある
病気を引き起こす7つの要素―52
繊維とオメガ―3の重要性60
驚くほどの効果を上げたオメガ―3作戦―69
「狂った脂肪」が病気を引き起こす―73
ノルウェ0の覗き窓′サ象―74
データが示すオメガ―3の現象と現代病の急増―76
精神分裂病とその他の精神病―81
心臓病―85
心臓病や脳卒中にオメガ―3が及ぼす効果―88
ガン―96
糖尿病―98
肥満―103
免疫の異常―105
病気退治のマジック・ガン=\106
第3章 亜麻仁油のオメガ―3で劇的な効果があった!その症例と効果
皮膚のトラブルが治った―118
皮膚のためのオメガ―3作戦―129
皮膚を内と外からよくする―133
粘液嚢(のう)炎。腱鞘(けんしょう)炎・リュウマチ様関節炎もよくなった―136
免疫機能のトラブルも治る―139
頭痛が消えた―141
前立腺肥大症による頻尿にも効果があった―142
心臓病・血管病にも効果があった―142
過敏性腸症候群に効果があった―147
亜麻仁油で子供が生まれた―147
生理のトラブルも治った―148
生理前症候群(PMS)の症状が軽減した―150
前立腺肥大症が治った―158
精神病や神経症にも効果が上がった―159
病的な抑うつ症にも効果がある―165
どの症状にもオメガ―3が共通の武器―170
オメガ―3でこんな病気も治る―173
第4章 毎日の生活にオメガ―3を取り入れる 食品ガイド・アレルギー対策 
オメガ―3メニューのための食品群―184
果物、野菜、穀物の重要性―188
肉と魚の選び方―198
乳製品と必須脂肪酸の選び方―202
腸内細菌を見方にしよう―204
買うべきもの、買ってはいけない物―212
毎日のオメガ―3メニューが病気を防ぐ―218
栄養的に完璧なオメガ―3メニュー―219
オメガ―3メニューを実行する前に―226
食物アレルギーについて―227
母親と乳児のためのオメガ―3メニュー―235
過運動児(落ち着きの無い子供)の治療法―248
自閉症と免疫機能の異常―250
食事が歯に与える影響―251
長寿と老化防止のために―256
老化と脂肪酸の必要性―259
第5章 オメガ―3作戦を実行する 実践のためのプログラムと注意点 
プログラムを始める前に―266
サプリメント・プログラム―273
第1段階 オメガ―3の必須脂肪酸の選択と量の調整―275
第2段階 協働要素としての栄養物質、ビタミンミネラル、繊維の補給―282
第3段階 プログラム継続―302
第4段階 オメガ―3とオメガ―6の必須脂肪酸のバランスのとり方―308 
訳者あとがき―321
参考資料―327
 資料1脂肪の種類と心臓系統への作用
資料2オメガ―3のガンへの効果
資料3体の中での脂肪酸の変化
資料4脂肪酸の含有量
本文索引/病名・医学用語別索引(重複するため、割愛させていただきます)
脂肪ミニ知識
第1章@誰も知らなかったオメガ―3の重要性 [2009年09月04日(金)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。



第1章 いまの食生活が病気を起している!誰も知らなかったオメガ―3の重要性

 現代に蔓延している多くの病気が実は医学上の病気と言うより、現代の栄養欠陥とライフ・スタイルに関連した病気であること、現代の重要な栄養欠陥の1つがオメガ―3といタイプの必須脂肪酸の極度な不足であり、そしてまたいまの2点が私の長年の研究調査と治療実験からの最も重要な結論であること―これについてはすでに序文で述べた(9月日更新分参照)。本章では、現代ではオメガ―3の脂肪酸の不足がなぜ、どのように起きているのか、オメガ―3を含む脂肪酸はどのように人間の体の機能に影響しているのか、不足しているオメガ―3を補うことでどのように我々が病気を治したり、より健康になったりできるのかといったことなどを、ごく概観的に観ておこうと思う。
 医学研究はどこかミステリー小説に似ている。研究者は手がかりらしきものを頼りに忍耐強く謎解きに挑戦するが、その謎解きにはしばし何年もかかる。ミステリー小説では最後に謎が一挙に解けるが、そうは行かない点が医学研究では違っている。しかし両者は最も重要な点では共通していて、それが犯罪が行われたと言う事実からスタートしていると言う点である。
 医学研究の中で犯罪が?読者はそういって首をひねりそうだが、じつは栄養の失われた鎖の輪(ミッシング・リング)≠ニ言う意味である。しかも、この場合はそう言う犯罪≠ェ行われていること、つまり何かの重要な栄養素、人間が健康に生きるためには不可欠な栄養素の1つが知らない間に現代の食事の中から姿を消すか、極度に不足するようになり、それが失われた輪≠ノなって現代病を起こしていることに誰も気づいていないように見える。もう読者も想像するように、この場合の失われた輪≠ニはオメガ―3と言うタイプの必須脂肪酸のことに他ならない。アメリカの場合、オメガ―3は過去75年ほどの間の食生活のバランスや食品そのものの変化の中で次第に不足がひどくなり、現在(2003年3月)ではアメリカ人は平均的に云って健康を維持するのに必要な量の20%しかこの脂肪酸を摂っていない。
 またアメリカに限らず現代の先進国ではどこでも同様な状態にあり、日本のような欧米以外の先進国でも同じような状況である。日本の場合は後述するような先進各国に共通の食品そのものの変化の他にも、食事の欧米化によって魚や大豆のようなオメガ―3系列の脂肪酸を含む食品の摂り方が減っていると言う、欧米諸国とは少し違ったジィ王今日も一員になっている、なお魚には本書で特に重視している植物油系のオメガ―3とは違うタイプのオメガ―3の脂肪酸、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれている。
 現代のオメガ―3不足には2つの原因がある。1つは食品工業の進歩≠ノより食品が文明化≠オて来たこと、もう1つはオメガ―3の脂肪酸を多く含む寒冷地の農作物より、オメガ―3が少なく、オメガ―6系列のリノール酸などの脂肪酸が多い温暖地の作物を人々が好んで食べるようになって来たことである。食品工業の発達に関して云えば、昔の作り方ならば食用油の中に含まれていたオメガ―3が、現在の食用油の製造方法では破壊されてしまうことが最大の原因である。また、たとえば昔は北方系の農作物を主に食べていた北欧諸国でも今では貿易や運輸手段の発達で南方系の農作物の方がむしろ多くなっていることに象徴されるようなうな、寒冷地の作物から温暖地の作物への傾斜もオメガ―3不足の原因になっている。

現代の疫病≠ニは?−18

 「人類は感染症は克服した」とよく言われるが、逆に一連の病気が20世紀の初頭あたりから確実に増えている。心臓病・ガン・糖尿病・脳卒中・肥満・関節炎・アレルギー・腸炎・抑うつ症や精神分裂病などなど…数え上げればきりが無い。
 これらの病気は食品工業の発達や、ある種の食品の普及等と共に急増するようになったもので、私はこれを現代の疫病≠ニ、呼んでいる。繊維研究のパイオニア(先駆け)の1人イギリスのトロウェル博士は、博士が「イギリス政府の派遣医としてアフリカに30年在籍した時にはなかった30余種の病気が、1970年代になってアフリカの食事が現代化、欧米化し始めたらアフリカにも起きてきた」と、指摘している。そしてその30余種の病気とは、いま私が列挙したような誰でも知っている現代の疫病≠ネのだ。ではこれら現代の疫病≠ヘ本質的にどんな性質の病気なのか?私はひとことで言って現代の疫病≠ヘガン・心臓病・糖尿病等とその表れ方、つまり病名や症状は違ってもみな現代の食事の中にあるいくつもの栄養的な欠陥が相乗的に働いて起こしている病気であり、現代の相乗的な誤栄養が原因になったと言う意味で本質的には1種類の病気だと考えている。ただ色々な病名と症状をもって現れているのは、同じ誤栄養がそれぞれの人の遺伝的な体質の違いによって見かけ上で違う病気となって現れているに過ぎない。


先進国では普通でアフリカ(1930〜60年)では少なかった病気

消化器系の病気
 便秘・盲腸炎・大腸憩室炎・痔・大腸炎・潰瘍性大腸炎・大腸ガン・大腸ポリープ・
 裂孔ヘルニア

代謝および心臓など血管系の病気
 肥満・糖尿病・心臓病(虚血性=つまり先進国型心臓病)・脚部動脈硬化症・アンギーナ・ 動脈瘤・静脈血栓症・胆石・通風・腎臓結石・脳卒中・高血圧

内分泌系などの病気
 甲状腺中毒症・粘液乳腫・橋本病(リンパ腫性甲状腺腫)
 ・アジソン氏病(副腎皮質分泌不全症)・低血糖症・リウマチ性関節炎・多発性硬化症
 ・骨多孔症・変形性骨炎・悪性貧血・亜急性結合変性(脊柱の変性病)・乳ガン
(トロウェル博士による。今村光一抄訳・編「アメリカ上院栄養問題特別委レポート「いまのままでは早死にする」」より転載

 現代の疫病≠ェ現代の食事の中の色々な栄養的な欠陥から起きている食事が原因の食源病≠セというみかたをしているのは私だけではない。アメリカ上院栄養問題特別委員会の有名なレポート(1977年)も同じことを指摘し、アメリカ国民に食事改善を訴えたことはよく知られているが、同委の指摘はアメリカばかりではなく世界中の先進国に同様にあてはまるものであった。同委員は、先進国の食事は動物性食品(主に肉類や乳製品)・砂糖・脂肪が過剰で、その代わりに自然な穀類や野菜・果物が少なく、その結果ビタミンミネラルといった微量栄養素や食物繊維が不足になっている。そしてそのことが原因で、心臓病・ガンなどなど私の云う現代の疫病≠ェ増えている。これらの病気は食事や栄養の摂り方のちがいが原因の病気、つまり食源病≠セと指摘したのであった。これらの病気はまさに、色々な栄養上の欠陥を持つ現代の食生活が原因の相乗的な栄養欠陥病だと断じたわけである。

