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鎖骨骨折から122日目。
左鎖骨の骨折から4ヶ月が経過した。左上腕を上げると、まだ少し痛みがある。時折、鎖骨患部がチクッとする感覚もある。やれやれ。
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今日、世界で最も影響力のある
ワイン評論家は、
ロバート・パーカー(Robert M. Parker, Jr.)。
パーカーは、「The Wine Advocate」という冊子を、隔月で発行している。広告は一切入れず、中立的な立場で
ワインを評価する。パーカー・ポイント(PP)と呼ばれる
ワインの点数評価がとても有名。(WAポイントと呼ぶ方が正しいとは思うが、ここでは便宜上、PPを使う。)
PPは100点満点方式。全ての
ワインに50点の基準点を与え、その上で、色調と外観に5点、香りに15点、味わいに20点、そして将来の熟成の可能性に10点を割り当てて、加点していく。85点以上はvery very good、90点以上は、outstanding。
ワインの価格に関係なく評価する点は正しいと思う。但し、ブラインド・テイスティングによる評価ではないので、ある程度の先入観が入った上での評価になる。
パーカーの発言やPPの影響力は非常に大きく、高い評価が出た
ワインは爆発的に売れる。街の
ワインショップやネットショップでは、PPが金科玉条の如く、販売促進に使われている。
ワインを点数で評価する問題点については、堀賢一さんの2冊の名著、「
ワインの個性」(2007年、ソフトバンク クリエイティブ)と「
ワインの自由」(1998年、集英社)に詳しい。
堀賢一さんの指摘によれば、
ワインの数値評価が比較試飲によって行われるため、味わいが凝縮し個性の際立った判りやすい
ワインが高く評価される傾向にある、という。生産者がこれに迎合する事によって、世界中で画一的な
ワインが増え、地域性や多様性が失われつつある、ともいう。
そもそも
ワインは、世界各地でその土地の自然の恵みを受けた農作物(葡萄)から作られる、多様で繊細な加工品。そして何よりも、個人の好みが反映する「嗜好品」である。人それぞれで評価が違っても不思議はない。
堀賢一さんは、全く同じ
ワインに異なる評点を付けたパーカーのミスを見つけ、それを指摘し、パーカーも認めたらしい。
ワインビジネスに対する情熱、造詣、そして確固たる信念が伝わってくるエピソードだと思う。
点数が一人歩きする問題点については、パーカーも自身のホームページで触れている。
Scores are important for the reader to gauge a professional critic's overall
qualitative placement of a wine vis-a-vis its peer group. However, it is also
vital to consider the description of the wine's style, personality, and potential.
No scoring system is perfect, but a system that provides for flexibility in scores,
if applied by the same taster without prejudice, can quantify different levels of
wine quality and provide the reader with one professional's judgment.
However, there can never be any substitute for your own palate nor any
better education than tasting the wine yourself. (太字も原文通り)
過日、イタリア
ワインの試飲会に参加した際、ワイナリーの経営者(イタリア人)に直接質問する機会があったので、パーカー・ポイントをどう思っているか聞いてみた。彼の反応は、「いい点数がついたら嬉しい」。ちょっと拍子抜けした。
批評家の評価にとらわれない(参考にしつつも)、自由な
ワインの飲み手になりたいと、改めて思う。
ワインの個性を自分自身の五感で感じ、それを楽しむ、呑兵衛になりたい。
ああ、旨い
ワインが飲みた〜い!