現代文明とガン [2009年10月06日(火)]
P.62第5章 理論より
私の理論は、ガンの一般的科学理論を意図したものではない。また自分の理論を他の理論や解釈と比較してみようとするつもりも、私には無い。医者が適切なガン治療を実施するうえでのガイドとして役立つことのみを目的としたものである。
P.28
ご存知のように現代の文明は、ほとんど全ての人間に病気の前段階のような状態をもたらしている。それは人により、多少の程度の違いがあるだけである。中には、前ガン状態の人もいるのだと言っていい。そして政府(アメリカ))の統計で言えば、そう言う人が6人に1人いる計算になる(1958年現在)しかもこの比率は過去25年来急上昇していて、人類は年々ガンを増やしていると言う結論になる。
ある時、ベルリン医学協会で私が自分の結核治療実績を報告することになっていた直前、H.ゾンデクは私に最も有名な生物学者でハレ大学の教授E.アブデルハルデンと、食事の影響に関して論じ合ってみるようにと勧めた。教授は栄養の観点に注目した生物学の専門家だったのだ。短い議論のあとで教授は、次のようなことを言った。
「1つ一つの栄養的要素に関して、あれこれと探究することは不可能だ。それより必要なのは、あなたがやって来たような単純な栄養的な基礎研究で、それによりこれをベースにしてそこに、あれこれと他の栄養的要素を追加しながらその結果を観察して行くことで、治療効果を上げられる。そしてそう言う効果が上げられれば、私はそのやり方を少しでも変更しよう等とはしないだろう。医師の場合だって話は同じで、人間が説明できることは本等に少ない。しかし、ことの善し悪しはその結果だけが決めるものだ」
「栄養はまず第1には、外的要素ではある。しかし年々不自然な方向に変化してゆく栄養が、人間の中に病気の前段階と言うような状態をもたらしている(註8)」が私ならこの言葉に付け加えて言いたい。「人体が変化に適応してとる適応反応は、ごくゆっくりとしたペースでしか進まない。これに対し、日々にもたらされる有害な影響は、そのレベルが低いため、人体はこれに防衛反応を起こさない。しかし防衛反応を起さない体の中には、有害物質が次第に蓄積されて、やがてガンが成長を始める(註9)」のだと。
註8:シーグムンド教授『腫瘍患者の治療』(1953年277ページ)
註9:L.ウィッケンデン『日常の有害物質』(1955年)
1952年にドイツで開催された国際ガン会議で、私は2度目の講演をした。そしてこの講演のあとW.コラス教授は、私に、自分の近著『人間の栄養状態』(1952年)を手渡してくれた。本には「貴方の学説『不治の病は治せる』に感謝をこめて」と言う献辞が書かれてあった。
残念ながら、栄養の問題は、現在の学問や知識の立場からは充分に理解されていない。それゆえに、私の治療法にも何か秘密があるように見える。とは言え、アブデルハルデンその他の科学者の前出のような言葉は、実際の治療の上での問題解決にとても役立つ言葉である。私は、医術も医学上の問題の議論も共に医学の世界の未解決な2問題なのであり、我々(ことに医師)の役目は、この事実を認めて、いい治療結果を挙げることに全力を尽くすことだと思う。
正常な肉体の中では全ては生きていて、とくに基礎的なものはミネラルによって作られている。そしてこれらが正の電荷を持つカリウムやカリウムグループのミネラルをイオン化したり活性化したりしている。
これに対し止んだ肉体―とくにガン患者では、狩生、右派活性化されておらず、逆に負の電荷を持つナトリウムやナトリウムグループのミネラルが、イオン化されている(本書第3、第14〜16章では、ミネラル類の持つ生体内での電気的特性が説かれている。これはそれぞれのもつ無機の電気化学的な電気的性質とは違ったものである。ただ著者の表現には時折、無機の電気化学の立場から書いているものも混じる。そのあたりは注意深く読んでいただきたい。なお、無機の電気化学的立場と生体内での違いに関しては、140ペ−ジで解説している=訳者註)。そしてこれがスタートになって、諸々のアブノーマルな状態が生まれて行く。治癒のためには何より肉体から有害なものを追い出し、肉体にイオン化されたミネラルや自然な食品で活性を与えなければならない。そうすれば基本的な器官も再び正常に働くようになるのだ。
治癒の過程で体は一種の炎症反応を起こす。これは肉体が大きく変わって行く時の反応である。この時には体は異常な物質やなれない物質(細菌、ガン細胞、傷跡なども含む)に対して極めて感じやすくなったり、アレルギーを起こしたりする。そして、そのガン細胞がより悪性であればあるほど、この現象が効果的に現れるのが私の治療法であって、私はこれを「自分の治療法の最終効果、ないしは秘密だ」と思っている。幸い、ベルクマンなどの学者が現在(1958年)このアレルギー的反応の特徴を明らかにしている(註10)。
註10:第17章参照
機械的な治療法やある種の刺激療法等で、過去、こういう効果を挙げることは出来なかった。そしてドイツのA.バイエル(註11)、H.ランベルト、バッファローのO.セロウリイ(註12)その他の医者は、退化病やガンの治療には成功しなかった。
註11:シーグムンド教授『日常の有害物質』(1955年)
註12:K.F.ハウグ『発熱と充血が腫瘍に及ぼす影響』
私の理論は、ガンの一般的科学理論を意図したものではない。また自分の理論を他の理論や解釈と比較してみようとするつもりも、私には無い。医者が適切なガン治療を実施するうえでのガイドとして役立つことのみを目的としたものである。
