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第3章 相対的栄養への方向 [2009年10月08日(木)]
P.62第5章 理論より

 私の理論は、ガンの一般的科学理論を意図したものではない。また自分の理論を他の理論や解釈と比較してみようとするつもりも、私には無い。医者が適切なガン治療を実施するうえでのガイドとして役立つことのみを目的としたものである。


P.45
 かつては栄養の中味はその国の条件や歴史的事情に左右されて、伝統的に決められていた。宗教や国によて規制されたり、あるいはその家族や個人の経済条件によって決められていた。現代では文化的環境の変化、科学や工業技術の進歩などが、人々の食べ物の中味を不断に変え続けるようになった。農業の生産方式の変化、食品の保存や流通の技術のそれ、そしてまた生活条件の向上に応じての変化などが、大きな原因となっている。しかし、ここではこの種の問題(註21)には触れず、基本的なことだけを述べる。
註21:A.W.マッカン『食物の歴史』およびヒテンフェルト教授『食物の歴史』

 たくさんの数表や文献を挙げて、その解説をしながらではないと、よい栄養の基本とはどんなものかと言うことを、理解してもらうのはなかなか難しいものだ。
 ここで云うよい栄養とは、人に毎日耐えることのないエネルギーと力を与え、仕事その他の義務を果たす余力も、間違いなく保障してくれるような栄養のことである。
 ここでは、兵役も免除され生命保険に入るのも拒否された人々と接触して来た私の臨床体験を材料に栄養の基本を説明してみたい。なお、私がここで述べるような食事の基本線を守ることによって、彼らは軍隊にも生命保険にも入れるようになったと言うことを付け加えておく。
 私は慢性病から回復したあとの何千人もの患者にこのアドバイスを与え、彼らの多くは自分の家族も含め、この線に沿った食生活を長い間続けて来た。結果は満足出来るものに
なった。大部分のものがよい健康状態を享受し、生命保険にも入れたし、重要な仕事も許され、ちらと労働力を向上させた。もちろん、私自身も私の家族も30年以上、同じタイプの食事をしている。
 この食事の基本的な約束事は、徹頭徹尾、杓子定規と言うものではない。その人の生活習慣や家族の祝い事の日や休日の楽しみの余地も残しているし、食べ物全体の4分の1は自由に選択しても構わない。
 基本的約束事のうち4分の1はとくに重要な器官、つまり肝臓、腎臓、脳、心臓などの機能を守る役割を果たすためのものになっている。これらの基本的器官に余力を蓄積させ、不必要な負担をかけないように考えられているのだ。余分な食物、とくに消化しにくい脂肪の燃えカスを処理したり、有害なものの処理によって体に余計な負担をかけることのないようにと言う注意が払われている。それによって、色々な種類の体の退化や、年齢より早い老化、全ての急性および慢性の病気も防ぐ。これらの病気は、どこかの器官が元々弱いとか、弱くなった状態にあるとか、以前に悪くしたことがあるとか云ったチョッとした原因で起きる。
 だからこの食事の基本的ガイドは、あくまで病気の予防のためのもので、治療のためのものではないことは、前もって知っておいてもらう必要がある。治療のためには、食物にもさらに深い注意が必要だし、体の化学の病理状態に対する直接的な医療的手段も、病気に応じて必要だからである。
 私の言う基本的ガイドとは、炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ホルモン、酵素がどうの、必要なカロリー計算はどうの、と言ったことを強調する生理学の教科書が書いているものとは違う。この種の古臭い教科書は主に、排泄両を基礎にした代謝の必要量にあわせてあるだけで、むしろ重要性の引くい栄養物質を考慮に入れているものもある。まだ化学は総ての酵素、ビタミンのことを解明しているわけでも、またホルモンやミネラルの生物学的な機能の多くを完全に知り尽くすほど進歩してもいない。
 とすれば自然な形の食品で、自然と結びつき、自然と一緒になったもの、そして出来る限り有機栽培で生産されたものを食べる方が、より安心なのだ。それが自然の法則に従う事になるからである。
 どんな科学も存在していなかった何千年もの昔から、人類のために役立って来たものは、このやり方だった。また、こうすれば、今(1958年)までに発見されているビタミンも酵素もまだ発見されていないそれも(とくに後者だが)我々は全て摂ることが出来る。コラス教授が言う生命を促す物質≠ヘ、出来るだけ新鮮な形の食品から最もよく摂れるものであり、たとえば缶詰などと言った精製や加工、保存のプロセスによって、不用意に破壊すべきものではない。自然で新鮮な形の食品には必ず、必要な栄養素が適切な形と量で、かつ自然なバランスで混ざり合っている。そして人間は本能的直感、つまり空腹感、味覚、嗅覚、視覚その他の要素で、これらを選択している。
 さて、貴方の食事の4分の3は、次のようなもので構成されるようにしなければならない。
 全ての種類の果物。これは大部分は生で食べるが、一部はいくつかの違った方法で調理の手を加えてもいい。たとえば、搾りたての果物ジュース(オレンジ、グレープフルーツ、ブドウなどは特に適している)。果物サラダ、果物スープ、砕いたバナナやリンゴ、リンゴ・ソースなどの形で食べても構わない。
 野菜。これは、全て新鮮なものがふさわしい。それを生のままか、野菜そのものの水分で茹でるか、細かく砕くかして摂り入れる。ニンジン、カリフラワーなどはこれに適している。また野菜サラダ、スープなどにしてもいい。この他に乾燥させた果物や野菜を利用してもいい場合もある。ただし、冷凍したものは避けなければならない。
 ジャガイモは焼いた物がベストで、これをすり潰して牛乳やスープに混ぜてもいい。ジャガイモをフライにするのは、時たまにする。それよりも皮付きのまま茹でる方が好ましい。
サラダは青葉野菜のものとか、これにトマト、果物、他の有機野菜を混ぜたものなど。
 パンは無精白のライ麦か小麦の粉で作ったもの。あるいは両者を混ぜたもの。粉は出来るだけ精白しないか、精白度の低いものにする。オートミールも頻繁に食べるようにする。そばのケーキやジャガイモのパンケーキは、好みで構わないが、甘味は赤砂糖(黒砂糖)、蜂蜜、かえで糖(メイプル・シロップ)などにする。
 牛乳、バターミルク、ヨーグルト、バターなどの乳製品も摂るようにする。ただしポッド・チーズ(脂肪抜きのチーズ)その他のチーズ類は塩味や香辛料の強くないものにする。クリームやアイスクリームは、極度に量を少なくするか、休日の楽しみに限る(アイスクリームは子供には毒物≠ナある)。
 先にも述べたように、この基本ガイドを前食事の4分の3において実施したのならば、残りの4分の1は、各人の好みで構わない。肉、魚、卵、ナッツ、キャンディーやケーキ、その他は自分で選んでいい。
 タバコは吸うべきではない。
 酒類はワイン、ビールも含めて出来るだけ減らし、アルコール類よりも搾りたての果物ジュースを飲むようにする。
 コーヒーとお茶も、ペパーミントやカモマイル(カモミール)、菩提樹の花、オレンジの花の茶、その他いくつかのお茶以外は出来るだけ量を減らす。
塩、重曹、魚の燻製、ソーセージは出来るだけ避ける。コショウやショウガのような強い香辛料は避ける。ただし新鮮な香味類はタマネギ、パセリの葉、セロリ、エゾネギなどはもちろん、ワサビも種類によっては構わない。
 繰り返して云うが、野菜や果物を煮る時にはそれ自身の水分で煮ることが大切である。そうしないと調理中の水分の中に、ミネラル分がすぐに溶け出してしまうからである。野菜や果物の中の大切なミネラル成分は、元のコロイド状態の中にある時の方が体によく吸収されるように思われる。

