ロードバイクに乗りながら、多摩川サイクリングロード(多摩サイ)で見た夢、見た風景、想った事などを中心に、気ままに更新中のブログです。地球の上の様々な場所の一つ、東京の近郊から。

言語芸術論 2     [2008年11月01日(土)]
●鎖骨骨折から659日目。

先日、吉本隆明さんの講演会に行ってきた。

場所は、新宿・紀伊国屋ホール。

講演会のタイトルは、「芸術言語論 その2 自宅から生中継」。


吉本さんのご自宅と会場がインターネット回線で結ばれ、紀伊国屋ホールの大きなスクリーンに吉本さんのお顔が大きく映されて、講演が始まった。

 ◆大雑把な要約;
   ・日本語の詩の起源は、「記紀歌謡集」の中にある「問答歌」。神話と歌謡が調和し、結合
    している。
   ・奈良時代には、歌謡よりも短く整った「和歌」(短歌)が生まれた。和歌の五七五・七七と
    いう構成は、上の句と下の句で、主観性と客観性或いは受身と積極性の対比があり、
    「問答歌」の名残りが見られる。江戸時代に、さらに短くなった「俳句」の中にも、同様の
    対比がある。
   ・優れた歌人、芭蕉も正岡子規も、そのことをよく理解している。
   ・そして、萩原朔太郎の「月に吠える」、中村草田男、角川春樹、岡井隆、吉増剛造、辻井
    喬らの現代詩へとつながっている。

 ◇優れた句として、紹介されたもの;
    風になびく富士の煙の空に消えて ゆくへも知らぬわが思ひかな (西行法師)
    夏草や つわものどもが 夢の跡 (松尾芭蕉)
    暑き日を 海にいれたり 最上川 (松尾芭蕉)
    鶏頭の 十四五本も ありぬべし (正岡子規)
    かなかなや 蝋涙 父の貌に似る (角川春樹)

 ◇俳句になっていない(目前の風景を詠んだだけ)、と説明されたもの;
    赤とんぼ とまっているよ 竿の先 (三木露風)

「つかしん」(堤清二の街づくりの理念を具現化した尼崎市の商業施設)を、"驚くべき理想の都市”と呼び、辻井喬(=堤清二)の自伝詩に対応させて、吉本さんのお話は終わった。

ハイビジョン画像のリアルタイム圧縮技術(XVD)を使ってスクリーンに投影された映像は、極めて鮮明で、実に見事なQUALITYだった。

83歳というご高齢にも関わらず、熱く語り続ける吉本さんに、とても感銘した。

”奇跡的な講演会”に立ちあった、と思う。

糸井重里さん、スタッフの皆様、素晴らしい企画と見事な運営でした。

有難うございました!
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