●鎖骨骨折から664日目。
「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」、に行ってきた。
土曜の朝9時、開館時間から、沢山の人で溢れていた。
フェルメールの作品を軸に、デルフトの風景、教会内部の絵、室内風俗画など、17世紀後半のデルフト派の作品39点が、
ゆったりと展示されていた。
フェルメール作品は、初期の宗教画、風景画、風俗画まで、7作品。 (フェルメールの現存する全作品の原寸大のパネル展示も面白かった。)
以下、フェルメールの7作品についての、極めて個人的な
メモと雑感;
△ 《マルタとマリアの家のキリスト》
・日本初公開。大きめの宗教画。
・フェルメールらしさは、感じられない。
△ 《ディアナとニンフたち》
・大きめの神話画。
・フェルメールらしさは基本的に感じられないが、光と色彩に、僅かな片鱗か?
◎ 《小路》
・日本初公開。現存する2つの風景画の中の1つ。(写真の絵)
・デルフトの街並み、レンガ、窓、婦人、子供が、実に見事に描き込まれている。
・今回の展覧会で、最も好きになった作品。
○ 《
ワイングラスを持つ娘》
・日本初公開。
・男性のしぐさや女性の笑顔が、意図的に下品に描かれているのが特徴的。
・女性のスカートのひだ、ステンドグラスの描きこみがいい。
○ 《リュートを調弦する女》
・フェルメールらしい作品。左側の窓からの光、椅子、テーブル、大きな地図といった定番
の小物が、フェルメール的。
・約10年前、メトロポリタン美術館で観た時は、保存状態の悪さが目立った。洗浄されたの
か或いはライトニングの影響か、今回は気にならなかった。
◎ 《手紙を書く婦人と召使い》
・日本初公開。秀逸。
・召使いの表情、視線を合わせない二人の対比が特徴的。
・床に転がっている封蝋と手紙に物語性がある。映画のワンシーンのよう。
× 《ヴァージナルの前に座る若い女》
・日本初公開。
・2004年に、科学的解析によりフェルメール作品と認定され、33億円で落札された、唯一
の個人蔵の作品。
・黄色いシュールとドレスが不自然で、女性の描き方も荒い。
・真贋議論は今も続いているらしいが、個人的には、フェルメール作とは認めたくない。
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、フリックコレクション(ニューヨーク)、ナショナルギャラリー(ワシントン)で、フェルメールの11作品を観たことに加え、昨秋、東京新美術館の「牛乳を注ぐ女」と、今回の7作品を合わせると、19作品を観たことになる。
全点踏破への道のりは、かなり遠い。
とほほ。