マクガバンレポート... 7年間の歳月と数千万ドルの国費を投入して行なわれ、5000ページに及ぶ膨大な報告がなされているのでありますが、それを「上院レポート」又は委員長の名前をとって「マクガバンレポート」とも呼んでいます。 ...
www2.ocn.ne.jp/~mutenka/kenkou/makugabanrepo-to.htm -キャッシュ  

食品工業の進歩≠ェ問題を起している―21

 脚気(かっけ)が多くの人の体の機能を不自由にしたり、命を奪ったりしえ恐れられた期間は200年以上におよぶ。近代的な精米マシーンが、米を朱書とする日本、インド、スマトラ、インドネシア等アジア諸国で使われるようになったのは100年以上前だが、精白して白米にするとビタミンB類を始め多くの栄養素が失われる。精米技術の発達と共に活気も増えて、今世紀の始め頃には脚気は何か失われた栄養素、つまり前にも言った失われた鎖の輪(ミッシング・リング)≠フせいではないかと言う疑いが持ち出された。そしてビタミンB1がその失われた鎖の輪(ミッシング・リング)≠セと言うことが1930年代に証明された。その後ビタミンB1が合成されるようになって、これを脚気患者に与えたところ患者は奇跡的な治り方を示し、ここで栄養学、医学上のミステリーが説かれた。
 さまざまな皮膚症状と共に頭を狂わせてしまうのが、これも今世紀初頭アメリカやイタリアの貧しい農民の間に大流行したペラグラ(註 胃腸障害・神経障害を特徴とする病気)であった。当時アメリカ南部の精神病院はペラグラ患者でいっぱいだった。ペレグラは精神病と考えられていたからだった。そしてペラグラ患者は貧しくて牛乳・卵・肉・魚などを食べられない階層に頻発した。彼らの常食はトウモロコシだった。しかし、トウモロコシを長い間主食としてきたメキシコや中米の農民には、ペラグラなどまったくなかった。違いは、同じトウモロコしでもペラグラが起きた地域では、昔とは違う近代的な¥理技術で精白されていたことだった。そして後者の場合には、トウモロコシの中のナイアシンビタミンB3)が破壊されてしまうことが問題と判った。ナイアシンが与えられるとそれだけでペラグラ患者が治り、これでもう1つのミステリーの謎が解けた。
 脚気とペラグラの例はいずれも食品工業の技術の進歩=iこれを進歩≠ニ呼ぶべきかどうか私は知らない)が、問題を起こしたと言う実例である。そしてオメガ―3の脂肪酸が現代の栄養学上の失われた鎖の輪≠セと云うもう1つのミステリーも、実は社会の技術的発展や食品工業のさまざまな技術の展開によって犯された犯罪≠ネのだ。こういう意味で「脚気やペラグラを起こして来たのと同じ歴史は、この場合にはやはり繰り返されている」と言える。

   誰も気づかなかった失われた鎖の輪

 現代の相乗的栄養欠陥は過去の病気やペラグラの場合に比べ、はるかに複雑である。それゆえに前出の米上院特別委レポートもそうだし、世界の多くの権威たちも指摘してきている。しかし、そう言う大きな指摘の中でもこれまでまったく指摘されてこなかったのが、じつは本書が始めて指摘するオメガ―3の決定的な不足と言う問題である。誰も現代の食事がオメガ―3を不足させると言う犯罪≠犯していることに気づかなかったというわけだ。
 米上院委のレポートは、20世紀の初頭以来の心臓病・ガン・糖尿病その他の現代の疫病≠フ急増と、この間に食生活が農民型食生活(植物性食品型食生活)から都会型食生活(動物性食品型食生活)へと変化したことを対比してこう言っている。
 「要するに食生活が悪い方向に変化したことが、これらの病気に急増の原因だった。しかし、食生活は時代と共にごく少しずつ変わって来たので、食生活が変化したことには誰も気づかなかった」
 しかし、その米上院委も他の権威たちも今までオメガ―3の必須脂肪酸が失われた鎖の輪≠セとは気づかなかった。

第1章Aオメガ―3が病気を治す [2009年09月05日(土)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。


第1章 いまの食生活が病気を起している!誰も知らなかったオメガ―3の重要性

オメガ―3が病気を治す―24

 現代ではなぜ、どのようにオメガ―3と言う必須脂肪酸の不足が起きているのかについては後述する。しかし不足が起きていること自体は、現代の先進国の食事の内容の分析から明らかである。また、アメリカの場合の20世紀初め頃の食事と比べると、今では人々は当時の20%しかオメガ―3を摂っていない。ところで食事内容の分析と言う学術的な調査よりももっとドラマチックかつ実証的に現代のオメガ―3不足を証明するのが、治療実験と言う臨床の現場である。
 オメガ―3の脂肪酸をさまざまな病気の患者に与えてみると、脚気(かっけ)やペラグラがビタミンB1やB3で治ったようによく治るのだ。これで多くの病気が逆にこの脂肪酸の不足で起きていることが証明される。私がここ数年来続けてきている治療実験の詳細や結果は、後の章に譲る。しかし、私の治療実験の成果の中でももっともエキサイティングなのは、見かけ上は違う病気と見える多くの病気の症状が同時によくなり、慢性的な疲労感が消え、患者たちが自分が強健になったと感じることである。
 有能な自動車整備工は車のオイルをいいオイルン変えることで車の調子を整えるが、私もオイルを代えて患者と言う車の病気を治して来たと言える。そして同時に、この治療実験は現代の栄養上の失われた鎖の輪≠ェオメガ―3と言う脂肪酸だとする私の見方を裏付けるものにもなった。

オメガ―3とは?―26

 脂肪は28ページの囲み記事(この場合は、次に記載)のように炭素が1列に並び、それに水素が結びついた分子構造をしている。そして図の左側に水素Hがあり、右端は酸素Oおよび酸素と水素の結びついたOHがある。この形は全ての脂肪に共通しており、脂肪のことを「脂肪酸」と呼ぶのは、右端が「酸」の形をしているからだ。詳しくは囲み記事を読んでもらうが、左右両端の形は同じでも中間の炭素と水素の結び付きはそれぞれの脂肪ごとに違っていて、この結び付きの違いがその脂肪の性質を決めている。誰にでも、もっとも目に付きやすい違いでは、植物油や魚油のような不飽和脂肪酸は常温では液体なのに、牛脂のような飽和脂肪酸は固体だと言う点で、これも炭素と水素の結びつき方の違いのために起きている性質の違いである。
 オメガ―3と呼ばれるのは図のように、右端から3番目の炭素のところから水素の欠けた場所(炭素の2重結合、つまり水素が不飽和≠フ箇所)が始まっているためだ。これに対して、植物油の代表のように言われているリノール酸などは、水素の欠けた場所が左端から6番目の場所から始まるのでオメガ―6と呼ばれる。オメガ―3とオメガ―6は脂肪の分子構造が違うので当然、性質も違う脂肪酸になっている。

P.28囲み記事「脂肪酸の構造」
 ほとんどの脂肪は脂肪酸と言う形をとっていて、2つから20ないし、それ以上の炭素が真っ直ぐに連なった鎖になっている。それぞれの脂肪によって炭素の数や水素の数とその結び付き方は違っていて、それがその脂肪固有の性質や味を決める要素になっている。
 脂肪酸は飽和および不飽和:脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。これは、それぞれの脂肪酸の分子の中での炭素原子と水素原子の結び付き方の違いを意味している。全ての炭素原子に結び付けられるだけの水素原子が結び付いている脂肪酸を飽和℃塩b酸―つまり水素原子で飽和された脂肪酸と呼んでいる。これに対して水素原子で炭素原子が飽和されていないのを不飽和℃塩b酸と呼び、水素原子で飽和されていない箇所では隣り合わせの2つの炭素原子が「2重結合」と言う結び付き方をしている。
 炭素原子同士の2重結合を2つ持っているリノール酸は、食物中に含まれている最も一般的な多価不飽和脂肪酸である。

システムの都合上、半角が入ってしまうと読み難くなりますことを、お詫び申し上げます。

リノール酸(オメガ―6の多価不飽和脂肪酸の1つ)の構造
  H H  H H H      H     H  H H H  H H H
  ↑ ↑ ↑ ↑ ↑     ↑     ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
H−C−C−C−C−C−C=C−C−C=C−C−C−C−C−C−C−C−C=0
  ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
  H H  H H  H H H  H H H  H H H  H H H H OH 


アルファ・リノレン酸(オメガ―3の多価不飽和脂肪酸の1つ)の構造
  H  H      H       H       H H H H  H H H 
  ↑ ↑      ↑       ↑      ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑  
H−C−C−C=C−C−C=C−C−C−C−C−C−C−C−C−C−C−C=0
  ↓ ↓ ↓↑↓ ↓ ↓  ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
  H H H↑ H  H H  H  H H H  H H H  H H H H OH
       ↑                                    ↑↑
2重結合がオメガ―3の位置                   酸素原子→→」↑
(左から3番目の炭素の場所)                 水素原子→→→→」
で起きているので「オメガ―3」     (ここに水素原子があって「酸」の構造になっているのと呼ぶ。)                  で、脂肪のことを「脂肪酸」と呼ぶ。)

