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鎖骨骨折から73日目。
左腕を意識的に使ったリハビリを継続中。
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映画「ターミナル」(The Terminal、2004年米国作品)を、DVDで観た。
監督はスティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)、主演はトム・ハンクス(Tom Hanks)。美貌のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ(Catherine Zeta-Jones)も出演。
ヴィクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)は、東欧のクラコウジアという(架空の)国から、JFK国際空港に降り立った。ニューヨークで、ある約束を果たす為に。ところが、ちょうどその頃、祖国でクーデターが起こり、事実上、国が消滅してしまう。パスポートを没収されたヴィクターは、アメリカへの入国を拒否され、帰国もできず、空港から一歩も外に出られない。
英語が判らず、お金もないビクターは、ターミナルの中で生活しながら、事態の改善を「待つ」。
アメリカへの入国を拒否されるところの
英語が、とても鮮烈。
You are a citizen of nowhere. You are unacceptable. America is closed.
人種の「るつぼ」、ニューヨークを象徴する様々な人種が登場する。空港で働く愉快な人々との出会い。小粋な会話。人間賛歌。
空港での入国拒否と空港内での生活は、実際にはあり得ないと思えるが、この映画には実在のモデルがある。
イランを国外追放された、マーハン・カリミ・ナセリ(Merhan Karimi Nasseri)さんという、1942年生まれの男性。欧州各国での政治亡命申請が認められず、ようやくベルギーで国連発行の難民証明書を得たが、移住の為にイギリスへと向かう途中で
バッグを盗まれ、ロンドンのヒースロー空港で入国を拒否される。パリのシャルル・ド・ゴール空港へと引き返すが、ここでも身分証明ができず、入国を拒否され、空港ターミナルビルの中での生活が始まった、という。
1988年8月から2006年8月までの18年間、シャルル・ド・ゴール空港のTerminal Oneで生活していたというから、驚きだ。
Wikipediaの英語版に、詳しい記述がある。
それにしても、ド・ゴール空港での実話を、現代のJFK国際空港に舞台を変え(実際は巨大なセット)、ニューヨーク色を出し、ウィットに富んだ人間賛歌に昇華させたスピルバーグほか製作スタッフの手腕は、大したものだと素直に思う。
この映画のキャッチ・コピーは、「
Life is waiting」。
但し、ただじっと待つのではなく、
前向きで積極的な行動が、幸運を呼ぶ。ヴィクター(トム・ハンクス)のように!