コロイド「コロイド」はもともとはイギリスのトーマス・グレアムが1861年にデンプンやゼラチンのように半透膜を透過することが出来ない物質を表すためにつくった言葉です。 現在、「コロイド」は二つ以上の相が混在したもので、一方の相(分散相という)の微粒子 ...
www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/.../Colloids.html - キャッシュ - 類似ページ

 野菜は全てが食用に適する。そしてミネラルの点から考えると、ニジン、さや豆類、トマト、フダンソウ、ホウレン草、さやえんどう類、キャベツ、アーティーチョーク、リンゴなどと一緒に調理されたビート(砂糖大根)、トマトと一緒に調理されたカリフラワー、リンゴや干しブドウと一緒にした赤キャベツなどは、特に勧められる。
 野菜の最もよい調理法は水を加えず、1時間半か2時間かけてゆっくり調理することである。
 鍋の下にマットを敷いて焦げないようにして、また取り沖のスープ(第33章の特別なスープ参照)を水の代わりに使うとか、いく切れかのトマトを加えるやり方もいい。こうすると味がよくなる。ただ、ホウレン草の汁は適さないので、これは大概の場合、捨てる。タマネギ、しろネギ、トマトは、水分が多いのでそれ自身の水分で十分調理できる。またビートはイモ類と同じように、皮付きのままそれだけで調理する。水を加える調理をするような場合でも、皮付きでするようにする。野菜はゴシゴシ強く洗って構わないが、皮を剥いてはいけないことを覚えておいて欲しい。
 鍋はフタがピッチリして、湯気が逃げないものを使う。だから、フタが重くピッチリはまるものがいいのは云うまでも無い。料理した矢指は冷蔵庫で1晩保存して、温める時には、少量のスープや搾りたてのトマトの汁を付け加えて、ゆっくり温めて使うことも出来る。
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