 「なぜオメガ−3が重要なのか」
 
 オメガ―3とオメガ―6は必須脂肪酸と言われる。その理由は、この2種類の脂肪は細胞膜の構成要素になったり、後述するように体のほとんど全ての機能に関係していて体に不可欠なものであるにもかかわらず、人間はこの2種類の脂肪は体の中では造れず、食物から必ず摂らねばならないからだ。これに対し、動物性脂肪の代名詞のようになっている飽和脂肪酸は、必要なら体の中で作れるので、食物から必ず摂る必要があるわけではない。  
 いま必須脂肪酸は細胞膜の構成要素だといったが、細胞は細胞膜を通じて栄養を取り入れたり、老廃物を細胞の外に排出したりしている。だから細胞膜は細胞にとって死活に関わる重要性を持っているし、その細胞こそ生命活動の最終単位なのだから、このことだけでも必須脂肪酸の重要さが理解できる。またいまのことから、必須脂肪酸が体のほとんど全ての機能にとって不可欠と言うことも判る。
 オメガ―3もオメガ―6も共に必須脂肪酸として不可欠なものだが、両者を敢(あ)えて比較すればオメガ―3の方がむしろ重要とは言える。たとえば脳の構成要素の60%は脂肪で、それがいろいろな脂肪酸から構成されているが、このうち最も多いのがオメガ―3とオメガ―6系列の脂肪酸であり、そして更に言えばオメガ―3の方がオメガ―6よりも多く含まれている。
 ここでもう1度、脂肪の種類のことを言うと、飽和脂肪酸は前にも言ったように全ての炭素に水素が結びついて飽和した、いわば「満腹した脂肪」で、全てに満足してしまっていて安定している代わりに反応は鈍い。これに対してオメガ―3やオメガ―6のような不飽和状態は、不安定な代わりに生命反応も強い。敏感な脂肪≠ニ、解釈すると判り易いだろう。そして、3番目の炭素の場所から不飽和になっているオメガ―3はオメガ―6のリノール酸などよりも、よりいっそう生命反応が強い敏感な脂肪≠ニ言えるだろう。
 そこで私はオメガ―6などを呼ぶ「不飽和脂肪酸」と言う言葉に対して。オメガ―3のことを「超不飽和脂肪酸」と呼んで区別することにしている。
 脳の細胞の間では精神刺激を伝達したり、外からの刺激を受け取ったりする反応が盛んに行われている。この場合に、やはり生命反応の鋭い脂肪が必要なのでオメガ―3やオメガ―6が脳には多く、その中でもオメガ―3がオメガ―6より重要な脂肪と言う事が云えよう。
またオメガ―3は、たとえば血液をサラサラしたものにして心臓病や脳卒中の原因になる血栓を防いだりと言った働き等、全ての体の機能のためにもオメガ―6よりも早く、かつ、よく働く脂肪なのだ。
 更にオメガ―3とオメガ―6の脂肪としての働き自体の問題とは別に、現在でオメガ―3の重要性をとくに強調すべき理由がある。それは体にいい植物油(リノール酸=オメガ―6のことを、多くの人が、こう考えている)≠ニして植物油が人気を博した結果、現在ではオメガ―6の過剰であっても不足する状況でなくなっているのに対して、オメガ―3は決定的に不足している状況だからだ。
第1章Cプロスタグランディンの働き [2009年09月05日(土)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。


第1章 いまの食生活が病気を起している!誰も知らなかったオメガ―3の重要性

第3のホルモン―プロスタグランディンの働き−39

 オメガ―6も含め必須脂肪酸は細胞膜の構成要素なので、これが不足しては体の機能がすべてくるってしまうと前に言った。必須脂肪酸不足で起きる症状は昔から皮膚症状・頭痛・疲れやすさ・体力不足・頭の働きの変調・すぐに炎症が起き関節がむくむこと・不妊・流産・腎臓のトラブル等が知られている。しかし、1982年にプロスタグランディンと言う第3のホルモンの研究者がノーベル賞を受けた頃以後、プロスタグランディンの研究が進み、必須脂肪酸の働きよりも詳しく判るようになった実はオメガ―3もオメガ―6も共に体のほとんど全ての機能を支配しているプロスタグランディンの原料だった。
 話の順序としてプロスタグランディンのことを先に述べよう。この第3のホルモンは古典的なホルモンが内分泌腺を通じて全身を支配する働きをする。しかし、その働きの範囲は広く、体の全ての機能に関係していると言っていい。
 ○炎症○病気の治癒や傷の治り○免疫機能○心臓系の機能(コレステロールのレベルや血液の流れのことを含む)○消化○生殖○体温調整、などなどと言った具合である。
 プロスタグランディンは体の全機能に関係していると言ってもいいので、プロスタグランディンの生成が体の中でうまくできなければ、体には当然、多くのトラブルが生じる。
 ごく解り易い例を1つ挙げると、食物を消化する消化器官が自分自身を消化してしまわないのは不思議だが、これもプロスタグランディンがそれを防いでいるためである。そこで今では、消化器の潰瘍は消化器の壁を保護するプロスタグランディンが不足しているか、よく働かないためかもしれないと考えられるに至っている。消化器の壁がチャンと保護されていないために潰瘍になっていると考えられるからだ。そしてこの見方には充分な根拠がある。
 私の治療実験でも多くの患者が食堂から大腸までの消化器官にトラブルを抱えていて、オメガ―3の必須脂肪酸の多い亜麻仁油(あまにゆ)を与えたら目立ってよくなったり、完全に治ったりしているからだ。

プロスタグランディンがコントロールしている体の機能の例

痛みを起こしたり逆に痛みを止める。
眼球・関節・血管の中の血圧を変える。
出産・流産・生理のトラブルの関係。
血圧の収縮と拡張。
側副血行を増やしたり減らしたりする。
 急性心筋梗塞(1番閉塞)冠動脈造影
冠動脈造影は急性心筋梗塞の確定診断と治療方針を決める最も重要な検査です。 ... ただし、左冠動脈(前下行枝から)中等度の側副血行がみられた。 側副血行とは、本来の血管以外の血管から流れてくる血流です。 高度の狭窄が長期間 ...
www.m-junkanki.com/case_study/ami-inf1/CASE-RCA1-CAG1movn.html -キャッシュ
内分泌ホルモンを標的器官に送り出させる。
 ダイレクト検索標的器官-Yahoo!辞書:ホルモンなどの作用を受ける器官。性ホルモンに対して、その受容体をもっている生殖器官など。-国語辞典(大辞泉)

 ホルモンとは、内分泌細胞で産生され、血流により標的器官に運ばれて受容体を ...
ホルモンとは、内分泌細胞で産生され、血流により標的器官に運ばれて受容体を介して作用を発揮する情報伝達物質である。 ... タンパクと結合したホルモンは細胞膜を横断できないので、標的器官に生理作用を及ぼさない。 ...
tokyo-kasei.ac.jp/.../basicmedicine/datafiles2002/BMA03921920.htm -キャッシュ

消化器官・目・耳・心臓・動脈などの筋肉の自動的反射をスムーズに行わせる。
細胞中のカルシウムやイオンの出し入れをコントロールする。
アナフィラキシー・ショックに関連。

 アナフィラキシーショック
ちなみにアナフィラキシーショックとは、抗原によって感作された人が同一抗原に再度接するときにみられる即時 ... 先ほどの赤坂君の場合はパンを食べた後で激しい運動をした為にアナフィラキシーショックが起きたということですが、これの説明では ...
www6.ocn.ne.jp/~syuneido/shock.htm -ブックマーク:3人が登録-キャッシュ

十二指腸潰瘍を防ぎもするし起こしもする。
利尿や塩分の体内保持をコントロールする。
血栓の生成に関与する。
発熱に関係する。
組織のむくみに関係する。
胃の消化液の内分泌をコントロールする。
鼻腔(びくう=びこう 鼻の孔(穴))の粘膜の収縮に関係する。
アレルギーやリュウマチ様関節に影響を及ぼす。
日焼けの炎症や皮膚の色をコントロールする。
神経刺激の伝達をコントロールする。
細胞分裂の促進。
皮膚からの水分の放出をコントロールする。
ステロイドの生成を促進する。
 ダイレクト検索ステロイド-Yahoo!辞書
ステロールとその類似化合物の総称。炭素の六員環が三つと五員環が一つ結合した基本構造をもつ。動植物界に広く分布し、胆汁酸・性ホルモン・副腎皮質ホルモンなどがあり、特殊な生理作用や薬理作用を示す。-国語辞典(大辞泉)

ステロイド
ステロイドとは副腎皮質ステロイドホルモンという副腎という臓器から分泌されるホルモンのことで、 ... また、ステロイドの副作用が起こりやすい顔や外陰では、症状が重くても最初から「おだやか」または「弱い」ランクの外用薬で治療できないかと考えます。 ...
www.toyama.med.or.jp/gunsi/taka/iryoutisiki/iryoutisiki.htm -ブックマーク:7人が登録-キャッシュ
プロステグランディンの働きを挙げたらきりが無い。―確かにそのとおりで、研究の進行に連れて色々な働きが現在(2003年3月)、発見され続けていると言う段階です。

