●鎖骨骨折から683日目。
先日、新潮12月号(1,100円)を買ってきた。
小林秀雄の講演が収録されたCDが、特別付録として付いている。
この講演CDが、実に素晴らしい。
小林秀雄の声は、茂木健一郎著「脳と仮想」にも書かれている通り、まさに「古今亭志ん生」。
よく通る声で、澱みもなく、情熱的に語る。
温かみのある肉声は、硬質な文体とは違う魅力がある。
未発表音源「勾玉について」で、小林は「美」について語る。
- 「美」を愛している人は、1万人に一人もいない。「美」につきあっていない。
- 人ごみに行って、「ミロのビーナス」を見物してきたところで、美しさに接している訳では
ない。「ミロのビーナス」という名前に接している。
- 「美」というものは、一つの経験。知識では決してない。親しまなくてはいけない。時間
をかけなければいけないものがある。
卓越した確信。
70分超の講演が、ココロに響いた。 ■