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第1章私の治療の秘密 [2009年10月06日(火)]
P.62第5章 理論より

 私の理論は、ガンの一般的科学理論を意図したものではない。また自分の理論を他の理論や解釈と比較してみようとするつもりも、私には無い。医者が適切なガン治療を実施するうえでのガイドとして役立つことのみを目的としたものである。


P.23
 私の治療に、秘密なんてもちろん無い!それなのにこんな言葉を本章のタイトルにしたのは、医者たちからいつも同じ言葉で質問されるからであり、しかも彼らは質問する時、大概は顔に不信感を現しながら質問する。
 肉体の全ての内臓、器官、組織の代謝には、調和が保たれていなければならない。この調和こそは生命の究極のミステリーであり、これが健康と命の継続と言う形で表現されているものである。「それぞれの生命の姿は、生物学的な実体である」この実体の目的はただ1つで、それは食物の助けを自分に適する形で借りて成長し、子孫を作ることである(註2)」
註2:J.F.ウィッシュフューゼンから引用

 どんな場合でも代謝に乱れが生ずると、それが病気の始まりになる。
 W.コラスは、次のように書いている。
「永遠の生命なるものは、何百万年にもわたって自分を発展させてきたものであり、今後も永遠に発展して行くものである。生命にはその全ての部分が大切であり、どの部分も特別な特権を持っているわけではない。内的な平衡が崩れてはならないからである(註3)」
コラスはまた、次のようにも言っている。この提言は悪い結果をもたらした主な犯人は、科学や技術だと言うことを我々に教えてくれる。科学や技術の役割は物事を「適度に単純化」するものだから、そうなってしまった。
「対処療法はそれを土壌、植物、動物あるいは人間のいずれに適用した場合も、本質的には有害なもので、医療に応用される場合も同様である」
「それぞれの部分は大切である。しかし究極的な秩序を持った全体はもっと大切である(註4)」
註3、4:W.コラス博士『人間の栄養の働き』の前書き参照。

 歴史的に見ると、人間は新しい考え、理論、技術や科学の新発見に、やすやすと振り回されてきた。そして、それを人間は医療の基本として利用してきた(註5)。それゆえに人間は、自然から大きく離れる結果になった。
註5:ジェンガー師『科学技術の失敗

 こういうことから考えて我々(医師)は、医学理論をより自然に近づく方向に、振り戻してみることが必要である(第7章参照)。
 医師の大部分がガンの効果的な治療と言う考えに、なぜ否定的な態度をとるかと言う理由をよく考えてみて、私は次のような結論に達した。
 第1に、我々医者はガンを不治の病と信ずるように教育されて来ていること。第2には、理論や仮説を含め、従来なされてきたガンの新治療法なるものが、みな失敗に終わって来たからである。しかし食事療法などが失敗に終わって来たのは、そのやり方に大きな誤りがあったからだ。従来のやり方は、食物中の1つの特定の要素だけを使い、その効果を観察し、次にまた別の要素で試すと言うやり方だった。このやり方が、大きな間違いだったのだ。
 私も数十年前には同じような食事全体の処方箋をガンにも応用し始めた。この処方箋は私が結核治療の体験の中で、長年かけて作り上げてきた処方箋である(拙書『肺結核の食事療法』1934年 参照)。
 食事のもたらす反応や変化を外から観察するために、私は、尋常性狼瘡と呼ばれる皮膚の結核性の病気を選んだ。それから後に、ガンの治療職を工夫する時にも、患者の皮膚疾患に注目して、食事の効果を観察するようにした。 
 その結果、結核と同じ食事療法では、腸のガンの治療には役立たないとわかった。腸のガンには、もっと集中的な治療法が必要なのだ。私の結核の治療法とガンの治療法は同じものではない。しかし、私は同じようなやり方で2つの治療法を生み出した。
 私の基本的な考えは、当初から次のようなものであり、これは今(1958年)も全く同じである。
 ノーマル(正常)な肉体は、全ての細胞の働きを正常に保たせる能力を持っている。だから、この能力は異常な細胞の形勢やその成長を防ぐものでもある。したがってガンの自然な療法の役割とは、肉体の生理をノーマルなものに戻してやるとか、出来る限りノーマルに近いものに戻してやることに他ならない。そして次に、代謝のプロセスを自然な平衡状態の中に保たせるようにするのだ。
 正常な肉体には生来、この他にもガンを抑え、破壊させる能力が備わっている。しかしガン患者の場合はそれがしかるべき働きをせず、小さなガン細胞が何の抵抗にも遭わずに、勝手に増殖してしまうような状態になっている。
 では、ガンの力を抑える力とは、どんな力なのか?私はこの力は酸化酵素の働きと、この酵素がよく働き続けられるような条件が存在することによって生まれるものだと考えている。
 最もよく知られている酸化酵素はアルギナーゼ、カタラーゼ、キサンチン脱水素酵素、エステラーゼ、尿素酸化系、シスチン脱硫酵素、チトクロームC、チトクローム酸化酵素、アミノ酸酸化酵素、フラビンである。これら全ての働きが胎児や肝臓ガン患者の中では、健康者の肝臓、あるいは回復中の肝臓の場合に比べて大いに低下している。
 正常な組織とガン組織との代謝の違いを最初に発見したのは、オットー・ウォーバーグ(註6)で、彼はこれを細胞呼吸と嫌気性糖分解の比率で示した。
 彼によれば嫌気性糖分解を細胞呼吸で割った場合、正常な組織ではこの数式の値はゼロ、胎児的な組織では0.1、両性の腫瘍では0.45〜1.45、そしてガン組織ではこれが12までも上がるとした。
註6:O.ウォーバーグ『腫瘍の代謝』(1930年)