  「オメガ―3とオメガ―6は別のプロスタグランディンを造る」

 プロスタグランディンの重要さは解ってもらえたと思うが、実はプロスタグランディンにはたくさんの種類がある。前述したノーベル賞を受賞した3人の科学者が研究しただけでも1ダース(12種類)以上あった。そしてこれら多種類のプロスタグランディンが互いにバランスを取り合って、体の機能を健全に維持している。不足はもちろんよくないが、1つのプロスタグランディンだけが多く体内で造られ、他のものが少ないと言うのもやっぱり問題を起こす。その点から言って重要なことは、「オメガ―3が原料となって造られるプロスタグランディンとオメガ―6から造られるものは、別の種類のプロスタグランディンだ」と、言うことである。「オメガ―6は現在の普通の食事に不足してはいないが、オメガ―3は決定的に不足だ」と前に言ったが、これは別な言い方で言えば、「現代の多くの病気は実はオメガ―3を原料として造られるプロスタグランディンの不足で起きている」と言えるわけだ。

オメガ―3とオメガ−6の必要量には個人差がある-43

 個々の人のオメガ―3の正確な必要量や、オメガー6との最適な比率は厳密にはまだ判っていない。個人によってオメガー3を代謝する仕方も違うし、その同じ個人でも、その時々の状況いかんで栄養素の必要量は違ってくるからだ。ただ私は色々なデータから判断して、平均的な健康人は摂取カロリーの1〜2%をオメガ―3で、6〜8%をオメガ―6で摂るようにするのがいいだろうと考えている。もちろん、これはあくまでも私のため試論である。

 以下、明日に続きます。
第1章Bオメガ―3が不足する理由 [2009年09月05日(土)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
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第1章 いまの食生活が病気を起している!誰も知らなかったオメガ―3の重要性

オメガ―3が不足する理由−31

寒冷地の食物より温暖地の食物をより多く食べるようになったことも、オメガ―3不足の一因と前に言った(9月日参照)。この他
(1) 穀類の精白技術の発達
(2) 油脂の製造方法の変化
(3) それにアメリカの場合は豚肉・鶏肉・魚・自然な狩猟動物を食べるよりも牛肉に傾斜したこと等も、オメガ―3不足の原因になっている。
 穀類は精白しなければ胚芽の中にオメガ―3とオメガ―6が入っているが、精白でこれを失くしているのが現代である。また、牛肉よりも他の動物の方が少量とは言えオメガ―3やオメガ―6が多く含まれている。
 オメガ―3不足と言う犯罪≠フ犯人として、とくに問題にすべきが油脂の製造方法の変化である。
 かつては食用油果て絞(しぼ)り的な圧搾(あっさく)法で絞られていたが、現在では同じやり方で造られているのは「コールド・プレス(低温圧搾=ていおんあっさく法)」と銘(めい)打った物だけで、ほとんどの食用油は科学的な溶剤で原料の中の脂肪を溶かし出し、その後で溶剤だけを取り除くと言った方法で造られる上に、更に水素添加と言う作業がされている。
 水素添加とは、不飽和脂肪酸の水素が不飽和になっている箇所に水素を添加して飽和≠ウせるために、食用油の中に水素ガスと科学的な触媒(しょくばい)を高圧化で強引に注入すると言う乱暴なやり方でやられるものである。これは不飽和の箇所全部に水素を添加せず一部にすることが多いので「部分的水素添加」と言う。こうすると食用油は酸化し難くなって商品としての寿命が延びるという理由で、こんなことがされている。
 しかしこんなやり方がされると、一番先になくなるのが最も敏感な脂肪、超不飽和脂肪酸のオメガ―3である。また、いまのような食用油の製造方法の中では狂った脂肪≠ニ呼ばれる脂肪の異性体がたくさん発生する。この狂った脂肪≠ヘ細胞膜の中に侵入して必須脂肪酸の働きを妨害する。つまり我々の体には、狂った脂肪≠ェ増えた分だけ、余計にオメガ―3やオメガ―6と言った正常な必須脂肪酸が必要になる。なお狂った脂肪≠ニは、水素の不飽和の箇所での炭素と水素の結び付き方が変わってしまった脂肪のことで、こんなことが水素添加の過程で起きるのだ。
 そこでどう云うことになるか?一方では現代風の食用油の造り方の中でオメガ―3はなくなり、同じ大豆油でも昔の大豆油には含まれていたオメガー3が、コールド・プレス(低温圧搾法)以外の今の大豆油にはなくなっている。そして他方では狂った脂肪≠フために体のオメガ―3の必要量は増えている―現代の我々は必要量が増えているのに、それがちゃんと摂れないと言うダブル・パンチに見舞われているわけだ。

 食品中に含まれている必須脂肪酸の量(半角挿入のため、読みづらくてスミマセン)

*チーズやソーセージなどは製法や原料により差があり、大体の目安を示しています。また残留薬物などは考慮に入れていません)
     オ  メ  ガ  ― 3       
       アルファ・リノレン酸  EPA    DHA 
乳製品 
 バター     1.2         
          オメガ―6(リノール酸) 1.8
 チーズ   0.4〜0.8
          0オメガ―6(リノール酸) 0.5〜1.3
 牛乳     0.1      
           オメガ―6(リノール酸) 0.1
母乳
 ナイジェリアの母親 0.09
           オメガ―6(リノール酸) 2.3
 アメリカの母親    0.06
      オメガ―6(リノール酸) 0.4
鶏卵           0.03
    オメガ―6(リノール酸) 1.3
海産物(漁獲地域により差があり、大体の目安を示しています。また、重金属の有無は。考慮に入れていません)
 鱈(タラ)        0.08
           オメガ―6(アルファ・リノレン酸)0.15
          アルファ・リノレン酸 EPA    DHA  
 鰈(カレイ) 0.01  0.11 0.11
           オメガ―6(リノール酸) 0.01
 オヒョウ        0.03 0.11 0.20
           オメガ―6(リノール酸) 0.02
 鰊(ニシン) 0.03 0.76 0.57  
           オメガ―6(リノール酸) 0.12
 鯖(サバ)        0.23 0.49 1.30   
           オメガ―6(リノール酸) 0.43
 鮭(サケ)        0.04 0.82 0.94   
           オメガ―6(リノール酸) 0.08
 鮭(サケ)缶詰 0.41 0.62 1.00   
           オメガ―6(リノール酸) 0.15
 鮪(マグロ)缶詰 0,04 0.38 1.10   
           オメガ―6(リノール酸) 0.05
 カニ        0.04 0.33 0.15   
           オメガ―6(リノール酸) 0.03
 ロブスター 0.01 0.18 0.09   
           オメガ―6(リノール酸) 0.03
 蝦(エビ)        0.01 0.18 0.15   
           オメガ―6(リノール酸) 0.02
 牡蠣(カキ) 0.04 0.42 0.29   
           オメガ―6(リノール酸) 0.03
鶏肉         アルファ・リノレン酸  EPA    DHA 
 鶏(赤身)       0.10       0.10     
           オメガ―6(リノール酸) 1.90
  (白身)        0.10      0.10     
           オメガ―6(リノール酸) 1.30
 七面鳥(赤身)    0.10    0.20   
           オメガ―6(リノール酸) 1.10
     (白身)    0.03    0.10   
           オメガ―6(リノール酸) 0.50
肉類
 牛(平均的ステーキ)0.10                 
           オメガ―6(リノール酸) 0.30
 羊(腰部)       0.60   
           オメガ―6(リノール酸) 1.20
 豚(スペアリブ)   0.30   
           オメガ―6(リノール酸) 3.50
 ソーセージ(牛・豚)0.3〜0.4
           オメガ―6(リノール酸) 1.6〜2.4

植物性食品(熱帯〜温帯)
           アルファ・リノレン酸  EPA    DHA  
 カシューナッツ    0.2                     
           オメガ―6(リノール酸) 7.30
 コーン(とうもろこし) 0.5                    
           オメガ―6(リノール酸)28.50
 綿の実         0.1                    
           オメガ―6(リノール酸)11.50
 オリーブ        0.5                     
          オメガ―6(リノール酸) 5.60
 ピーナッツ       0.60                   
          オメガ―6(リノール酸)14.40
 カボチャの種                             
          オメガ―6(リノール酸)17.00
 紅花の種                               
          オメガ―6(リノール酸)20.00
 胡麻(ゴマ)      0.20                    
          オメガ―6(リノール酸)19.20
 ひまわりの種                             
          オメガ―6(リノール酸)12.00
 ココナッツ                                
          オメガ―6(リノール酸) 0.70
植物性食品(温帯〜寒帯)
           アルファ・リノレン酸   EPA    DHA  
 栗(クリ)       20.00                    
          オメガ―6(リノール酸)17.00
 亜麻の種      17.00                     
          オメガ―6(リノール酸) 7.00
 ベリラ(しそ科の種)27.00                     
          オメガ―6(リノール酸) 6.00
 大豆          2.00                     
          オメガ―6(リノール酸)11.00
 くるみ(黒)      4.00                     
          オメガ―6(リノール酸) 7.00
    (イングリッシュ)7.00                     
          オメガ―6(リノール酸)35.00
 小麦胚芽       0.70                      
          オメガ―6(リノール酸) 0.60

豆類
 インゲン豆      0.60                       
          オメガ―6(リノール酸) 0.30
 レンズ豆       0.10                       
          オメガ―6(リノール酸) 0.40
 グリーンピース    0.10                      
          オメガ―6(リノール酸) 0.30
 アオイ豆       0.20                       
          オメガ―6(リノール酸) 0.40

食用油中に含まれている必須脂肪酸の量(半角挿入のため、読みづらくてスミマセン)
 *食用油100g中の含有量 単位:グラム

                 オ メ ガ ― 3         
         アルファ・リノレン酸  EPA   DHA     
魚油 
 鱈油         0.8      12.4  21.9       
          オメガ―6(リノール酸) 1.2
 オヒョウ油      0.3      10.1   7.9      
          オメガ―6(リノール酸) 0.9
 サバ油        1.3       7.1  10.8
           オメガ―6(リノール酸) 1.1
 鮭油         0.9                       
           オメガ―6(リノール酸) 1.1
 シタビラメ油     2.0                       
           オメガ―6(リノール酸) 0.7
 マグロ油       0.6                       
           オメガ―6(リノール酸) 0.7
 スズキ油       0.8      11.7  17.4       
           オメガ―6(リノール酸) 1.6

