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第4章 ガン食事療法の始め [2009年10月09日(金)]
P.62第5章 理論より

 私の理論は、ガンの一般的科学理論を意図したものではない。また自分の理論を他の理論や解釈と比較してみようとするつもりも、私には無い。医者が適切なガン治療を実施するうえでのガイドとして役立つことのみを目的としたものである。


P.58
●肺結核の食事療法からスタート
 私が考案したガンの食事療法の軌跡を、簡単にまとめると次のようになる。この療法は色々な食事上の要素を組み合わせたものである。私は1927年から2年間で肺結核の食事療法を確立した。その後28年から29年にかけて最初の3人のガン患者を治療して、私はいい結果を得た。
 結核の食事療法とは塩抜きの食事のことで、新鮮な野菜、果物を主に生のままで、あるいは小さく砕いて食べさせ、さらにオレンジ、グレープフルーツ、特にリンゴ、ニンジンを重視した搾りたてのジュースを、何回も飲ませると言うものだった。浣腸も何度もするようにし、ミネラロゲンと言う複合ミネラル剤も投与した。後にはバターミルク(牛乳からバターを取った残りの脱脂乳)、ポットチーズ、ヨーグルト、生卵の黄身2個を、オレンジジュースに混ぜ、毎日与えるようにした。
 私の最初のガン患者は、肝臓に小さな転移が2つあった胆肝ガンの患者で、横断を示し、高熱もあった。次の2人は胃ガンで、周辺の腺にも癒着や転移が起きていた。2人とも手術が試みられたが無駄で、生検(バイオプシー)も行われ。私は彼らに食事療法を行った。そうするうちに、このうちの1人の患者が2年後に、山で足を滑らせる事故に遭遇してしまった。彼女はクウェットリンブルグの山の中の小さな村の病院に運ばれ、事故で潰れた脾臓のための手術が行われた。脾臓に出血の跡はなかった。彼女のガンを、最初に手術したランゲブレーメン教授が現場に駆けつけ、左の腎臓が破裂しているのを発見したが、既に時遅く、命は救えなかった。検死解剖がされた。その結果、故人の体に、ガンは発見されなかった。
 1933年と34年に、私はウィーンで、6人のガン患者を治療した。この時には、非常に効果の高いレバーのエキスの注射も追加したが、結果は6人全て失敗に終わってしまった。その原因は次のようなことが考えられる。患者のいたサナトリウム(療養所)の台所は、私の療法のような厳格な食事療法をやるのには不十分だったのである。他の病気の患者たちもいたが、彼らは皆、食事のことなど何も考慮されていない治療をされていた。そんなわけで他の医者、看護婦、調理場、その他の職員たちの私への療法への反対を押し切るのがとても難しかったのだ。
 35〜36年にパリで治療した7人の場合は、3人の患者に、よい結果を得た。7人には私の最初の3人の患者と同じ療法をしたが、それに加えてレバーのエキスの注射と、青葉野菜のジュースを1日にグラス3,4杯追加して与えた。
 ニューヨークでは43年まで、巡回医としてガン患者を含め、あらゆる患者を扱わねばならなかった。
 こうして38年以降、何度かのつまずきを経て私は、他の医療手段を追加することで、より効果的な療法を作り上げることが出来た。
 多くのガン患者は基礎代謝が非常に低いことを、私は最初に発見し、このことをヨードの欠乏を示す臨床症状だと解釈した。そこで私はヨード処方を与え、最初は甲状腺剤と言う有機の形でそれを行った。そして後には、半分の濃度のルゴール液で、無機のヨードも与えることにした。最初は3滴ずつ1日に3回ずつ与え、後には最初の2〜3週間は3滴ずつ1日に6回与えるというように増やして行き、後には代謝がプラス6から8の間に止まるようになるまでは、量を減らしながら続ける方法をとった。
 そしてこれが治癒能力を回復させるのに、1番いい代謝レベルだと気付いた。細胞にノーマルな分化をさせる上で、ヨードは決定的な要素の1つである。だから、ガン細胞の中で見られるような細胞分化の現象に対処する目的で、役に立つ。また、ヨードは、ある種の副腎皮質ホルモンにも、対抗するとされている。
 そして毛細血管を広げるナイアシンを追加することで、結果はさらによくなった。ナイアシンは今のような働きで、血清と細胞の間にエネルギー交換にも役立つ。さらにナイアシンは、酸化システムの機能にも不可欠なものである。こうしていくつかの医療的処方を加えることが、腫瘍の成長を止め、周囲の組織の電気的ポテンシャル(潜在能力、位置エネルギー、保存能力)と抵抗力を強めるのに大いに役立った。また最後に、特別な処方のカリウムが内臓の神経組織を刺激し(クロウス、ゾンデック)、消化器官の機能を回復させることが判った。カリウムは同時に、ある種の副腎皮質ホルモンにも対抗するものでもある。
 私が扱うガン患者が増えるに連れ、患者も家族も、病院から家に帰されてしまった末期患者にも、何か出来るのだと気付くようになった。そして次第に私の全患者の90%がいわゆる末期ガン患者ばかりになって行った。彼らは他の治療を受けて、効果が芳しくなくなってやって来るのだった。
 このようにたくさんの最末期患者に押しかけられるようになって、私もガンの療法を色々な角度から研究し、可能な限り治療効果を向上させるよう、迫られることになった。その結果、こう云う患者のほぼ50%は快方に向かわせたり救うことが出来るようになった。またこの治癒率は患者のかかりつけの医師、患者本人がよく協力し、家族がこういう厳格な食事処方に抵抗しないのならば、もっと向上させられた。なぜならこの食事療法はかなり長期にわたって続けねばならないものだからだ。
 当初の改善率は高い。しかし1,2ヶ月のうちに、多くの患者がしばしばいくつかの臨床症状を示すようになる。そしてそれは、肝臓あるいは他の主要器官が治癒のプロセスを維持し続けて行くまで、充分に力を立ち直らせないほどに、傷(いた)められたと言うことを示す症状なのであった。
 私の治療を実行するのには、それだけで1日のうち大部分の時間を使わなければならない。また通常の3回の食事よりもお金がかかる。しかし家族に充分な愛情と献身の気持ちがあれば、患者のために全ての困難は乗り越えられる。
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