 このこととは逆に、胎児や肝臓ガン患者の肝臓の中では、アルカリフォスファタ―ゼや脱アミノ酸酵素類の働きは、正常な肝臓より高くなっていることを示している。最も広く説かれている見方は、胎児の肝臓やガン化した肝臓組織は、胚組織とか、より原始的でより未分化な組織のそれによく似た酸化パターンを示すと言う見方である。
 原始的な生命形態の中では、細胞の大部分エネルギーが嫌気的状態、あるいは発酵と言う形で作られていることが知られている。そして高等な動物になると、嫌気的な発酵によってエネルギーが作られる割合が低下し、酸化によるエネルギーの生成が高まり、両者が共存する形になって、肺呼吸を通じて取り入れられる酸素がますます多く利用されるようになる。これに対し人間でも、ガン組織は発酵によってエネルギーを作ると言う原始的な形にドンドン逆戻りして行く。そしてこの結果として、体全体がより毒され、病気に対する防衛力(免疫)と治癒力も低下する。
 もっとも望ましいガン療法とは、体全体の酸化システムの働きを正常に戻させることである。もちろん、これを完全にやることはかなり難しい。しかし、そうするためには
(1)体全体から有害物質を追い出し体をクリーンにする。
(2)カリウム・グループに属する必須ミネラルを不足させないようにする。
(3)体の中で酸化酵素が働きを取り戻し、自分でしっかりと働くようになるまでは、酸化酵素 を連続的に体に注ぎ込む(青葉野菜や子牛の肝臓ジュースはそのためのものである)。
 こうすることで体の酸化システムの状態は、正常に近いところまで戻り、そうなると発酵システムによって生存しているガン細胞は、生きられなくなる。
 栄養は1口に言って、外的要素である。しかし刺激物にならない程度の弱い毒性をもつ食物を食べることも、体の中にある傾向を残す。その傾向とは、病気前期とみなしていいものである。
「しかし餌は2−アセチル・アミノ・フルオレンで、ガンを起こさせたネズミの肝ガンには、何の影響もないように思える。食物がガンを起こしたり、逆に防いだりするように働くものかどうか、またどのようにしてそのように働くのかは判らない」。だが、ホグブームとシュナイダーは正常な肝細胞中のミトコンドリアと肝ガンのネズミのそれの間では、科学的な違いが見られることを報告している。
 またネンバームとシルバーストーンは同血系繁殖をさせたネズミで、興味深い観察結果を報告している。
 2人はこのネズミに自然発生した肝ガンで、食物の影響を調べた。これによると、餌中の脂肪分を2%から20%に増やしたら、肝ガンの発生率が37%から53%に高まった。またリボフラビンの摂らせ方を少なくすると、ガンのできるのも減った。この結果は多分、カロリー摂取を減らした効果に違いない。なぜならカロリーを減らすと、この種のネズミでガンの成長が抑えられることが確かめられているからである。食物の影響に関する実験では、人為的に起こしたネズミの肝ガンでは、米の餌でさらにガンが増殖した。しかし、自然発生の肝ガンではそれも増殖せず、代わりにカゼインを余分に摂らせると増殖したと言う例もある。
 さらにメチオニンがネズミの肝ガンの増殖要素になったと言う実験もある。そしてこの実験からは、食硫アミノ酸は通常の組織の成長のために不可欠なものであるが同時に、ガンの成長にも同じように不可欠なのだと結論付けられている。繰り返して言えば、正常な生理的成長とガンの成長の間には、違いが無いと言うことである!(註7)」
註7:M.A.スペルヴァーグ『肝臓病』(1954年136ページ)
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