魚の肝油 鱈
(摂り過ぎは害になる)0.9       8.0  14.3      
           オメガ―6(リノール酸) 1.5

貝の油
 牡蠣油        1.6       21.5  20.2    
           オメガ―6(リノール酸) 1.2
 ホタテ貝油      0.3       21.3  26.2    
           オメガ―6(リノール酸)0.6

植物油
 カシューナッツ    0.4                    
           オメガ―6(リノール酸)16.0
 コーン(とうもろこし) 0.8                     
           オメガ―6(リノール酸)57.0
 綿の実         0.4                    
           オメガ―6(リノール酸)48.0
 オリーブ        0.7                    
           オメガ―6(リノール酸) 9.0
 月見草         0.2                    
           オメガ―6(リノール酸)72.0
 ピーナッツ       1.1                    
           オメガ―6(リノール酸)29.0
 カボチャの種                             
           オメガ―6(リノール酸)51.0
 ケシの実                               
           オメガ―6(リノール酸)69.0
 紅花の種                               
           オメガ―6(リノール酸)58.0
 胡麻(ゴマ)      0.5                     
           オメガ―6(リノール酸)40.0
 ひまわりの種                             
           オメガ―6(リノール酸)53.0
 栗            4.0                     
           オメガ―6(リノール酸)35.0
 麻           19.0                     
           オメガ―6(リノール酸)62.0
 亜麻仁        45.0                     
           オメガ―6(リノール酸)18.0
 ベリラ(しそ科の種)67.00                     
           オメガ―6(リノール酸)16.0
 大豆          7.00                     
           オメガ―6(リノール酸)53.0
 くるみ(黒)      7.00                     
           オメガ―6(リノール酸)62.0
    (イングリッシュ)11.00                    
           オメガ―6(リノール酸)55.0
 小麦胚芽       7.0                      
            オメガ―6(リノール酸)54.0

動物性脂肪

 牛脂          0.7                      
            オメガ―6(リノール酸) 4.0 
 鶏脂          1.1                      
            オメガ―6(リノール酸)17.0
 ラード         1.4                       
            オメガ―6(リノール酸)10.0
 羊脂          2.9                       
            オメガ―6(リノール酸)5.0

    食用油の別の必須脂肪酸の含有量

食用油の種類 オメガ−3 オメガ−6   
亜麻仁油    60%     20%    
鮭の油      30      20     
くるみ油     10      40    
小麦胚芽油   10      40    
大豆油       8      50     
紅花油       1     58〜75   
ヒマワリ油     1     20〜72   
コーン油      1     40〜57   
アーモンド油    1%    14〜440
ごま油        1        40
アボカド油      1      10〜40
ピーナッツ油     1      20〜30
アンズの核の油   1      20〜30
オリーブ油      1       8〜15
ココナッツ油     1       2〜3
やしの実油      1       1〜2

第1章D必要量には個人差がある [2009年09月06日(日)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。



第1章 いまの食生活が病気を起している!誰も知らなかったオメガ―3の重要性


オメガ―3とオメガ−6の必要量には個人差がある-43

 個々の人のオメガ―3の正確な必要量や、オメガー6との最適な比率は厳密にはまだ判っていない。個人によってオメガー3を代謝する仕方も違うし、その同じ個人でも、その時々の状況いかんで栄養素の必要量は違ってくるからだ。ただ私は色々なデータから判断して、平均的な健康人は摂取カロリーの1〜2%をオメガ―3で、6〜8%をオメガ―6で摂るようにするのがいいだろうと考えている。もちろん、これはあくまでも私のため試論である。
 栄養物質は食物から摂るのが最善で、これはオメガ―3の場合も同じである。しかし、たとえばビタミン剤ミネラル剤を補うのと同じように、オメガ―3のサプリメントで食事を強化するのも手である。サプリメントとしては亜麻仁油が一番いい、味も穏やかだし、安くかつ安全だと言う利点があるからだ。治療実験に私が亜麻仁油を使ったのは、同じ理由によるものだ。
 本章の最後に一個と言うと、読者が現代のオメガー3不足に対処してこれを充分に補給し、病気を治したり予防したり、より元気になったり、より長生きするためには、私は自分自身がオメガ―3メニュー≠ニ呼んでいる食事作戦を勧めたい。そしてこの食事については別の賞で詳しく書いてある。

  「オメガ―3を摂るのは亜麻仁油からがベスト(最適)」

 魚油にはEPADHAと言う違ったタイプの脂肪酸はあっても、それ特有の働きを持ち、これらとは違う植物系のオメガ―3であるアルファ・リノレン酸は含まれていない。オメガ―3の含有量が高く、特にアルファ・リノレン酸を多く含むのが亜麻の種から造られた亜麻仁油(あまにゆ=フレックス・シード・オイル)である。亜麻仁油は昔からヨーロッパでは食用油として使われて来たもので、我々が必要なオメガ―3を確実に摂るためには亜麻仁油を調理や食品補助剤として使うのが一番いい。くるみや大豆の油、小麦胚芽油もオメガ―3が多いので亜麻仁油と同様に利用できる。しかし病気を治療する目的でオメガ―3を補う場合には、オメガ―3がずば抜けて多い亜麻仁油が最上である。その意味では亜麻仁油は病気治療のための食用油といっていいほどである。
 魚油もオメガ―3をたくさん含んでいるが、それは前述のように亜麻仁油に断然多いアルファ。リノレン酸とは違うオメガ―3の脂肪酸であるEPADHAであり、病気の予防や治療には次のような理由で、やはり亜麻仁油がベストである。

(1)EPADHAの多い魚油とは違うオメガ―3であるアルファ・リノレン酸(以下ALA)を大量
 に含んでいるのは亜麻仁油だけである。そしてALAは体に不可欠なオメガ―3系列の必須
 脂肪酸の中の基礎的なオメガ―3であり、特別なタイプのプロスタグランディンの生成に関
 与する、ある種の酵素に影響を与える唯一の脂肪酸である。
(2)亜麻仁油も亜麻の種もギリシャ、ローマの昔から調理や治療に使われて来た。第2次世
 界大戦前に北欧では、毎週搾りたての亜麻仁油を各家庭では料理用の油として買ってい た。ローマ・パンの特徴的な材料として亜麻の種は使われていた。朝食用シリアルに昔か ら小さじ1杯の亜麻仁油を振り掛けて食べている家庭もある。
(3)亜麻仁油は同じオメガ―3でも魚油よりずっと使いやすい。特に病気の治療目的に使う
 時にはそうで、必要な場合には大量に摂っても問題は無いし、魚油と違って料理屋サラダ のドレッシングとしても使える。
(4)魚油のカプセルより亜麻仁油ははるかに安く、1日分はわずか何セントかであり、魚油と 同様にコレステロールを下げたり、多くの症状や病気に効果がある。
(5)現代に多い様々な病気の治療に、私の治療実験も含め他の栄養学者などが治療実験 に広く使って効果が確認されている唯一の油が亜麻である。亜麻仁油を単独で使った場合 の効果は、一般的に言って魚油を単独に使った場合より高いと言えそうだが、亜麻仁油・
 魚油・月見草油の3者を組み合わせると、しばしば最上の効果が上がる場合もある(これ
 に関しては第3章で後述する)。
(6)私の治療実験や研究からは食物繊維、オメガ―3の必須脂肪酸、セレニウム、その他
 の食事中の抗酸化物質(ビタミンAおよびベータカロチン=ベータ・カロテン、ビタミンC、ビタ
 ミンE,など)と、それに飽和脂肪酸、砂糖、コレステロール、水素添加で造られる狂った脂 肪≠ネどの摂取量との栄養的な相関関係も明らかになってきた。これは当然のことで、そ
 れら全ての要素は後で論ずる重要な体の機能をコントロールするのに働く脂肪酸の体内で
 の生成に影響するものだからである(この脂肪酸の生成には運動やストレスも影響する)。
   いま挙げたような全ての栄養素の摂り方が歪(ゆが)んでいるのが現代風の食事であ
 り、その結果として起きているのが現代に特有の相乗的、総合的な誤栄養と言う現象で
 ある。私のオメガ式食事・栄養プログラムもこの誤栄養を正すのが目的であり、このプログ
 ラムを私は現代の相乗的誤栄養を正すために工夫された「初めての完全な食事・栄養物質
 補給作戦」だと考えている。
  ここで私が自分の食事・栄養プログラムを「初めての完全なプログラム」と言うのは、オメ
 ガ―3の事を考慮に入れたこの種のプログラムはこれまでに皆無だったし、私のプログラム
 で多くの現代病が治り、患者たちが健康を取り戻している事実がたくさんあるからである。