P.28
ご存知のように現代の文明は、ほとんど全ての人間に病気の前段階のような状態をもたらしている。それは人により、多少の程度の違いがあるだけである。中には、前ガン状態の人もいるのだと言っていい。そして政府(アメリカ))の統計で言えば、そう言う人が6人に1人いる計算になる(1958年現在)しかもこの比率は過去25年来急上昇していて、人類は年々ガンを増やしていると言う結論になる。
ある時、ベルリン医学協会で私が自分の結核治療実績を報告することになっていた直前、H.ゾンデクは私に最も有名な生物学者でハレ大学の教授E.アブデルハルデンと、食事の影響に関して論じ合ってみるようにと勧めた。教授は栄養の観点に注目した生物学の専門家だったのだ。短い議論のあとで教授は、次のようなことを言った。
「1つ一つの栄養的要素に関して、あれこれと探究することは不可能だ。それより必要なのは、あなたがやって来たような単純な栄養的な基礎研究で、それによりこれをベースにしてそこに、あれこれと他の栄養的要素を追加しながらその結果を観察して行くことで、治療効果を上げられる。そしてそう言う効果が上げられれば、私はそのやり方を少しでも変更しよう等とはしないだろう。医師の場合だって話は同じで、人間が説明できることは本等に少ない。しかし、ことの善し悪しはその結果だけが決めるものだ」
「栄養はまず第1には、外的要素ではある。しかし年々不自然な方向に変化してゆく栄養が、人間の中に病気の前段階と言うような状態をもたらしている(註8)」が私ならこの言葉に付け加えて言いたい。「人体が変化に適応してとる適応反応は、ごくゆっくりとしたペースでしか進まない。これに対し、日々にもたらされる有害な影響は、そのレベルが低いため、人体はこれに防衛反応を起こさない。しかし防衛反応を起さない体の中には、有害物質が次第に蓄積されて、やがてガンが成長を始める(註9)」のだと。
註8:シーグムンド教授『腫瘍患者の治療』(1953年277ページ)
註9:L.ウィッケンデン『日常の有害物質』(1955年)
1952年にドイツで開催された国際ガン会議で、私は2度目の講演をした。そしてこの講演のあとW.コラス教授は、私に、自分の近著『人間の栄養状態』(1952年)を手渡してくれた。本には「貴方の学説『不治の病は治せる』に感謝をこめて」と言う献辞が書かれてあった。
残念ながら、栄養の問題は、現在の学問や知識の立場からは充分に理解されていない。それゆえに、私の治療法にも何か秘密があるように見える。とは言え、アブデルハルデンその他の科学者の前出のような言葉は、実際の治療の上での問題解決にとても役立つ言葉である。私は、医術も医学上の問題の議論も共に医学の世界の未解決な2問題なのであり、我々(ことに医師)の役目は、この事実を認めて、いい治療結果を挙げることに全力を尽くすことだと思う。
正常な肉体の中では全ては生きていて、とくに基礎的なものはミネラルによって作られている。そしてこれらが正の電荷を持つカリウムやカリウムグループのミネラルをイオン化したり活性化したりしている。
これに対し止んだ肉体―とくにガン患者では、狩生、右派活性化されておらず、逆に負の電荷を持つナトリウムやナトリウムグループのミネラルが、イオン化されている(本書第3、第14〜16章では、ミネラル類の持つ生体内での電気的特性が説かれている。これはそれぞれのもつ無機の電気化学的な電気的性質とは違ったものである。ただ著者の表現には時折、無機の電気化学の立場から書いているものも混じる。そのあたりは注意深く読んでいただきたい。なお、無機の電気化学的立場と生体内での違いに関しては、140ペ−ジで解説している=訳者註)。そしてこれがスタートになって、諸々のアブノーマルな状態が生まれて行く。治癒のためには何より肉体から有害なものを追い出し、肉体にイオン化されたミネラルや自然な食品で活性を与えなければならない。そうすれば基本的な器官も再び正常に働くようになるのだ。
治癒の過程で体は一種の炎症反応を起こす。これは肉体が大きく変わって行く時の反応である。この時には体は異常な物質やなれない物質(細菌、ガン細胞、傷跡なども含む)に対して極めて感じやすくなったり、アレルギーを起こしたりする。そして、そのガン細胞がより悪性であればあるほど、この現象が効果的に現れるのが私の治療法であって、私はこれを「自分の治療法の最終効果、ないしは秘密だ」と思っている。幸い、ベルクマンなどの学者が現在(1958年)このアレルギー的反応の特徴を明らかにしている(註10)。
註10:第17章参照
機械的な治療法やある種の刺激療法等で、過去、こういう効果を挙げることは出来なかった。そしてドイツのA.バイエル(註11)、H.ランベルト、バッファローのO.セロウリイ(註12)その他の医者は、退化病やガンの治療には成功しなかった。
註11:シーグムンド教授『日常の有害物質』(1955年)
註12:K.F.ハウグ『発熱と充血が腫瘍に及ぼす影響』
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コメント
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Posted by:Replica Rolex at 2012年12月08日(土) 19:15