完熟！でこぽん日和

テレビ・ラジオは別として、私の若い頃はパソコンはもちろんCDすら無く、レコードというものから音楽を入手していました。しかし我が家には、そのレコードを聴くためのレコードプレーヤーが無かったのです。

いや、あるにはあったのですが、レコードプレーヤーも一体になったコンポ型ステレオで、その肝心のレコードプレーヤー部分が壊れて使えなくなっていました。何とかタイマーが発動していたのでした。

でも欲しいレコードは購入していました。もちろん家では聴くことが出来ないので、友人の家でカセット・テープに録音してもらい、それを聴いていたのです。

カセットの音質はレコードより劣りますが、私のレコードは多くても2・3度しか針を落としていませんから新品同様です。大人になってから高品質のレコード・プレーヤーで、そのレコードを楽しもう、そう企んでいました。

ところがどっこい！そうしている内に時代はレコードからCDへ。レコードの頃ほど傷を気にしなくても良い時代になったのです。

それでも最初の頃はCDもCDプレーヤーも高く、相変わらずレコードを購入していたのですが、世の中はあっという間にCD優勢へ。

友人もCDに乗り換えたため、私も仕方なくCDに購入を変更して、友人の家でカセット・テープに録音してもらい、それを聴いていたのです。デジャヴュ、つーかCDプレーヤーくらい買いなさいよ。

と言われてもビンボーだったので、CDプレーヤーを購入したのは自分で金を稼ぐようになってからです。

録音したカセットはいちいち手書きでタイトルと曲名を書いていました。今はそんなことパソコンで出来ちゃいますね。随分と手間のかかることをしたものです。

そうしているうちレコードもカセットも膨大な量に膨らみ、家を購入したのをキッカケにして、かなりの量を処分してしまいました。

それでもかなりの枚数のレコードが押入れに眠っています。未だにレコード・プレーヤーは買っていません。というか、CDになってからわざわざプレーヤーを買っても仕方がないかなと思ったので。

でも、レコードにしてみれば、いつまでも新品のままで保存されるより、ボロボロになるまで聴いてもらう方が本望でしょうか。

最近はUSBで接続できるレコードプレーヤーも出ているようです。秋の夜長、そろそろレコードに針を落としてみましょう。


おしまい。