  「人間や猿はトウモロコシ油(コーン油)では病気になる」
    ―オメガ―3の必要性を裏付けた実験

猿を使った実験で決定的な意味を持ちながら、その意味を充分に理解されていない実験がある。
 1970年にイギリスの科学者は、猿をトウモロコシ油(コーン油)で飼った。猿は2年のうちに病気になり、皮膚炎・下痢・脱毛・痴呆症等を起こし、精神的に狂う猿もあって、そう言う猿は意味なく吼(ほ)え、自分の体に噛み付くような異常な行動を起こした。猿に与えた餌は実験動物用の標準的な餌で、栄養的に問題の無い餌と考えられている内容のもので事実、ネズミその他の実験動物の場合はこの餌で問題は起きなかった。
 研究者は餌に問題があると思い餌に亜麻仁油を加えてみたところ、2ヶ月以内に猿の病気が治った。この実験は、ネズミ等ではトウモロコシ油に含まれる少量のオメガ―3の脂肪酸で充分だが、猿のような霊長類にはそれでは不足だと言うことを示したものと解釈していい。人間もこの餌と同様な食事では、猿と同じように色々な病気になるのに、これが実は現代社会の平均的な食事なのだ。そして、より大きな問題は多くの専門家たちが現代の食事の中の他の問題には気づきながらも、オメガ―3の必須脂肪酸に関しては何も気づかず、猿を病気にしたような現代の食事で問題は無いと思い込んでいることである。

 「オメガ―3を補うには」

 読者が健康な人なら、小さじ1杯程度の亜麻仁油を毎日補うと、オメガ―3の最低必要量、約2グラムが補える。
 これは現代のオメガ―3不足を補うには余りに少量だと感じる人もいようが、栄養物質は不可欠なものでもごく少量で強力な威力を発揮するものもあるのだ。2ミリグラム(千分の2グラム)とか3マイクログラム(百万分の3グラム)と言った少量のビタミンB1不足やB12不足が、脚気(かっけ)や悪性貧血を起こすほどである。
 オメガ―3は酸化し易い脂肪だが、空気を追い出して不活性ガスを容器に詰めたり、冷蔵庫で保存したり、自然な坂防止剤ビタミンE を加えたりすれば、何ヶ月も本来の品質を保ちうる。

 以後、本日怒涛の4連戦!第2作目に続きます。
第2章こんな病気にオメガ―3が効く!@ [2009年09月06日(日)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。



第2章 こんな病気にオメガ―3が効く!オメガ―3の不足と病気には関連がある

病気を引き起こす7つの要素−52

 オメガ―3とオメガ―6の量種類の脂肪酸は、今日の栄養問題と言う複雑なドラマの中で極(きわ)めて重要な役割を一緒になって果たしている。

  「要素その1 遺伝的要素」

 人の顔がそうであるように、色々な栄養の必要度も病気への罹(かか)りやすさも、遺伝の影響と無縁ではない。体内の酵素の働きが弱いとか、ある種の栄養素の吸収が悪いとかいった要素を遺伝的に持っている人は、ビタミンB類・ミネラル・抗酸化物質・必須脂肪酸などの必要度も平均以上になっているので、その分だけ必要になる。
 情緒面で緊張しやすいと言ったいわゆるAタイプの性格≠ネども遺伝的な酔うその影響でそう言う性格になっているのであり、また落ち着きが無い、興奮した行動に走りやすいと言うのも同じである。
 また人によって少しのイライラでもステロイドやホルモンがたくさん分泌される人もあり、そうなると全ての栄養素が余分に必要になってくる。
 だからそんな時に栄養の面での不足があれば、プロスタグランディンの生成や働きの面でも問題が生じるし、その他、必須脂肪酸がベースになっている体のコントロール・システムにも狂いが生じる。同じ家族に同じような病気が出やすいのは、そう言う病気に罹りやすい遺伝的要素が受け継がれているからである。

  「要素その2 必須脂肪酸の不足」

 オメガ―3の脂肪酸の不足が多くの場合、問題になる。これは食生活の中に元々オメガ―3が不足している事、オメガ―6の過剰、狂った脂肪≠ェ体に入り込んでいること等によって、オメガ―3とオメガ―6のバランスが崩れたり、オメガ―3の働きが妨げられたりして起きている。これらの要素が1つでもあると、オメガ―3およびオメガ―6の必須脂肪酸の働きが万全には行かなくなる。

「要素その3 ビタミンミネラル・抗酸化物質の不足」

 ビタミンB類やミネラル類の不足は、先進国の食生活の中では広く一般化している。デンプン質の多くを精白した穀類や砂糖から摂っているような食生活になっていることが原因である。ビタミンB6も、精白した穀物ではなくなっている。その上B6はビタミンB強化食品でもB1やB2、B3のように強化されていないので、なおさらだ。こういう状況では必須脂肪酸×プロスタグランディンのシステムの働きは妨げられてしまう。なぜならば、食物中から摂られた必須脂肪酸はビタミンB類の働きによって生理的に役立つ形の必須脂肪酸に体内で変えられて初めて役割を果たすのに、ビタミンB類が不足してはその転換がうまくいかないからだ。
 微量ミネラル類の不足もやはり穀類の精白の中で起きている。ミネラルも穀類の胚芽の中に多く含まれているのに、穀類の精白では胚芽を取り去って捨ててしまうからである。ミネラル類は酵素の中にあって協働(きょうどう)要素として働いていて、必須脂肪酸の代謝にも役立っている。他のミネラルももちろん大切だが、必須脂肪酸の代謝のためにはマグネシウム亜鉛・銅・セレニウム・コバルト等が特に重要である。
 またベータ・カロテン(=ベータ・カロテン)ビタミンCやE、セレニウムそれにアミノ酸のメチオニン・システイン等の抗酸化物質の欠乏は、必須脂肪酸の欠乏につながる。そうなると必須脂肪酸から体をコントロールする生理的な活性を持つタイプの必須脂肪酸への転換が充分に行われず、同時に必須脂肪酸が酸化されて有害な副産物ができてしまう。

「要素その4 繊維の不足」

 必須脂肪酸と食物繊維は、脂肪やコレステロールのレベルをコントロールする上で一緒に働いている。繊維が不足すると消化器系のなかで必須脂肪酸が破壊されてしまうので、食物から必須脂肪酸が摂られていても二次的な必須脂肪酸不足が起きる。繊維の少ない食事の人は、そのために起こる血液中のコレステロールの上昇を余分に必須脂肪酸を補うことでコントロールする必要が生じる。なお繊維のことについては、もう少し後でページを改めて、やや詳しく述べよう。現代の繊維不足は大きな問題だからである。

  「要素その5 運動不足」

 いつもエアロビック(有酸素運動による脂肪燃焼)効果のある運動をしていることが脂肪酸の代謝や免疫機能の働き、心臓病予防に効果的なことは証明済みである。また運動にはストレス解消と言った心理面での効果もある。ある実験で猿の集団に1時間ずつ1週間に3回エアロビック的な運動を1年以上続けさせたら、動脈硬化を起こすような高脂肪の餌を与えても血栓ができるのが減ったと言う。

  「要素その6 ストレス」

 ストレスは体に影響して、ステロイドの分泌系を刺激する。そしてこの分泌系は、必須脂肪酸とコレステロールの代謝や、必須脂肪酸そのものに影響する。私の治療実験では、患者にオメガー3の脂肪酸の多い亜麻仁油を繊維やビタミンなどのサプリメントと一緒に与えたら心が落ち着き、精神的な強さも出てきた。

  「要素その7 反栄養素と有害物質」

 プロスタグランディンの生成や必須脂肪酸の働きが妨げられるのは好ましくない。しかし次のような要素は必須脂肪酸の働きを妨げるものになる。

●食事中の過剰な飽和脂肪酸
●食事中に含まれる狂った脂肪
●精白した穀類や白砂糖を多く摂る事
●カフェイン・アルコール・タバコ
●レクリエーション・ドラッグ(幸福な°C分にさせてくれる薬のこと。マリファナ等から運転
 中の眠気覚ましに服(の)む薬など、いわゆる気分をハイ≠ノしてくれる薬と言う=訳者)
●医者の薬を安易に使うこと
●環境汚染栄養素の必要量を増大するようなストレス

 今のリストに出てきた食物中の有害な要素は、本当は栄養物質と呼ばず反栄養素と呼ぶべきものである。体が適切に機能するのに役立つのが栄養素であり、体はそう言うものを必要とするのに、これらの反栄養素は有用な栄養素の働きを妨げたり、ゼロにしたり、あるいは有用な栄養素食い荒らしたりしてしまうからである。
 ショートニングやマーガリンの中には狂った脂肪≠ニ言う1つの反栄養素が含まれている。また業務用の食用油は何度も熱せられる―レストランやファースト・フードの店で、いつもやられているのがこれである―するとそう言う加熱の中では脂肪のあるものはリング状をしたラクトン≠ニ言われるものに変わってしまう。
 このラクトンが増えると、それはプラズミンと言う酵素の働きを妨げ、動脈に血栓ができる要因の1つにもなり得る。プラズミンは血栓を溶かす働きがあるものだからだ。
ついでに言うと適度な運動はラクトンとは逆に、プラズミンが血栓を溶かす働きを強化する。

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  「現代の食生活はダメージを受け入れている」
    ―現代の栄養欠陥―

 いま述べた7つの要素との関連で見て、現代の食生活は問題だらけである。100年前の食生活と比べてみると現代の食生活には次のような欠陥がある。

●オメガ―3の必須脂肪酸は80%少なくなっている。
ビタミンB類は毎日の必要量の50%しか摂られていないと推定される。
●現代人の20%はファースト・フード、清涼飲料水、アルコールを主な食品としている。
●ほとんどの人がビタミンB6不足である。現代的な穀類の精白でB6はなくなっている一方
 で、いわゆるビタミン強化食品にも、これは強化されていないからである。
ビタミンB1、B2、B3およびEも食品の精製や過去の中で失われている。
ミネラルも同じようにして失われているが、特に抗酸化物質として重要なセレニウムは
 50%失われている。
●繊維は75〜80%も少なくなっている。
●反栄養素は非常に増えた。飽和脂肪酸は100%、コレステロールは50%、白砂糖は
 1,000%、塩は500%、狂った脂肪≠ナある脂肪の異性体は1,000%増えた。

 食品そのもの及び食生活の変化は、これだけはまだ悪さがたりないと思っているごとくに悪い影響を増幅している。と言うのは、これらの変化の影響はそれを単純に足し算したものにとどまらず、相乗的な掛け算になって影響を及ぼすのが実際だからである。これは体の中で以上の要素がお互いに相乗的に働き、それが体をコントロールする働きをする必須脂肪酸の生成の上でダメージとなるためである。
 そしてこれが「ある期間、長期的に続くと人々はその人それぞれに遺伝的に罹りやすいタイプの病気を発病する」と言うのが、現代の誤栄養が社会にもたらしている影響である。


第2章A繊維とオメガ―3の重要性 [2009年09月06日(日)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。



第2章 こんな病気にオメガ―3が効く!オメガ―3の不足と病気には関連がある

繊維とオメガ―3の重要性―60

 食物繊維と言う言葉は、植物性食品の中に含まれていて消化できないものの総称である。植物の構造をしっかりさせる役割をしているのが繊維である。繊維の中のもの―セルロース、ヘミ・セルロース、リグニンは水に溶けないが、これらは自分の目方(=重さ)の何倍もの水を吸収する。これらの繊維は穀物の外皮の中にあるので、現代風に穀物を精白して外皮を剥ぎ取るとなくなってしまう。水溶性の繊維もあり、グァム、ペクチン、粘質物がこれで、この種の繊維は水に溶ける。果物や野菜の中の消化不能な部分がこれである。この繊維の含まれ方は、それぞれの食物によって異なるが、果物ジュースではこの繊維がなくなってしまっている。
 繊維は確かに消化できないが、消化管の中は通過してゆく。水に溶けない穀物の中の繊維は、カサを増やす役割をしていて体内の老廃物の体外への排出を助けたり、腸内のバクテリアの活動にいい影響を与えたりするので健康のために役立っている。水溶性の繊維(果物や野菜の中の繊維)は前にも言ったように、胆汁の分泌に影響することで血液中のコレステロールを減らすのに役立っている。
 繊維の役割が認識されるようになったのは、イギリスの研究家トロウェル、クリーブ、バーキャット、ペインターなどのアフリカの食生活と健康の関連に関する研究からであった。彼らの研究からは繊維不足は消化器に関する病気、たとえば大腸ガン、盲腸炎、それに心臓病、肥満、糖尿病等の原因になることが判った。

  「なぜ繊維が必要なのか」

 オメガ―3やオメガ―6の必須脂肪酸も血液中のコレステロールをコントロールするが、繊維は消化管の中でのコレステロールをコントロールするのに役立っている。繊維は、大腸から胆汁酸が糞便を通じて体外に排出されるのを促す。そしてこの胆汁酸は、体内でコレステロールを原料として造られているものである。そこで繊維によって胆汁酸が体外に糞便を通じてたくさん排出されると、その分の胆汁酸が体内にあるコレステロールから造られて補充される。これによって体内のコレステロールはその分だけ減る。つまり繊維は胆汁酸をたくさん体外に輩出することによって、血液中のコレステロールを減らす役割をしているわけである。血中のコレステロールを減らす繊維は、間接的にだが、確実に心臓病の予防に役立っていることになる。
 オメガ―3やオメガ―6の必須脂肪酸も、血液中のコレステロールをコントロールするが、繊維は消化管の中でのコレステロールをコントロールするのに役立っている。
 繊維は大腸から胆汁酸が糞便を通じて体外に排出されるのを促す。そしてこの胆汁酸は、体内でコレステロールを原料として造られているものである。そこで繊維によって胆汁酸が体外に糞便を通じてたくさん排出されると、その分の胆汁酸が体内にあるコレステロールから造られて補充される。これによって体内のコレステロールはその分だけ減る。つまり繊維は胆汁酸をたくさん体外に排出することによって、血液中のコレステロールを減らす役割をしているわけである。「血中のコレステロールを減らす繊維は、間接的にだが確実に心臓病の予防に役立っている」と、言うことになる。
 加えて繊維はコレステロールから発ガン物質が造られるのも防いでいる。繊維と必須脂肪酸は、血中のコレステロールを減らすのに一緒に働いている。両者はそれ単独でも効果があるが、一緒になると効果は倍増する。ナイアシンビタミンB3もまた、運動や原料と同じようにコレステロール低下効果を持っている。これらは栄養的な相乗作用の一例であり、同じ効果を持つ食物中の要素は、それ単独よりも一緒になった時のほうが効果は幾何級数的に高まる。
 イギリスの研究者たちのパイオニア的な研究は、「穀物を精白する鋼鉄製の精白機が登場した1850年以降、色々な病気が増えた」と言う、統計学的な分析から始められた。同じ病気はそれまで西洋化されていなかった国々でも、いまのと同じ近代的な精白技術が導入されるようになると、やはり同じように増えたのであった。しかし、私がそれまで誰も手をつけなかった問題を調べてみて解ったのは、「現代的な精白技術は我々から繊維を失わせたと同様に、必須脂肪酸も失わせた」と、言うことであった。そしてこの両者は、体の多くの機能を一緒に助けているものなのだ。
 読者は、自分がどれだけの量の繊維を摂っているかを知りたければ、次ページ(以降)の表で自分が食べた食品をチェックして、その繊維の含有量を合計してみるといい。

   繊維摂取量の計算の目安(システム上、ブランクが入ると読みにくくなります)

食       品 食べる量   その食品1単位あたりの繊維含有量(グラム)
穀物
 パン(白)     1切れ     1グラム以下
 パン(全粒粉)  1切れ     1〜5グラム
とうもろこしパン   1個      2
グラハムクラッカー  2       1
ライ麦ウエハース   2       2
シリアル
 ふすまフレーク  2/3カップ  4
 コーンフレーク   1カップ    3
 グリッツ      1/2カップ   8
オート麦       1/2カップ  10
小麦加工品     1/2カップ   6
果物
 りんご       中1個      4
 バナナ       中1個      4
 クロいちご     1/2      5
 つるこけもも    1/2      4
 グレープフルーツ 中半個     2
 ぶどう        12粒      3
 桃          中1個      4
 プルーン      中2個      4
 キイチゴ      1/2カップ   5
 ストロベリー    1/2カップ   3
野菜
 ブロッコリー    1/2カップ(生)2
 キャベツ      1/2カップ(調理したもの)2
 ニンジン      中半本(生)   2
 セロリ       1/2カップ(生、刻んだもの)2
 とうもろこし    1/2カップ(調理したもの) 5
 レンズ豆      1/2カップ   8
 レタス       1カップ     2
 さや豆       1/2カップ(生)7
 ジャガイモ     1/2カップ   3
 ほうれん草    1/2カップ(調理したもの)7
 トマト       中半個(生)   2
ナッツ類
 ブラジル・ナッツ 1/2カップ   8
 ピーナッツ    1/2カップ   9

  「繊維はコレステロールや血糖レベルも正常にする」―66

 小麦を白い小麦粉にし、トウモロコシその他の穀類をグリッツやグローツにするといった過程の中で、現代的な精白機は穀類から繊維と一緒に胚芽も失わせてしまう。こう言う精白の過程では、次のような栄養素が失われる。

全粒穀物シュレッド加工製品の製造
... 粒子と複合させて、グリッツ、フレーク、または粗挽き粉の形にし、 ... 使用することができる穀物の例は、全粒穀物としてのトウモロコシまたはトウモロコシの穀粒、オート麦またはオート麦グローツ、大麦、ライ麦、米ライ小麦、 ...
www.j-tokkyo.com/2006/A23L/JP2006-304797.shtml

 ビタミンB類、ミネラル類、ビタミンE、セレニウム、脂肪酸、繊維。
 このうち、繊維以外は、みな胚芽の中に含まれているものである。
 私の繊維ミックスのサプリメント≠ヘ、読者が食事の中で適切な量の繊維を毎日摂れるようにと工夫したものである。
 現在、色々な研究で解っているのは、自然な食物繊維は単に消化機能を正常にするだけではなくて、次のような役割もしていると言うことである。
●血液中の脂肪やコレステロールを正常なレベルに維持する。
●血糖レベルを正常に保たせることで、インスリンの生成を正常にコントロールし、食後30分
 経(た)った時の空腹感のリバウンド≠防ぐ、
●大腸ガンを予防する。
●過敏性腸症候群や憩室を防ぐ。

 消化器系のトラブルは、オメガー3の必須脂肪酸と繊維の両者が共に不足した時に起こる両者の欠乏の相乗的な症状の1例に過ぎない。高血圧、動脈硬化、ガン等も、やはり両者の欠乏が原因になっている病気である。

繊維をミックスしたサプリメントのレシピ―67
 私はこれを「繊維カクテル」とか「繊維前菜」と呼んでいる。

●1回分として次のようなものを作る。
材料
 ふすま…大さじ1    ←
                 |どちらか
 亜麻の種の粉…小さじ1←
オオバコの種の粉…小さじ1/4
ヨーグルト…大さじ2杯
小麦胚芽…小さじ1/4
水…大さじ1〜2杯
〔作り方〕
 以上の全部を口の広いグラスに入れて軽く掻き混ぜ、全部が馴染(なじ)むまで5分ほど待つ。スプーンで食べ、食べ終わったら水を1杯飲む。

注::何回分かに分けて作っておき、1日1か食べる。そのやり方は300ページを参照。

  「オメガ―3をプラスすると効果が上がる」―68

オメガ―3の必須脂肪酸不足で起きているトラブルが、機能だけで解消するわけではない。またセレニウム、ビタミンE、Cなども病気の回復に効果を発揮するが、これらもまた「それだけで決め手になるもの」ではない。私の患者の多くは何年にも渡ってサプリメントを摂っていた。それも中には大量摂取を続けていた人もいるし、繊維をそこに追加した人もいた。しかし、彼らはそこにオメガ―3の必須脂肪酸を追加するまでは、本当の健康にはなれなかったのだ。その他の多くの慢性的な症状と共に起きていた消化器系の病気も、繊維をサプリメントとして与えるといい反応は見せる。しかし一番、効果が上がるのは「そこに更にオメガ―3の必須脂肪酸を食事の中に追加した場合」なのだ。
 オメガ―3の必須脂肪酸は、全般的な健康への扉を開く栄養上のカギなのだ。多くの体の機能を効率的に働かす上で失われた鎖≠ノなっているのが、オメガー3の必須脂肪酸なのであった。
第2章B44人の治療実験の参加者たちに共通のトラブル [2009年09月06日(日)]
 これは、あなたに勧めているわけでは御座いません。世の中には、「こういう考え方があり、それを実践している方が居る」と、云うことです。また、現在ではいろいろな研究により、それぞれの栄養素の効用や弊害(へいがい=副作用)についての情報が公開されております。
 実践されます方は、くれぐれも御確認の上、自己責任・自己管理の下(もと)で行って下さい。



第2章 こんな病気にオメガ―3が効く!オメガ―3の不足と病気には関連がある


驚くほどの効果を上げたオメガ―3作戦―69

 私のオメガ―3作戦は「人間は本来、健康になるように生まれついていて、健康は幸運な偶然で恵まれるものとは違う」と言う考えを根本的な考えとしている。生命そのものと同じように、健康も個々の細胞からスタートしている。人間は誰でも塵(チリ)よりも小さい1つの卵子からスタートしている。精子と巡り会って受精が行われ、受精卵は分裂を始めて次の細胞を造り、その細胞は再び分裂や分化を繰り返して無限な数の細胞となって、それが1人の人間を形成するに至る。
 オメガ―3とオメガ―6の必須脂肪酸は、1つ1つの細胞を取り囲む細胞膜の主要な構成要素である。結論は単純明快でオメガ―3とオメガ―6の必須脂肪酸をバランスよく摂ることが健康な細胞膜を造ったり、プロスタグランディンやその他細胞の働きをコントロールする生理物質を造るのに大切だと言う一語で尽きる。個々で繰り返していいたいのは、今日のほとんどの病気とまではいわないまでも、非常に多くの病気がある種の栄養の欠乏によって起きていて、それは過去の栄養飢餓病たる脚気(かっけ)などの起こり方と同じだと言うことである。今日の社会はオメガ―3欠乏社会になっている。

  「44人の治療実験の参加者たちに共通のトラブル」

 私のオメガ―3の必須脂肪酸による治療実験に参加した人々の病気の中には、驚くほどの共通点があった。

●40%の人には荒れ肌と言う皮膚のトラブルがあった。頭のフケ、眉(まゆ)、腕、脚、手な
 どの脱皮、指の皮膚のひび割れ等があったのだ。
●75%の人は「疲れやすい」と、訴えていた。最も彼らの中には自分の状態が普通と思って
 いて、治療実験の中で本当のスタミナを体験してからそのことに気づいた人が少なくなかっ
 た。
●50%の人には免疫機能のトラブルがあった。食物アレルギーその他のアレルギーや、リ
 ウマチ様関節炎その他がそれであった。
●45%の人に粘液嚢(ねんえきのう)炎(注 粘液を貯める部位で生じる炎症)、腱鞘(けん
 しょう)炎、骨関節炎などがあった。

粘液嚢…腱(けん)と骨との間や皮下の骨隆起上などの摩擦部位に見られる液をためておく
     場所。

粘液嚢 (bursa) とは - コトバンク
粘液嚢 (bursa)に近い言葉 粘液嚢炎 (bursitis) | 粘液 | 粘液腺 | 粘液質 | 粘液水腫 | 滑液包 (bursa) ... 「胆嚢粘液嚢腫」と診断されたのですが、肝機能の数値が異常に高いため手術はできない、と言われました。 ...
kotobank.jp/word/%E7%B2%98%E6%B6%B2%E5%9A%A2+(bursa) -キャッシュ

●多くの人が頭痛、皮膚のかゆみや炎症、耳鳴りを持っていた。
●イライラは治療実験参加者の共通項のようだった。
●多くの人がいま挙げた症状を1人で全部持っていたり、それ以上の症状を持っていたりし
 た。

 これらのトラブルに加えて主要な病変があるわけで、それがつまり彼らの症候群だった。しかし多くの者が、亜麻仁(あまに)を補う私の治療実験に良好な反応を示した。だから彼らの症候群とは、結論として言えば現代の文明化症候群だったと言ってよいことになる。

  「治療実験参加者たちの普段の食事」―71

 参加者の2/3は少量の野菜、サラダ、果物等を食べ、少なくとも1日に1回は牛肉を食べていた。米や小麦は精白した白米や白い小麦粉で、バターやショートニング、マヨネーズ、砂糖はかなり使っていた。デザートはクッキー、アイスクリーム、清涼飲料水などがごく一般的だった。
 残り1/3の者は、大体同じような食事パターンだったが、意識的に低コレステロール食≠ノ執着していて、バターの代わりにマーガリンを使い、肉も脂肪のない部分を食べ、牛乳も無脂肪のものを飲んでいた。サラダのドレッシングにはオメガ―6系列の不飽和脂肪酸に属する油をふんだんに使っていた。この1/3のグループの人のグループの健康状態は、前の2/3の人々に比べて別によいとは云えなかった。
 前述したように肌荒れその他の皮膚のトラブル、スタミナの欠如、免疫上の欠陥などの多くの症状が共通してあり、その他にそれぞれに主な病気を持っていたのが、私の治療実験参加者たちだった。
 そして彼らの食事は、いま言ったように典型的な現代風な食事で、当然オメガ―3の必須脂肪酸も不足していた。その彼らが本書で勧めているようなオメガ―3メニューとオメガ―3の必須脂肪酸やビタミンなどの抗酸化物質のサプリメントで、次章に紹介するように目覚しい効果を上げたのだ。このことは取りも直さず、現代の食事がいかに不健康なものかと言うことを逆の面から証明しているものに他ならない。

  「狂った脂肪」が病気を引き起こす」―73

 10年か15年位前まで、日本では乳ガンや大腸ガン、前立腺ガン、心臓病などは少なかった。伝統的な日本食の中では、牛肉や乳製品で摂る飽和脂肪酸も少なく、水素添加して造ったマーガリンやショートニングから体に入る狂った脂肪≠熄ュなかった。そして逆に繊維は多く、オメガ―3の必須脂肪酸やセレニウムも魚から摂られていた。しかし、アメリカに移住した日本人はアメリカ人と同じぐらい大腸ガンや心臓病、その他の病気に罹(かか)ることが昔から知られていたし、今では日本本土でもこれらの病気が増えている。
 いま日本についていったことは、食事がいま西洋化している南方地域やその他、かつては伝統的な食生活だったどこの国についても同じように言える。ということは、逆に言えば現代の西洋のような食生活ではない食生活にすれば、いまの西洋諸国に多く日本などでも増えている多くの病気は減らせると言うことでもある。「逆もまた真なり」なのだ。

  「食事と病気の関係」―74

 精神分裂病もガン、心臓病、糖尿病などと同様に、食事との関連で増えている病気と思われる。そしてこれらの病気は繊維やミネラルビタミン、オメガー3およびオメガー6の必須脂肪酸が多い伝統的な食生活をしている社会には稀(まれ)だと言うことを統計は教えている。また、先進国でも加工食品便りの食生活をやめて伝統的な食生活に戻った人々の間では、これらの病気がずっと少なくなることも明らかにされている。

ノルウェーの覗き窓′サ象―74


 第2次世界大戦中のノルウェーで偶然に起きた1つの現象は非常に説得力がある。ノルウェーでは1900年以降ガンや精神分裂病、心臓病が2倍に増えた。ノルウェー国民が伝統的な食生活を捨てて、食生活を現代化する中でそうなったのだった。しかし、突如としてこれらの病気が40%も減って驚かせた。病気の減少した時期は、戦時中のドイツによるノルウェー占領の時期と正確に一致していた。
 この恐怖の時期に、ノルウェーの食事には何が起きたのか?ドイツ軍の占領により、ノルウェー国民は水素添加した脂肪や生成した加工食品が入手できなくなり、やむを得ず、伝統的な食生活に戻ったのだった。
 豆類や無精白穀類、魚などかつてはノルウェー人の主要な食品だったものが再び毎日の食事の内容となった。この現象を調べた研究者たちは、精神分裂病や心臓病、ガン等の40%の減少は、ドイツ占領下の食事の中にオメガ―3の必須脂肪酸が50%増えたことと符合することを突き止めた。私はこの現象をノルウェーの覗(のぞ)き窓≠ニ呼んでいる。
 この時期には繊維の摂取が増えたのも間違いないし、マーガリンの使用がウンと減ったのも確かである。第2次世界大戦が終わると、ノルウェー人もまた商業的な加工食品に頼る食生活に戻り、心臓病や精神分裂病の発生もすぐに第2次世界大戦の水準に逆戻りした。
 アメリカ、カナダ、オーストラリア等では、戦時中も食事に大きな変化はなかったのでいまのような現象は起きなかったが、ノルウェーの覗き窓≠ヘ我々に重要な事実を覗かせてくれるものである。
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